三重大学の島岡要さんが「研究者のための思考法 10のヒント」というタイトルの本を羊土社から出版されました。

本を送っていただきました。どうもありがとうございました。

 



早速帰宅時に読んでみました。

 

以前からの島岡さんのfollowerは解ると思いますが今回の「思考法」は 「やるべきことが見えてくる研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」の続編のような位置づけになっています。 本の表紙や挿絵も同一のイラストレーターさんが担当されていてそのことからもわかります。

 

本の解説をぼくがやっても面白くないので島岡さんとぼくの関係からはじめてみます。

 

医歯薬出版から出ている「研究留学術」という海外留学を志す若い人ー主に医者ーがよく読む本があります。慶応大学の門川俊明さんの著作です。

初版は2002年に出版されたのですが第二版が2012年の春に出版されました。

社会情勢が大きく変化して留学の「ルール」の改訂に合わせた内容の改訂が主たる変更点ですが、巻尾に「【特別鼎談】 研究留学―Ten years after」という座談会の内容が付け加わったという事も変更点の一つだったようです。

実は初版ではぼくの留学レポートも収録されています。(参照) 留学を志す若い医者にとってはmust readな一冊となっているようぼくもこの本のおかげで随分多くの人に声を掛けてもらいました。

 その縁で座談会に呼んでいただきました。 会は2011年の夏の盛りに京都で行われました。その折りに島岡さんと始めてお話をしました。二次会まで合わせると6時間くらいはいろんなことを話していたことになります。(参照

時間をおかずもう一度島岡さんと会いました。

ぼくがまだ京大にいるときに、皮膚科の椛島さんと「キャリアアップセミナー」を企画してゲストスピーカーとして島岡さんをお呼びしたのです。 当日の様子はブログでも紹介しました。(参照1参照2) この時も合計6時間くらいは時間を共有しました。

その他麻酔科関連の学界のランチョンセミナーでなぜか隣に座ったりとか意外と出合うことが多かったのです。島岡さんは今でも麻酔の医者です。

実はこの二回の島岡体験は二回ともちゃんと出版物となり世に出ました。(参照1, 参照2, 参照3)「医学のあゆみ」の岩永さんのお許しがあればここにfileをアップできるのですが…

とにかく、このように島岡さんにはこのように人を後押しする妙な念力があるようです。


このように結構な時間にわたって島岡節の洗礼を浴びていたので今回の「思考法」もなんか島岡さんが横でしゃべっているのを聞いているような感じで読み進めることになりました。


さてやっと内容です。

最近の社会学とか心理学の最新の成果を援用した今風な内容です。それを良く咀嚼して研究者のための思考法として島岡風に10+二つの外伝にまとめ上げた本です。断片的にはどこかで目にしたことがあるような気もするかも知れませんがそこから一捻りしてあるのが島岡風です。

第六章の「研究者のあたらしい働き方- ///スラッシュのあるキャリア」は特に面白く読みました。

Masteryとは、希少性と参入障壁を、永遠でないしてもある程度の期間維持できるような専門性の取得と定義してそれを自分のキャリア設計の中で社会の変化も考慮してserialに獲得していくというserial masteryというスタイルが「///スラッシュのあるキャリア」なのです。 つまり、島岡さんの場合、「大学教授/ 研究者/ 医師/ 教育者/ 作家」となるわけです。
serial killerみたいに、とにかく片っ端から獲物を狩っていくような感じもいいです。

第七章は 「抗脆弱性(アンチフラジャイル)とは- 想定外の衝撃「ブラックスワン」に備える」もうまい。

でニコラ・スタブレの提唱する「アンチフラジャイル」の考えを研究者のキャリア設計のあり方に援用した章です。 バーベル型のキャリア設計でアンチフラジャイルな働き方をという提案です。 

この章の最後はチェゲバラの「ある日の真実が、永遠の真実ではない」という言葉で締めくくられています。 ゲバラの著作「モーターサイクル・ダイアリーズ」の中の言葉です。「モーターサイクル・ダイアリーズ」って映画になっているんですけどぼくはDVDを持っているんです。この映画は一度はご鑑賞ください、超お薦めです。

因みにゲバラも医者です。一応。
/医師/革命家/作家/
みないなキャリアを持ったserial masteryの人です。


この著作には4回分島岡さんが行ったインタビューが挿入されています。 登場人物は日本人研究者でたぶん人選は島岡さんが好みで行ったのだと思いますがちょっと変わったキャリアを持つ一流研究者達です。 島岡さんはかなり控えめなインタビューアーとして振る舞っているのですが、結局は、みなさん島岡さんのペースにはまり島岡さんが話してもらいたいと思うことを話させられたような印象を受けました。 ここも読みどころです。

島岡さんは雑誌「医学のあゆみ」でもインタビューシリーズをやっていると思います。キャリアの//に/インタビューアー/を付け加えてもいいような気がするくらいです。


目次や島岡さんの略歴は本の詳細は羊土社のページから確認できます。

 

速攻で書いてみました。

だれが読むべきか。 とにかくぼくとしては同僚の麻酔科の先生方に推薦したいです。

 

研究者のための思考法 10のヒント~知的しなやかさで人生の壁を乗り越える

モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版 [DVD]

【追記】

岩永さんのお許しが出たのでこの部分を読めるようにしておきます。

実はこの二回の島岡体験は二回ともちゃんと出版物となり世に出ました。(参照1, 参照2, 参照3)「医学のあゆみ」の岩永さんのお許しがあればここにfileをアップできるのですが…

特別鼎談vol.1.pdf

特別鼎談vol.2.pdf

キャリアアップセミナー記事.pdf

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