iMac問題

iMacですが修理終了で明日手元に届きます。電源系統の交換が必要だとおもっていたのですがあっさりと「修理」が終わったようです。 木曜日の朝にクロネコ便がpick upしに来てくれて金曜日には修理完了で今朝(月曜日)午前中にぼくの手元に戻って夕方にはセットアップを完了するか、な。

と思いきやtime machineで取ったbackupの復元中に電源が落ちるという現象が再現してしまいました。

Appleに連絡を取ると「問題のあるbackupから復元を試みたから問題がbackupからiMacに持ち込まれて」しまったのだということ。

ぼくがすべきだったのは、「復元」ではなく移行アシスタントを用いた「移行」だったのだそうです。

とうわけで振り出しに戻ってしまいました。

朝から快調に論文の作業を進めていたのに…

最後に追加した項目-411


研究医養成コースコンソーシアム発表会

木曜日・金曜日と二日間の日程である合宿に参加しました。

研究医コースを運営している阪神地区の5大学で構成されるコンソーシアムのリトリートです。

参加大学は、奈良県立医科大学大阪医科大学兵庫医科大学神戸大学関西医科大学です。(各大学の研究医コースの概要へは大学名からリンクしてあります)。読むと解りますが兵庫医大の制度はかなり太っ腹ですよ。

学生さんが29人、教員が20人の結構な規模の会となりました。 3大学で発足したコンソーシアムから数えて今回で4回目です。

ぼくの研究室にも学生さんを一人預かっているのですがぼく自身の参加は今回が初めてでした。

参加学生による研究・研究生活の発表をメインに参加教員による「私のこれまでの研究を振り返って」(涙無しには聞けない感じでした)などの講演に、「研究を進めていくのに必要な資質とは」をテーマとしたワークショップが加わって充実した二日間でした。

夕ご飯はBBQのはずが雷雨の予報が出て室内での食事になったのが残念でした。

ぼく部屋に参加している学生もちょっと変わっているのですがそれに輪をかけてたような学生さんも多かったような気もします。

薄汚れていない学生さんと研究について語るのは自分が自分の原点に立ち戻るきっかけを得るためにもよい機会でした。

最後に追加した項目-412


オリンピック、陸上400mリレーの銀メダル

すごいです。

ぼく的にはこのオリンピック最大の出来事だと思っています。 どこかがバトンを落としたとかの結果でなくガチで銀メダル。 よくぞあの4人を揃えたなと。

このNYTの記事では”Japan was the surprise winner of the silver medal“と書かれていました。

技術的な問題はさておきとにかく速く走らなければ無理っていう種目で最後はボルトの真横を走っていたわけで素晴らしいとしかいいようがありません。 東京オリンピックでは9秒台の選手4人揃えて頂点を狙って欲しいです。 このためなら10億円位投入してもいいのではないかと。

雑誌New Yorkerでは今回のオリンピックのいろんな出来事をネタにしたエッセーを掲載し続けています。

です。

その中から一つだけ紹介します。

THE BEAUTY OF SHAUNAE MILLER’S UGLY DIVE IN RIO

女子の400m走のゴールでSHAUNAE MILLERがゴールラインに向かってダイブして一着でゴールしてそのゴール自体はルール違反ではないのだが当然に如く様々な波紋を呼んでいる訳です。

このessayは、この行為が「美しいか」どうかという観点で考察したものです。

New York Timesでも解説されています(参照)。

村上春樹氏に「シドニー!」という本があります。

「村上春樹の極私的オリンピック、シドニーの23日間」、です。

2001年に出版されたのですがぼくはこれをニューヨークの紀伊国屋で買いました。

文春文庫では二分冊になって現在でも買って読むことができます。 「シドニー! (コアラ純情篇) 」「シドニー! (ワラビー熱血篇)

文字びっしりです。

この本、1996年7月28日 アトランタ、2000年6月18日広島ーシドニーの23日間ー 2000年10月20徳島、2000年11月5日 ニューヨーク という構成となっています。

1996年7月28日 アトランタ、2000年11月5日 ニューヨークはマラソンの有森裕子さん(シドニーオリンピックには出なかった)、2000年6月18日広島、2000年10月20徳島は同じくマラソンの犬伏孝之さん(シドニーオリンピックに出場して途中棄権した)についての文章です。 時間がなくともここだけでも読む価値があると思います。

