「日暮れて道遠し」

On 2016/12/5 月曜日, in book, books, hypoxia reseacrh, iPhone/iPad/Mac, twitter, by bodyhacker

三日前から某Dry解析のためのいろんな作業をしていて目が痛くなってきました。 紆余曲折はあったのですが軌道に乗ってきています。

とはいえ今日も師匠にtwitterでいろいろと教えてもらいながら進んでいます。「日暮れて道遠し」という感覚はあります。

 

院生のSさんのMacBooK Proの具合が悪くなりました。内蔵のSSDがdiskutililyでは認識され異常なしなのですがmountできなくなったのです。

枚方駅のT-siteに入っているカメラのキタムラに行くというので向学のため土曜日に同行しました。

genius bar的な雰囲気です。

持ち込んだMacBooK Proを診断装置で診断してもらうとやっぱり「異常なし」。でもSSDはマウントできず。

という訳でSSDの交換を提示されたのですが-まさか!!-提示額も高かったので保留としたのですがshopでもう少し検討すると言うことでMacBooK Proはshop預かりとなりました。

ぼくはまだまだやってみるべき事はあると思いました。

【追記】

結局ターミナルからdiskutilコマンドを使ってmountできて解決したそうです。

昨日対応してくれた女子でない別の人が解決してくれたようです。ホントあのかわいいshopの人の言うことを素直にきいていたらすごい出費でした。危なかったです。

直ったMacBook Proはぼくの15 inchより速いです。

 


「自分の時間を取り戻そう」と「生産性」

 

ちきりん氏の自分の時間を取り戻そうを読んでみました。

生産性」がキーワードです。

皆さんの今までの働き方は生産性が低い 生産性を上げよう

という話で以下が「もくじ」です。

  1. 高生産性シフトの衝撃
  2. よくある誤解
  3. どんな仕事がなくなるの!?
  4. インプットを理解する
  5. アウトプットを理解する
  6. 生産性の高め方①
  7. 生産性の高め方②
  8. 高生産性社会に生きる意味

この本の内容と関連して

ちきりん氏のtweetですがちょっとした炎上状態となりました。

 

ちきりん氏の擁護をするわけではないのですが自分の時間を取り戻そうの文脈の中では特に違和感のないtweetです。今の大学は出席を取るのだとか言われてもそんなの知らんがな。自分で決めてくださいよ,といいたいところですが実際真に受けて授業に出ないと大変な事になるかも知れませんね。

ぼくは大学時代,入学して二年,専門課程に進んでの二年はかなり多くの授業に出席していました。単純におもしろかったのです。勉強が好きだったし-いまでも勉強するのは大好きです-。臨床系の授業が始まって講義がまったく「おもしろくなくなり」授業に出る機会が大幅に減りました。ここに書くと差し障りがあるのではないかと思われるくらいに授業に出ませんでした。クラブのボックスには毎日顔をだしていたので引きこもっていた訳ではありませんでした。塾の講師をしていましたがアルバイトには元気に通っていましたし。塾長はぼくが「足を向けて寝られない」と思う恩人の1人でよく話しましたが,この塾で社会勉強をしたという感じはありませんでした。 その後臨床実習が始まりこれをさぼったらさすがにヤバイだろうというバランス感覚も働きほぼ皆勤でした。

 

医学部は職業訓練をおこなっている場所で,最終的に国家試験に合格すれば学生時代の成績など長期的には誰も気にしないという特殊でまた圧倒的な売り手市場であるので授業に出ないという戦略が成立しやすい場所かも知れません。

前の職場では授業の出席は取っていませんでしたが,現在の職場では学生証をリーダーにかざす方法で出席を取っていますし遅刻した学生が遅延証明を提出してくる場合もあります。 一定の出席率がないと試験を受けられない仕組みがあるのです。

かわいそうだと思いますが仕方ありません。

となると出席してくれた学生に何らかの利得がある授業をしないといけないという事になるのですがそれが果たせているかどうかはよく解りません。準備は結構します。毎年Millerの教科書の該当部分は読み,改訂部分の有無はネットで確認して授業に臨みます。しゃべることは全て暗記しているので時間通りに授業を終えますし。

 

最後に追加した項目-392

 

ぼくは,研究面での「生産性」が低いのではないかという問題を抱えています。

家内に指摘されるほどです。

土曜日も大学に行っているのに新聞に出るような業績があるわけでも無いしあんたは何か間違っているのではないかという訳です。まったく家内の言うとおりだなと思っていて何とかしたいのです。

