曲学阿世の徒/マジなヘンテコ

On 2009/2/25 水曜日, in Thus Spoke Dr. Hypoxia, by bodyhacker

New York Timesから

Politics in the Guise of Pure Science

オバマ大統領は就任演説で

We will restore science to its rightful place, and wield technology’s wonders to raise health care’s quality and lower its cost. We will harness the sun and the winds and the soil to fuel our cars and run our factories. And we will transform our schools and colleges and universities to meet the demands of a new age. All this we can do. And all this we will do.

という言葉で、科学技術を正しく駆使して医療改革、エネルギー政策の転換を図っていくと主張していました。

その意気やよし。しかし科学技術顧問に就任した人物は果たして大統領に正しいアドバイスができるのかという趣旨の論文です。

John Holdren氏は

asked about some of his gloomy neo-Malthusian warnings in the past, like his calculation in the 1980s that famines due to climate change could leave a billion people dead by 2020. Did he still believe that?

かつて上院の公聴会でかつての彼の主張について質問を受けて往生際の悪いことに

he insisted that it was still “a possibility” that “we should work energetically to avoid.

との返答を行ったということです。

こんな人物に科学技術顧問を任せておいて

Will Mr. Obama’s scientific counselors give him realistic plans for dealing with global warming and other threats?

なのかという主張です。

曲学阿世という言葉がありますが、それならそれで受け止め方もあるのですが、マジでへんてこなアドバイスを繰り出し大統領がその気になったら大変なことになりますね。

日本でも少し前に一部の人間のアドバイスを真に受けた厚生労働省によって医師養成プログラムにとんでもない変更が強いられ、某内閣の政策と相まって医療をめぐる光景が数年の間に一変してしまいました。

麻生氏は本当に訪米したのでしょうか?

NYTを探したのですが記事になっていません。その程度の扱いなのですね。ちょっとびっくり。

北野武の「アキレスと亀」のDVDレンタルが始まっていました。個人的には、某受賞作よりこっちの方に思い入れがあります。

もう帰って寝ます。今日は無理、明日投稿します。


PDF
Tagged with:  

Darwin year

On 2009/1/10 土曜日, in Net Watch in Science, by bodyhacker

京都は雪です。この程度だと風情があってよろしいです。

今年はCharles Robert Darwin生誕200年にあたります。

毎日新聞でも元旦に特集をしていました。なかなか気合いの入ったよい特集でした。

昨年大阪でもかなり大きな展覧会が開催されました。

最新号のScienceもDarwinの特集を企画しています。今後数回にわたりいろんな角度からのessayを掲載していくそうです。

ちなみに今年は太宰治生誕100年だそうです。どうでもいいですけど。


PDF
Tagged with:  

“ヒトゲノムを解読した男 クレイグ・ベンター自伝” (J・クレイグ・ベンター)

(参照)

タイトル通りの内容

生い立ちの記述は少なくほぼいきなり衛生兵として参加したベトナム戦争の体験から始まる。1946年生まれでこのような世代なのだ。

ヒトゲノム解読における”公的チーム”ー米国政府の出資による解読チームーとの競争に多くの記述がさかれている。所々かなり辛辣な批判はありますが原文を参照したわけではないのでニュアンスはよく解りません。

最終章は”青い惑星と新しい生命”と題されていて彼らの最近の活動が紹介されています。

D. G. Gibson, G. A. Benders, C. Andrews-Pfannkoch, E. A. Denisova, H. Baden-Tillson, J. Zaveri, T. B. Stockwell, A. Brownley, D. W. Thomas, M. A. Algire, C. Merryman, L. Young, V. N. Noskov, J. I. Glass, J. C. Venter, I. Hutchison, Clyde A., and H. O. Smith. Complete chemical synthesis, assembly, and cloning of a mycoplasma genitalium genome. Science, 319(5867):1215–1220, 2008.

この論文はその最新の成果の一つだと思います。生命体のゲノム配列を化学合成したというものすごい話です。

基礎生物学の到達の一つの頂点だと思います。材料を与えられて例えば細胞を一つ作り出せたらもっと話を進めれば眼や肝臓を化学的に作り出すことができればこれをもって細胞、眼、肝臓をヒトが完全に理解したといってもぼくはよいと考えています。-生物的につくる計画は着々と進んでいるわけですが..-

所々挿入される囲み記事は、自らの遺伝子配列ー彼のゲノム配列は公表されています。ヒト個体完全ゲノム情報で、二倍体ゲノムのすべての相同遺伝子を含んでいますーに基づく遺伝子談義です。 p215では Klotho が取り上げれれています。記述は正確ではありません。-他も推して知るべしか- しかしここまで細かいところは無理だろうな。そもそもあまりおもしろくありません。

全体として、ベンター氏の具体的な考え方がしっかり示されていて為にもなります。

教科書として使われてもいいかもしれません。

ワトソン氏の “The Double Helix”よりはおもしろいと思います。イヤみも無いし。

原文を参照したわけではありませんが訳文で引っかかる部分はありません。よい翻訳だと思います。

というわけで2009年もよろしくお願いします。


PDF
Tagged with:  
madeonamac.gif Creative Commons License