以下は、2000年11月5日 ニューヨークの章の最後の方の文章です。

言うまでもないことだけど、この日常の中で、ぼくらは地べたにへばりついて生きていかなくてはならない。明日、明日、そしてまた明日。僕らは戦い続け、ある場合には途方に暮れる。でも一つだけ確かなことがある。もし競技者が闘争心を失ったらそれは闘うのをやめることなのだ。

そういう意味では、オリンピック・ゲームは僕らにとってのひとつの大がかりなメタファーなのだ、と言うことも可能なのかもしれない。もし僕らがこのメタファーと現実とのつながりを、世界のどこかに見つけることができるなら、言い換えればその巨大な風船を地べたにつなぎ止めることができたなら、それはおそらく価値のあることになるだろう。でももしそのメタファーが、もうひとつ別のメタファーとしか連結しれないとしたら、つまりひとつの風船が別の風船としかむすびついていないとしたら、僕らはどこにも行けない。僕らがたどり着く先は、おそらくは奇妙なかたちをしたメディアのテーマパークだ。

スポーツ選手にとってのスポーツは研究者にとっての研究と置き換えて考える事ができます。

又吉直吉の「リオデジャネイロ!」とか出たらおもしろそうです。

最後に追加した項目-356

【追記】

「シドニー!」読み切りました。

でも一つだけ認めなくてはいけないことがあります。ある種の純粋な感動は、限りのない退屈さの連続の中からこそー麻痺性の中からこそー生まれてくるのだということです。

しかしそれでもなお、僕はときどきはっと我に返って思うのです。ぼくはほんとうにこんなところでいったい何をしているのだろうか? 何をしているかって? そう、いつもの人生をおくっているだけです。僕自身の、それなりにクオリティーの高い退屈さを、そこにかさねあわせるようにして。Business as usual…..

研究が楽しいというひとの気が知れません。研究って95%は苦しさと退屈さでできていると思います。

アメリカのlabにいたときも一緒にやっていたポスドクのコナー君はプレッシャに耐えきれず登校拒否となり仕方ないのでぼくが三週間実験を全部担当しました。ほんと今回の石川佳純さんみたいな感じで…

一度に融合タンパクの為に20コンストラクトくらいのplasmidの切り貼りをして蛋白質をつくり、ラベルする。夕方オートらをはじめて朝の7時くらいにそれを開けて現像。バンドがあることを確認して一安心。GLSの出勤を待ってデーター検討(labの最重要projectになっていた)を毎日繰り返す感じ。ほとんどーしかしこれは全てではないーうまくいくのだがーデータが取れて白黒ハッキリすると言う意味ですーコケるとやり直し。これがウザい。

今回、愛ちゃんが「(再び声を詰まらせながら)とても、本当に苦しい、苦しいオリンピックでした」と話したそんな気持ちです。

三週間後コナーくんが出てきたときにはGLSさんが論文を書き上げていました。

 


症例報告

今年の3月まで一緒に麻酔をしていた西本先生の症例報告が出版されました。

Accidental administration of the remifentanil formulation Ultiva™ into the epidural space and the complete time course of its consequences: a case report

JA Clinical Reports, 2(1), 1-3

Open Accessですから誰でも全文を読むことができます。

手術室で使う麻薬(remifentanil)製剤Ultiva™を誤って静脈内でなく硬膜外腔に投与してしまったのですが、その最初から最後までをつぶさに記述した報告です。 臨床的な意義はかなり高いと思います。


Natureにある論文が出ていました。

大変興味深い報告です。この方向性で臨床で使える薬剤ができれば麻酔が確実に変わります。


PDF

朝からどんどん仕事を片付けお昼くらいには次の論文のfinalizeにかかろうと思っていたのですがMacがおかしくなりました。

 

というわけで、恒例となっているMacの故障ネタです。

 

先々週、作業をしていると突然音もなく画面が真っ黒になりました。iMacにつながっているUSB端末への電気の供給も途絶えているようです。 しばらく様子をみても何も起こらないことを確認して電源を再投入しても何も起こりません。電気系統がやられたのだと思いました。 とにかく完全に電気供給を一回絶とうと思いコンセントを抜きしばらくして再接続してiMac後ろのスイッチを押すと何に事も無かったかのように再起動できました。 その後一週間ほぼ何の問題もなく使うことができていました。

先週の水曜日に、同じ症状が発生。 さすがにこれはおかしいとググるとありました

 