という事もあり何かヒントになることが書いてありそうな本は読むようにしています。

 

余勢を駆って伊賀泰代さんの生産性も読んでみました。 自分の時間を取り戻そうは個人の日常生活における生産性に力点を置いているのですが生産性は組織・集団としての生産性により力点を置いています。

「もくじ」は

  • 序章 軽視される「生産性」
  • 第1章 生産性向上のための4つのアプローチ
  • 第2章 ビジネスイノベーションに不可欠な生産性の意識
  • 第3章 量から質の評価へ
  • 第4章 トップパフォーマーの潜在力を引き出す
  • 第5章 人材を諦めない組織へ
  • 第6章 管理職の使命はチームの生産性向上
  • 第7章 業務の生産性向上に直結する研修
  • 第8章 マッキンゼー流 資料の作り方
  • 第9章 マッキンゼー流 会議の進め方
  • 終章 マクロな視点から

  • 第5章 人材を諦めない組織へ

は示唆的でした。

ぼくの研究室は優秀なポスドクを自由に使える環境にはありません。 二人の教員と現在では3人の大学院生で研究活動を行っています。大学院生は研究室に参加した時点では国家試験に合格した医師が持っているであろう生物学的な知識をもっているに過ぎません。それだけでは圧倒的に足りない訳です。そこから始めて数年間で博士号にふさわしいとはいわないけど恥ずかしくないだろうというレベルまで引き上げていく過程で研究室の生産性の向上に貢献してもらわなければなりません。

最後に追加した項目-375

 

生産性の冒頭にもあるように

そこには「生産性を上げるとクリエイティビティが失われる」とか,「非効率の中にこそイノベーションのヒントが含まれている」「生産性の高い組織はギスギスしている」などといった考え(誤解)はありません

これは重要な指摘だと思います。

 

最後に追加した項目-379

 

臨床業務で時間が取られて研究ができないといった泣き言をよく聞きますがそんなこと自分で解決すべき問題です。別にあんたが研究をする必要などないかも知れません。そもそも論で言えば人には向いていることと向いていないことがあります。不向きなことに時間を割くこと自体に問題があるという可能性もあります。 それでも「やりたい」なら戦略を考える必要があります。

 

最後に追加した項目-386

病院は,生産性の観点ではトンデモ無く生産性が低い職場だと思います。収益をさせることが求められる一方で旧態依然とした方法がまかり通り生産性などどこの話ですかという状態です。外科手術などの医療行為の本体では生産性を云々するのに不適切な局面はあることは確かだと思いますがとにかくそれ以外がひどい。

すごく卑近な例を挙げれば電子カルテの日本語変換さえログインしている個々人に最適化されていません。 患者の取り違えがこれほど問題となっている状況でまたダブルチェックなどと云う単語が全てを解決する魔法の呪文として強調されています。 医療安全でも職員に年間二回の講習会出席を求める制度などどのようなエビデンスに基づいているのか誰も明確には応えられません。

 

という訳で,自分の時間を取り戻そう」と生産性は結構ためになりました。

悩んでる人には二冊とも一読することをお勧めします。

 

生産性 でも紹介されていましたが イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」を一読する事を強くお薦めします。

 


蝶々結び

今年話題の某映画をようやく観ました。

確かに面白い。うける要素が満載でこれは当たるだろうと素直に思います。

冒頭から気合いを入れて観ていないと後後展開について行けなくなるとのことで結構気合いを入れて観ました。

監督は「ど真ん中のエンターテインメント」を作りたいと思ったそうですがそれを越えた国民的な映画になりました。

とはいえ,「セカイ系」のストーリー。

口噛み酒をドロッと口から出す,奥寺先輩がいとも簡単にスカート脱ぐとか先輩のブラの色が黒だとか,三葉のノーブラやパンチラがあったり「サービス満点」な映画でした。全てぼけとツッコミ的に回収されてエロくならないような工夫がしてあります。 テーマにしても小学生がこれを見るとしてかなり難解な映画だと思います。

 

映画で流れる音楽も大ヒットということですが,歌詞がこの映画の内容を完全になぞるというか歌があってストーリーがあるのではないかというほど一体化ししていて映画を観て何らかの感動を得た人たちは曲を聴けば追体験ができるのですね。

