歩け、歩け

On 2010/5/24 月曜日, in hypoxia reseacrh, Net Watch in Science, Thus Spoke Dr. Hypoxia, by bodyhacker

Nature MedicineにHIF-2aと変形性関節症の関係の論文が二つ出ています。

日本の新聞でも報道されていました。

Transcriptional regulation of endochondral ossification by HIF-2α during skeletal growth and osteoarthritis development

Nature Medicine doi:10.1038/nm.2146

Hypoxia-inducible factor-2α is a catabolic regulator of osteoarthritic cartilage destruction

Nature Medicine doi:10.1038/nm.2153

Schipani氏のlab.からではなかったですね。

骨・軟骨の運命にHIFが与える影響は結構古くから検討されていてぼくもはるか以前にはATDC5を使った検討をしたことがありました。
今回はこのような従来の流れとは異なるところからの到達で、かなり地道な気の長い検討の末の成果だと思います。

やっていることはそう派手なことではないと思いますが、細胞、動物、ヒトの検体を網羅した総合的な解析で素晴らしいです。

医者は、現象とか、疾患とからから出発することが多くその意味では臨床現場は現象の宝庫です。誰もが知っている有名な現象の機序を結構初歩的な分子生物学的な切り口で解き明かしていくのはphysician-scientistsにとって快感なのだと思います。
いや本当に不思議なことは多いですよ。

HIF-2aだけをターゲットする効率のよい方法はぱっと思いつきません。どう展開されていくのでしょうか。その一つ上流を狙うのでしょうか。

今月号のNature Medicineに

Regenerating physician-scientists
と題した

The Vanishing Physician-Scientist?
という本の書評が載っています。

医者になってから研究しても遅くないような気もするしうちの大学の卒業生に卒後6年くらい臨床するのを禁止して基礎研究をさせたらすごいことが起こるのではとも思っています。

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知の旅への誘い
知の旅へー身体
では、”歩く”ということが強調されています。二本足で歩く。歩くことが思考することで、認識することであるような精神、行動する精神の重要性が強調されています。

最後の方で、小林秀雄の”オリンピア”というエッセーが紹介されています。確かにこれはとても優れた身体論で研究だけでなく麻酔をする際にもぼくはいつも意識しています。一回読んでみたらどうでしょうか。小林秀雄全作品〈13〉に収録されています。新潮社からの文庫本にも入っていると記憶していますがどれか忘れました。小林秀雄全作品〈13〉には「歩け、歩け」という少文も載っています。これは笑います。戦中の話なのですがまるで今の事のようです。同じ歩くのでも自分で歩くのと他人に歩かされるのでは大違いです。

<追記>
アパートで確かめたら”オリンピア”はXへの手紙・私小説論 (新潮文庫)に入っています。
これは小林秀雄の初期のスゴク良いまとめになっています。”様々なる意匠”を含め”有名”な評論はすべて収録されています。
Xへの手紙・私小説論 (新潮文庫)

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