水曜日には症状が二時間もすると再現するようになってしまいした。 今日も起動を始めて4時間後に真っ黒になりました。

ネットの情報の通りです。

 

枚方駅前のT-SiteにApple authorized dealerの「カメラのキタムラ」がある事に気づき電話してみましたが持ち込まれても困ります的な塩対応。

仕方ないのでAppleに電話しました。ぼくとしては回収の日取りなど決めてもらえばよかったのですが彼曰く、最後の手段としてOSのクリーンインストールをお薦めします的なマニュアルをそのまま読んだだろう的な「アドバイス」をもらいました。 修理には5万円超かかると言うことを言われたので、それもそうだなとおもったのが運の尽きでした。

command+Rで立ち上げてdishの初期化を行う過程でfusion driveの統合が壊れてしまいました。”Core Storage論理ボリュームが削除できない”のです。

これはいつか来た道じゃないかと思って自力ででいろいろやってみようと思ったのですが再度Appleに電話して前回と同様テクニカルのお姉さんにつないでもらいました。

親切に導いてくれるのですが結局今回は問題の解決に失敗。 向こうが匙を投げました。

「ご提案なのですがiMacをこちら(Appleのこと)で預からせて頂きdiskの不具合をfixさせていただけませんか」と言われました。同意して結局disk問題を解決の後電源の不具合の有無を検討してもらうということになりました。

小一時間時間を使いすごく疲弊しました。

 

この母艦のiMacがないと論文のfigureを作る作業を中心に効率が下がってしまいます。もう3年と5ヶ月雨の日も風の日も使い続けたのですから壊れても仕方ないだろうと思ってしまいいっそ新しいiMacを買ってしまおうかなどとも思ったのですがふみとどまりました。 revision二つの作業が終わっていたのが不幸中の幸いです。

 

IMG_5023

 

たぶんこの影響で土曜日の朝、妙な夢をみました。夢なので脈絡はまったくありません。

 

ある学会に参加していて山の尾根を散歩していると霧が急に出てきました。

にもかかわらず歩き続けると崖から転げ落ちました。落ちた先は煉獄でした。それも研究者が落ちる煉獄で実際たくさんの研究者がひしめいていました。

ここからどうやって抜け出すのかが真剣に議論されていたのですがある噂を耳にしてあることを思い出しました。Endnoteの設定をmacで直すと娑婆に戻れるのです。ぼくは過去にも煉獄から娑婆に戻ったことがあったことを想いだしたのです。つまりぼくはやり方を知っている。

「これは!!」と思ったのですが肝心のMacがありません。前回はMacを持ったままだったようなのですが今回はMacは持っていなかったのです。

煉獄でもMacが売っていることが解ったのですが値段が500万円 !!。 無理 !!、というところで目が覚めました。

 

iMacの不調故みた夢だと思っています。


 

先日、紀伊国屋で なぜあなたの研究は進まないのか?」という本を見つけました。

佐藤雅昭先生の著作です。佐藤先生を存じ上げていたのですこし読んでみました。どんなこと書いてあるのだろうという興味で。

内容はタイトルとは異なり佐藤さんの研究に対する姿勢を綴った文章です。(出版社のページ) 

ぼくなどここで展開されている論考からすすともしかしたら対極にある研究者かもしれません。

例えば、

Q40 人一倍勉強しているか?”で某K大のD先生が年に「数百篇」の論文を読むと書かれています。

論文を「読む」とはどういう意味かと言うこともあるけど「数百篇」も読むから碌な研究ができないのでは、などと思ってしまいました。

済みません。 (ぼくが「読んだ」と見なす論文はここで書いてあるような基準を満たす論文です。)

 

ぼくとは随分異なった考え方だと思いましたが、刺激を受けてやる気を出す人もいるかもしれません。 研究がどんどん進んで行くマニュアルのようなものはないのだから、読んで何かヒントを得る事ができればそれで十分おつりがくるだろうとは思っています。

 

 

研究の進捗はぼくの場合、院生の実験時間と相関しています。それだけともいえます。なぜ「進まないか」というより「進むか」を考えているだけです。

 

調べてみると 「なぜあなたは論文が書けないのか?」 という著作も同時に出ているようです。紀伊国屋では置いてなかったので立ち読みできませんでした。

ぼくの場合論文が書けない理由は単純です。英語が下手だからです。

 

IMG_5018 

 