Aimerさん-これは「エメ」と読むのでしょうか- の「蝶々結び」はこの映画のテーマのひとつと同じだなと思って調べると「蝶々結び」はRADWIMPSの野田氏の曲でした。

また「セプテンバーさん」はRADWIMPSのカバーだと土曜日に知ってびっくりポン。


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土曜日は久しぶりの雨でしたが今日は結局元通りの夏日でした。

 

金曜日は当直で結局土曜日の夕方まで一歩も外に出ませんでした。

大学の中庭は一面の芝生でそこに雨が降り注ぐのを室内から眺めているとそれはそれで何か落ち着く感じがしました。

IMG_5342

 

病態分子イメージングセンターの年会

職場には「病態分子イメージングセンター」という組織があります。英語では’Molecular Imaging Center of Diseases (MICD)’です。(参照

土曜日の午前中からannual meetingという名前の外部評価委員を招いての評価会が開かれてぼくも15分ほど話しました。

「招いて」と書いたのですが二人の評価委員には講演を配信してネット上でカンファレンスが行われました。なので英語でした。

質量顕微鏡を含むイメージングに用いる研究施設が「異常に」充実していると思ったのはこのセンターの存在故だったのです。

ぼくも何かやってみたいと思っています。


医学教育のワークショップ

このmeetingを一時間残して午後からは新任教員を集めたワークショップに参加しました。

4時間みっちりで疲れました。

前の職場ではこんなワークショップはなかったし開いても出席者はほとんどいないのではないかと思います。

いろんな問題はあると思うのですが研修医の先生と一緒に働いてみて今までのやり方が間違っているとは到底思えません。

学生の能力を信じていけばそう悪い方向には行かないと思うのですが…


二度目の人生

ちきりん氏の「未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる」を読みました。

この本からのメッセージでぼくが重要だと思ったのは「人生は二回、生きられる」ということだと思いました。

残り20年現役で働くとして今までと同じで良いのかという問題をよく考える必要はあると思っています。

研究活動を継続するためには大学に在籍することが有利だと思いますが、医者として活動するために大学にずっと留まる必要はありません。25年間麻酔科の医者として活動してきましたが別にそこに拘る必要もありません。

こういうことは10年前にきちんと考えるべきだったのかもしれません。

 

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酸素利用の進化

雑誌”Science”に動物の酸素利用の進化についての論文が三つまとめて掲載されていました。

の三編です。 Better Oxygen Deliveryというeditorialが付いています。

Nature Newsでも取り上げられていました。(Making the most of muscle oxygen)

ぼくもどこかでまとめて紹介してみようと思います。

 


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今日は無風状態

On 2011/11/7 月曜日, in book, Lifehacking, by bodyhacker

朝から日当直です。
未明までの嵐の様な手術室-(参照)-とは異なり日曜日は朝から今まで無風状態です。このまま月曜日の夕方まで乗り切りたいです。

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昨日書店で見かけた「自分のアタマで考えよう」を電車内で読みました。

目次からわかるように、この本は、ちきりんが情報やデータなど何かの「知識」を得た時に、それをどう「思考」につなげているか、という“ちきりん流”「知識から思考への転換プロセス」について説明した本です。

とご本人も解説しておられます。
構成は次の通り。

<目次>

はじめに
序 章
「知っていること」と「考えること」はまったく別モノ
第一章
最初に考えるべき「決めるプロセス」
第二章
「なぜ?」と「だからなんなの?」と問うこと
第三章
あらゆる可能性を検討しよう
第四章
縦と横に比べてみよう
第五章
判断基準はシンプルが一番
第六章
レベルを揃えて考えよう
第七章
情報ではなく「フィルター」が大事
第八章
データはトコトン追い詰めよう
第九章
グラフの使い方が「思考の生産性」を左右する
終 章

 

知識は「思考の棚」に整理しよう
おわりに

この本の読者として「ちきりん」さんが想定しているのは近い将来就職活動をする予定の大学生と云うところかもしれませんがここでのknow-howというか方法論の適応範囲は日常生活全般に及ぶでしょうし例えば大学で行われている研究もその例外ではありません。
時間があったので目次に沿って少し書いてみます。

