在野研究者として生きる

On 2016/3/27 日曜日, in hypoxia reseacrh, by bodyhacker

開花宣言

大阪でもさくらが咲き始めました。


科学論文を読む

科学雑誌”Science”の提供するページに、”How to (seriously) read a scientific paper“という記事が掲載されています。

様々なキャリアの段階の研究者が「まじめに」自分流の論文の読み方を

  • How do you approach reading a paper?
  • What do you do when there is something you don’t understand?
  • Do you ever feel overwhelmed reading papers, and how do you deal with that?
  • Do you have any other tips you’d like to share?

以上の観点から語るという趣向の記事です。 まあ参考になると思います。

Scienceにはこの少し前に、Adam Ruben氏 (Experimental Errorというエッセイシリーズの著者)の“How to read a scientific paper”というエッセイが掲載されていました。 今回はそれを承けての、”seriously”なのです。 “元の”のRuben氏のエッセイもこれはこれで面白いもので以下の10の要素に分けて”not seriously”に論文と若手研究者の関わりを描きます。

  1. Optimism.
  2. Fear.
  3. Regret.
  4. Corner-cutting.
  5. Bafflement.
  6. Distraction.
  7. Realization that 15 minutes have gone by and you haven’t progressed to the next sentence.
  8. Determination.
  9. Rage.
  10. Genuine contemplation of a career in the humanities.

以上のエッセイは興味のある人に読んでいただくとして以下ぼくのやり方を書いてみようと思います。

論文を読む目的

論文を読む目的は様々です

  • 研究室のjournal clubで紹介するために読む
  • 趣味で読む
  • 定点観測の一環として読む

などの他に

  • 実験法を調べるために読む
  • 論文の執筆に際して読む

などいろいろあります。 そしてその目的にあわせていろんな読む方が存在します。

journal clubでの紹介ならかなり深い理解と関連論文をあわせて読むということも必要になります。 趣味で読むのであればabstractを読んでfigureを眺めて,解説記事など読めばそれでお終いということになります。 定点観測のために読む場合は論文そのものを読む前にタイトル,著者,雑誌名でスクリーニングをかけてのちabstractまで読むかどうかを決めて最後に全部読むなら全部読むことになります。

読む論文を選ぶ

まず読む論文を選びます。

  • 他人から強制的に提示される
  • 雑誌を丸ごと眺めてピックアップする
  • pubmedなどで定点観測する
  • ネットで推奨を参考にする

などなどこれにもいろんなやり方が存在します。

学生や研修医の時代には「上から」提示される場合が多いかも知れません。 もう30年近く前医学部の学生の時、カリキュラムの一環で行っていたジャーナルクラブの担当が本庶佑先生だったことがります。利根川研から”Cell”に発表された論文が教材でした。本庶さんからいろんな質問が出て皆で読み進めて行く形式でした。今から考えると贅沢なジャーナルクラブでした。

雑誌を丸ごと眺めるのは最近ではあまり行っていません。週刊誌では”Nature”, “Science”、月刊誌では”Cell”とか”Nature Medicine”位でしょうか。臨床関連のいくつかの雑誌は取りあえずタイトルだけは眺めます。”New England J Med”, “Lancet”, “JAMAE”, “BMJ”とその関連雑誌です。麻酔科関連も取りあえず三誌くらいはサーべーイしています。 ここ数年は「定点観測」方式を採用しています。

で解説されている方法で週に一回、全部で10個くらいのキーワードの組み合せを作ってmailで配信してもらう設定にしてあります。 生命科学系の検索結果は火曜日、臨床医学系の検索結果は木曜日の夕方に届きます。

毎週150から200編くらいの論文をタイトル(これは重要)、雑誌名(これは大して重視していないけど、”Nature”, “Cell”とかの論文だと無条件でastractまでは読みます)でスクリーニングしてコレハと思う論文はAbstractまで読みます。この段階で50編くらいになっているかもしれません。

取りあえずこれは毎週判で押したように実行する、というのが普通の研究者。

読む論文を読む

こうして重要と思えば全文にアプローチするということになります。」勤務先で「読める」ものと「読めない」ものがありますのでそれを考慮して10編くらいの論文はpdfを入手して紙に印刷してボールペンを片手に読みます。「積ん読」するものもありますがpdfを入手したものは”Papers”に整理します。 読み終わればキャビネットに収録しますが散逸しちゃう場合もあります。それでもボールペンを持って線を引いたり絵を描いたりして読みます。 特に重要と思えば参考文献まで読んでjournal clubなどで発表するとか他人に推薦することもあります。

このようにして最後まで読む論文については解らない単語が頻出するということはないので通常辞書を参照したりネットで調べながらということはありません。

却って趣味で読む自分の専門領域外の論文の方が読みにくい場合はあります。趣味で読んでいるので自分なりに消化できればそれ以上は気にしません。


「これからのエリック・ホッファーのために: 在野研究者の生と心得」」という本を読みました。

「16人のの「生」を、彼らの遺した文献や、伝記的事実から読み解く。

大学や組織などに所属せずとも、しぶとく「生き延びる」ための方の心得、40。」

と帯にあります。

「バイオパンク―DIY科学者たちのDNAハック!」に比較してより<在野研究者>の「生」に力点が置かれていて勇気付けられました。

ぼくらのような医者は往々にして臨床の合間に適当に研究をしているのだろうと見られます。実際にそうなのですがだからといってぼくらも科学者としてやっていてそれなりの成果を世に問うています。

専門家はぼくらに負けないようにがんばってくださいませ。

 


インフルエンザで自宅待機をしていたときETVで「考えるカラス」という番組を偶然視ました。

番組のねらいここから

番組が丸ごとNHKのサイトから視聴できます。これ面白いです。調子にのって全部視ました。

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