Apple Musicで「世界には愛しかない」が配信されていました。 アイドルグループの新譜です。

聴いたらすごくよくできていてびっくりしました。さっそく前作も聴きました。こっちもよいのでは。

山手線」「渋谷川」名曲だですね。

 

これらを聴いて、大人に操られているのだと思うのか内容をそのままうけいるのは受け取る側の問題かも知れません。

勢いで「徳山大五郎を誰が殺したか?」も見てしまいました。

 

たぶんぼくもこんなこと考えて研究してますよ。


オリンピックです。

昨日ニュースを見ていたら、卓球の三人娘 (娘というには愛ちゃんは歳をとっているのかも知れませんが) がインタビューを受けていました。15歳が、「先輩2人を手ぶらで帰らせるわけにいかない」ので団体戦は頑張るみたいなことを発言して、先輩二人にあきれられて、「てへっ」で感じになっていました。

普通これはメダルを獲った後に言うことだと思うのですが、でも頑張って欲しいです。

彼女らのチームランクは世界2位だそうですから順当に行けば「手ぶら」ということにならないはずだとおもいますけど。

今日準決勝でドイツに負けたそうです。でもぼくはいいと思います。

今日準決勝でドイツに負けたそうです。でもぼくはいいと思います。

 

【追記】 

 15歳、最後は自分で決めて先輩二人に銅メダルをもたらしたようです。大したものです。

 

IMG_5016

 


Patient H.M.: A Story of Memory, Madness, and Family Secrets 読み始めました。

有名な症例H.M.にまつわる物語です。


PDF
Tagged with:  

2020年のオリンピックとパラリンピックの東京での開催が決まりました。

オリンピックがどこで開催されるかに大きな興味は無かったのですが決まってみるとそれはそれでよかったのではないかと思っています。

少なくとも2020年に自分や世の中がどうなっているのだろうかなどなどについて多くの日本人が思いを馳せたのでは無いかと思いますしそれはすごく貴重だと思いました。

7年は長くもなく短くもない絶妙な「長さ」だと思います。

おそらく安倍晋三氏は総理大臣ではないでしょう。

ぼくは医者をやめたりはしていないと思いますが職場は変わっているかも知れませんし麻酔を今のようにしているかは確定したことではありません。子供はもう一緒に暮らしていないだろうしそうなれば今までとは別の人生を考える事もできると思っています。

 

リオデジャネイロでの「東京」のプレゼンターションの一部を見ました。安倍首相の主張には確かに大きな問題があるとぼくでも思いましたが、彼があれ以外にどういう言い方があったのかと考えるとこれは仕方ないという風に思いました。日本の総理大臣の云うことをいちいち真に受けていては身が持たないという事情もあると思います。

とにかくあの言明が「東京」の選出に大きな効果があったという風にはぼくには思えません。

外国人にとっては日本の皇族が東京に住んでいるというような当たり前の事実の方がよほど説得力を持つような気がしました。

 

その日、日本映画専門チャンネルで市川崑氏が総監督をした「東京オリンピック」が放映されていたので観ました。

はじめて観たのですがこれは素晴らしいドキュメンタリーだと思いました。

レニ・リーフェンシュタールの「オリンピア」を意識した記録映画だと思います。 この「オリンピア」は小林秀雄が鑑賞して激賞しています。これは新潮文庫版の「Xへの手紙・私小説論」に収録されています。何度読んでもこのエッセー自体が感動的です。

 

東京オリンピックのカヌー競技はさずがに群馬県だろと思ったら東京湾の臨海地区に人工の競技施設を作るのだそうです。ちょっとやり過ぎだろうという気もします。

とにかく7年後全競技を最初から最後までリアルタイムでのストリーミング放送と完全アーカイブ化してもらいたいと思います。 下の方にCMが入るのは我慢するので。

カメラロール-4752


日本の研究システムのこれから

Science Talksという枠組みがあります。

Science Talksは、これからの「ニッポンの研究力」を研究者・科学者のみなさんと一緒に考えていくためのプラットフォームです。

ということで日本の科学の将来がissueとなっています。

ネット上ですでに様々な活動が始まっています。 藤田保健衛生大学総合医科学研究所システム医科学研究部門の宮川剛さんと鈴鹿医療科学大学 学長の豊田長康さんへのインタビューが掲載されていてこれがなかなか面白いのです。