#「「知っていること」と「考えること」はまったく別モノ」

教科書に書いてあることや他人がすでに発表したことをいくら知っていていても研究者としてはどうにもなりません。このことを肝に銘じることは研究の初歩の初歩です。
むしろ知識をいったん「思考の舞台の外」に分離して自分のアタマで考えることが必要なのです。

#「最初に考えるべき「決めるプロセス」」

「「考える」とはインプットをアウトプットに変換することです」という言い方は実践的だと思います。

「実験」をたくさんしても「決める」つまり命題に解を与えることに結びつかない「実験」はタダの作業にしかすぎません。体力,精神力,時間,お金の無駄になる場合もあります。なので「決めるプロセス」を考えることは重要で,これを学ぶことが大学院の大きな課題の一つだと思います。

#「「なぜ?」と「だからなんなの?」と問うこと」
これにはうまいコメントが書けません。

#あらゆる可能性を検討しよう
構成要素に分解してあらゆる可能性を列挙できる力が付いていれば一人前です。

#「縦と横に比べてみよう」
これ重要です。本をじっくり読んで技法を理解して見ましょう。

#「判断基準はシンプルが一番」
判断の内容はいろいろあります。ぼくは研究で一番重要な判断は,プロジェクトを継続するのか打ち切るのかを決めるところだと思っています。ある程度十分な状況証拠があって始めたプロジェクトでも迷い道に入り込んでしまう場合があります。いろんな要素があるので判断が付きにくいときは2×2の単純なマトリックスを頭に描いて決めてしまうしかありません。

#「レベルを揃えて考えよう」
これって査読への反論の時に重要かもしれません。図44をよく吟味しましょう。

#「情報ではなく「フィルター」が大事」
自分独自の価値判断を持ってすべての事柄をフィルタリングする必要があります。
漠然と何かを解明したいという事だけではゴールにたどりつけません。「医学の発展に貢献したい」などという動機が如何に実際には役に立たないかを知ることになります。
テーマを選ぶ場合にも学問的な価値の他に,この仕事は一ヶ月で終わる一方これは一年かかるという判断をする必要があります。場合によっては「これはギャンブル」というテーマもありますがその場合,ある程度確実性の高いテーマと抱き合わせで望まないと学生をつぶすことになります。若くて資金が潤沢にある人はそれでも良いかもしれませんがそうで無い場合またあなたがポスドクや学生ならボスの根拠のない夢と心中する訳にはいかないでしょう。
また「フィルター」というか切り口をうまく創造してゲームの規則を決めることができれば一生食いはぐれることはないのだと思います。
あらゆる生命現象に「酸素が足りているかどうか」とそこから直接派生する事象からの観点を持ち込むことになったhypoxia-inducible factor の研究はその好例です。分裂酵母を材料に生命現象に切り込んでいった御大もその一人だと思います。

#「データはトコトン追い詰めよう」
データはまず自分で解釈しましょう。個々の実験データはinconsistentな場合があります。様々な原因があります。単なる技術的な未熟さが原因の場合もあるし本質的な事柄に起因する場合もあります。そのデータがどれくらいの確実度を持っているのかは実験をした本人しかわかり得ないことなのです。まず自分で質も含めてよく吟味するというプロセスを経ないとそのたびに整合性の取れないデータが並ぶだけで命題の解を与えることはできません。
その結果,他人が報告している実験結果が自分の実験結果が表面的に食い違ったとしても慌てる必要はありません。

#「グラフの使い方が「思考の生産性」を左右する」
ぼくはグラフで考えることはしませんが「KJ法」は今でも採用しています。 stickyな付箋紙に項目を書いて並べ替えたりして考えます。付箋紙を使わなくともOmniOutlinerで項目を書き出し順番や包含関係を考えます。

# 知識は「思考の棚」に整理しよう
まとめの章です。

また自分のアタマで考えることを研究を通して学ぶことが大学院の目的だと思います。そのためには必ずしも”有名”研究室に所属する必要はありません。「自分のアタマで考えよう」の方法論を愚直に実践することの方が重要かもしれません。

ただそう考えてくると「自分のアタマで考えよう」も「もしドラ」ー本は読んでいないのですが先日飛行機で映画を見ましたーも大して変わりが無いような気がしてきました。

自分のアタマで考えよう

御大柳田先生砲が炸裂です。どんどんやっていただきたいと思います。

今日の朝日新聞の朝刊の山形浩生さんによる「スティーブ・ジョブズ」の書評すごかったですね。当たっているだけに困ってしまいます。


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