梅雨明け
関西も今日梅雨明けとなりました。
日差しはかなり強かったのですが朝のうちに校舎に入り冷房が効いた部屋にいたので暑さを実感することはありませんでした。
「海の日」で休日だったので大学は閑散としていました。
研究室ではなぜか年寄り三人が実験をしているという妙な状況でした。
気分的に余裕をもって実験もできたしデスクワークもできました。
某プロジェクトもいよいよと佳境に入ってきました。あんなに単純な実験でこれほど面白い結果が得られるとは思っていませんでした。
麻酔科医は気楽な商売か
ある病院の 麻酔科医師は病院の副院長、平成19年8月11日(当時53歳)に脳出血を発症し遷延性意識障害となり寝たきり状態が続いている。原告は、安全配慮義務違反を理由とする債務不履行及び不法行為、また使用者責任に基づいて損害賠償を求めている。
当時の病院の状況、「○○市の中核的な医療施設」で「広範な地域の救急に対応している病院」、ベッド数199床、医師数78名(常勤19名、非常勤59名)、麻酔科医師体制は常勤1名(原告のみ)及び非常勤3名、手術件数115件(月平均)
と要約される訴訟が本人と妻を原告として病院法人などを被告とした訴訟があり 「麻酔科医師労災訴訟を支援する会」というものが結成され支援していたところ最近その判決があったのであるがその判決が問題をはらんでいるということで全国80大学の麻酔科に支援を要請したという話があります。
確かに職場(大学病院です)にも書類が届いていました。
全80大学の麻酔科教授に訴訟支援を要望。「麻酔科医師労災訴訟を支援する会」、判決問題視m https://t.co/mTQZJrxiwi #m3com
— m3.com編集部 (@m3com_editors)
判決の要旨はここから読めます。 「麻酔科医師労災訴訟を支援する会」による要約ですのでバイアスがあるのかもしれません。
手術件数115件(月平均)の手術件数ということで火曜日、木曜日及び金曜日の手術日とすれば一日に10件弱の手術麻酔がこの病院で行われていたことになります。非常勤医師が3名ということですがどのような勤務だったのか不明なのですが各手術日に一人として全て麻酔科医が関与する手術だったと仮定すれば麻酔科医二人でその10件弱の麻酔を担当していたことになるのでしょうか。これをもって加重な勤務といえるかどうかは手術の種類にも依るので議論の対象外としたいと思います。(一日5件を週に三日間一人で担当していたとすればどのような体制でも結構な麻酔量だとは思います)
それよりも問題だと多くの麻酔科医に思われているのは判決の理由にある「手術中も容態が安定している患者であれば、麻酔科医は椅子にすわって本を読んだり、休憩のために中座することが可能であり、また、麻酔の方法もほとんど定められた方法を実施すれば足り、手術中、高度の精神的緊張を終始強いられるわけではない。」という認定の部分だと思います。
文脈上特定の麻酔科医つまり原告についてだけでなく一般に麻酔科医の業務についてこのように認定しているのだと思われるのです。
これはひどいだろうという訳です。
患者の「容態が安定している」場合にはそのような事が可能であることは否定しません。また高度の精神的な緊張をどのようなものと捉えるかですが麻酔科医が常に高度の精神的な緊張を強いられているかというとそうでもない場合もあることも否定しません。しかしこの言い方はひどいとぼくも思います。
一日10時間以上手術室に滞在してみたらどれほどのストレスがかかっているか解ると思います。そもそもあんな環境に一日中とか一晩中存在するだけでぐったりしますよ。
原告は控訴するとのことです。今後どうなっていくのかには関心があります。
本を何冊か紹介します。
“Life’s Greatest Secret: The Race to Crack the Genetic Code“
まだ1/3位しか進んでいません。WatsonのDouble Helixの後の時代を活写した書物です。
WatsonのDouble Helixは明らかに彼の回想ですがこっちは歴史的な裏付けがあります。これは大きな違いだと思います。
おそらく日本語訳が登場すると思います。それくらいの良書と思います(1/3しか読んでいませんけど)。
二冊目は「日本語の活かし方」
著者は横浜で国語塾を開いている方です。
日本語を使いこなす技術書です。
「書く」ための言語技術
「読む」ための言語技術
「話す・聞く」ための言語技術
の順番で17の「技術」が解説されています。 特に「話す・聞く」ための言語技術の章は目新しく実践的だと感じました。
一冊840円です。読んでみる価値は十分あります。
もっと書くことがあったはずなのですが書き癖が治ってしまいこれくらいでギブアップです。