ぼくは賛成できる部分が多かったです。

参考にindexを紹介しておきます。 

宮川剛さんの分

第1回  日本の研究の仕組みって、ダメだなぁ

第2回  研究をやらなくても問題のない日本

第3回  研究費は増えている、でもその実感が全然ない

第4回  ウィン・ウィン関係を作る、研究費の効率的な使い方

第5回  研究者すごろく

第6回  研究者評価の「見える化」を阻むもの

第7回  評価システムがなければ、フィードバックも起こらない

第8回  科研費はギャンブル

第9回  研究計画ではなく研究者の実績を元に評価する

第10回 「数値がすべて」ではなく、数値「も」評価に入れるべき

第11回 業績なんてない方がいい

第12回 インパクトファクター至上主義の弊害

第13回 高インパクトファクター雑誌至上主義が論文数低下の諸悪の根源

 

豊田長康さんの分

第1回 日本の研究費総額は足りていない

第2回 研究者には90%の研究時間を確保する仕組みをつくるべき?

第3回 お隣の台湾にも追い越されている日本の研究アウトプット力

第4回 産学連携による外部資金獲得の難しさ

第5回 大学病院の研究力と財務データの相関性

第6回 旧帝大学と地方大学の研究環境は雲泥の差

第7回 生き残りをかけた、地方大学統合構想!? 

第8回 タブーを恐れない、ゼロベースの議論をしたい

となります。

 

少しやりとりを引用してみます。

 

研究費の配分で

【宮川】 でも過去の実績を基にすればそれなりにその人の研究能力は推定できます。おそらくは、過去の業績が、未来の業績の最も精度の高いプレディクターなのです。

という意見には一理も二理もあると思います。

若手の評価は別として博士号を取得して10年以上の「研究者」ー職位が教授でも研究者とは云えない人もいるのですが-の評価には客観的な業績に基づく指標を部分的には導入してもららいたいと思います。職位で審査に差別をされるのは困ります。

【湯浅】  実際、海外だとH-indexを評価に使うのって当然じゃないですか。日本ではどうして使ってないんでしょうか?

【宮川】  単に遅れてるだけだと思います。もしそこらあたりの評価基準をとりいれていけば、研究者の間でも、地に足のついた論文を地道に出していったほうがいいのでは、という認識になっていくでしょう。

日本学術振興会の研究費の申請は現在の三倍くらいの分量で英語で書くようにすると「冷やかし申請」や「ゴーストライティング」が減ってその分審査に時間が割けるようになると思います。現行では単なる思いつきで実現の可能性の裏付けのない研究申請が多数出ていると思っています。

またH-indexの利用には問題もあるとは思っています。計算するとぼくのような研究者でも40とか33とかの数字が出てしまう指標ってやっぱりなんか胡散臭い感じはあります。まあH-indexが一桁の「教授」ってのももっと胡散臭いですけど…

やっぱりNature, Cell, Scienceに論文を発表できる人ってすごいと思います。全然人種が違うとは思いませんが、学会・研究会でお話ししても立派な方ばかりだと思います。その人達が研究費を使って研究を推進することに何の問題も無いとは思いますがそのために捏造となるとこれは困ります。それが弊害だと云えば弊害だとは思いますが米国でもそんなもんじゃないんでしょうか? 以前GLSに聞いたらH-indexなんて別にどうって事無いよと云っていました。ちなみにGLSさんはその時点でH-indexは80位だったと思います。

 

【宮川】  僕は数値指標はある程度出しています。引用数を指標にした場合ですが。単純に計算しますと、僕は日本の心理学分野のすべての 研究者の中で、一番引用数が多いようです。

【湯浅】  それ、すごいですね…。

【宮川】  しかしながら、心理学分野に申請した科研費では落ちました。

【湯浅】  な、なるほど(笑) では本当にまったくもって、過去の研究成果は今評価に反映されていないってことですよね。

【宮川】   ええ。すべて心理学研究者の中で、シニア研究者の全員含めて一番引用数が多いようですが、それでも若手Aに落ちてしまうのです。人事でも落ちます。心理学分野ではかなりいろいろな大学に希望を出しましたけど、全部落ちました。面接に呼んでいただいたことすらありません。

【湯浅】   かなりバイアス的なものが影響しているということですか。

【宮川】   どれぐらい組織の中で波風たたせずうまくやるかとか、そういうことが大事な世界です。ですので研究業績なんかあると、大学ではむしろマイナスに働くことすらあります。心理学では業績なんかないほうがいいという具合に、昔は先輩たちから言われていました。

【宮川】  上の先生方に研究業績がないですから。研究業績がある若手が入ってきたら目障りですよね

【湯浅】   そうですね。

【宮川】  実際、僕の知っている先生にはすごい業績をお持ちの先生がいて、当時、国内のトップの大学で助教授をされていましたが、業績の少ない教授陣から好ましくない扱いをされたようで、結局出て行くはめになりました。その方、アメリカに渡って教授になられましたけど。

【湯浅】   うーん…。

【宮川】  研究業績などは必要ない、むしろないほうがいい、あっても意味がない、というような分野が日本のアカデミアにはあるのです。数値指標などで判断されたら困る。。研究業績などよりも「一流大学教授」の肩書きで判断して欲しいのです。せっかくの大学教授なのに、そんな研究業績が高いだけの人に数値指標で負けたくないですよね。でも評価に数値指標が導入されたら、それが見えてしまいますから。

【湯浅】  宮川先生の提案を本当に導入したら、誰がお金をもらって誰がもらわなくなるか、ダイナミクスが変わりますよね。

【宮川】   変わります、変わります。もっと客観的でギャンブル的でない世界になりますよね。

【湯浅】  有名大学じゃないけれど、研究に情熱を持っているような人にお金がいくようになる。

【宮川】   今、世間では有名大学の人が偉いということになっているわけです。現状では、地方私立大学の研究者などはどんなに研究業績があっても、地方の私立大学の先生にすぎないので、たいしたことはないだろうと。そういう認識でしょう。

【湯浅】   一般市民はそう見てしまうのかもしれないですね。

【宮川】   東大や京大、国立大学の先生はエライ。業績が少なくても疑似科学をしていて科学的でないことおっしゃっていても、一流のナントカ大学教授であれば世間の人はそれなりに信じるわけです。

【湯浅】  うーむ。

【宮川】   でも研究業績が数値で表に出てくると、マスコミの人とかが端的に数値を見るようになりますよね。あんまり業績がない人だったら、「ああ、この人は研究やってない人なんですね」ということで専門家としての話を聞こうとしなくなるかもしれないですよね。

【湯浅】  それは見るでしょうね。

【宮川】  数値がすべてではないですよ、もちろん。でも、たとえば僕と同じ脳科学の分野で世間で有名な「脳科学者」がいますよね。あの方、たぶん、論文をほとんど出してないと思いますよ。

【湯浅】   先生と同じ分野の方ですよね。

【宮川】   はい、、引用数は約100ほどではないでしょうか、全部あわせても。僕でも、引用数5,000くらいはあります。世間的にどっちが偉い脳科学者といったら、多くの人は有名人のほうが偉い学者だと思うでしょう。

【湯浅】  うーん、なるほど。5,000はすごいですね。

という、やりとりがあります。

google scholarによればぼくの論文の引用回数の総和は”8276″みたいです。

 

しかしイヤになるほど全然出世しませんね。もちろん家内にはいい加減研究を止めろと事ある毎に云われています。困ったものです。

 

柳田充弘先生がブログ

どうしたらいいのか、わたくしの持論ですが、高額研究費のたとえ10分の1でももらえてただし職の保障があるところで、主宰者はそれ以上の欲もなく、しかし元気よくしかも質素に研究をするのであれば、捏造とも無縁、無茶なストレスも受けない研究環境を作れる人たちだと思うのです。 日本の未来はそういうラボがどの程度の数あるかにかかっていると思います。日本にあるラボの8割がそうであるのなら安心ですが。

と書かれています。

ぼくもすでにある意味それが実現できてるような気もしますが予算が年によって増減するので困っています。

IMG_7425


iPhone

新しいiPhoneが出るそうです。 今現在4S userなので今年は機種変しようと思います。auでそのままいこうかと思っています。 iPhoneはgoogle関連のいくつかのサービスとtwitterに加えてKindleのreaderとして使っているだけとも云えるので5sでなくともよいような気もしますが…

IMG_7552


学生の講義の都合で医師国家試験の問題を五年分くらいざっとながめてみました。 なかなか面白い体験でした。

今度学生に国試対策の講義をしようと思っています。国試なんて通ればいいのですから効率よく通ってもらいたいものです。

 

IMG_7377

 


PDF
madeonamac.gif Creative Commons License