今週の水曜日(2014/06/04)の朝から金曜日(06/05)の午前中で「硫化水素」をテーマとした国際学会
3rd International Conference on Hydrogen Sulfide in Biology and Medicine
が開催されました。
参加者集は世界全地域から150名強。
全日程最初から最後まで参加しましたので雑感を書いてみようと思います。
会長は国立精神・神経医療研究センターの木村 英雄先生が務められました。
長さ25分のoral presetantion44題に加えてposter presentaionが110題(ウクライナからの参加者が参加できず実際はこれよりすこし少なかったとのことでした)という盛会でした。
全ての演題が何かしらという範囲を超えてガッツリと「硫化水素」についての研究の報告というちょっと特別な学会でした。無いよとしては化学から生物学・医学までこれは結構多様です。
International confereneとしては今回で三回目だそうですが、International confereneが開催されない年には300人規模でEuropean conferenceが開催されるのだそうで研究の一分野として完全に確立したものとなっているようです。 キム兄はこの分野に生化学的な背景をもった生物学を展開して盟主の一人として君臨しているのです。
それ故参加者同士は知り合いが多く、村上春樹の短編小説の「タイランド」のような光景が現出していました。 つまり
世界甲状腺会議はバンコック・マリオットの会場で、四日間にわたっておこなわれた。甲状腺会議は、会議というよりはむしろ世界的なファミリー・リユニオンのようなものだった。 参加する全員が甲状腺の専門医であり、ほとんど誰もがほんとんど誰をも知っていたし、知らない場合には紹介された。 狭い世界なのだ。昼間には研究発表があり、パネル・ディスカッションがおこなわれ、夜になるとあちこちで小さなプライベート・パーティーがひらかれた 。親しい友人が集まって旧交を温めあった。みんなでオーストラリア・ワインを飲み、甲状腺の話をしたり、ゴシップを囁いたり、仕事のポジションについての情報を交換したり医学ねたのきわどいジョークを披露したり、カラオケ・パーでビーチボーイズの「サーファーガールズ」を歌ったりした。
医学ねたのジョークとかカラオケで歌い踊るというようなことは無かったみたいですけど。
ぼくはといえば知り合いは、キム兄とハーバードの市瀬さん、東大の花岡さんに加えて琉球大学の垣花さんだけでいわゆる”away感”満載という状況でした。
ぼくはといえば会長のキム兄にいわれて参加させてもらいました。 ぼくのpresetantaionがある意味最も硫化水素から遠かったのではなかったかと思っています。
内容はまったく理解ができないものからほぼできるものまで様々でしたがこの研究分野の流れは実感できかもしれません。すこし驚いたのはある種の経口硫化水素ドナーがすでに臨床治験にはいっているということでした。
とにかく今回の会がこの分野のfrontだということでその意味でこの会が京都で開かれて参加できたのは収穫でした。これが米国で開かれていたら参加することは無かったかもしれませんし東京であったとしたら木村先生もぼくを誘いにくかったかも知れません。 H2Sのdonorにもいろいろの種類が存在していて商業ベースで使えるものもあるしそうで無くとも誰々に話せばOKだというような話を聞くとぼくも今までの研究の延長線上でもう少しやってみるかなという気もしてきました。
★★★
懇親会で話したインド人とメキシコ人X2になつかれてしまいました。
インド人は米国在住なのですがことある毎にやってきていろいと話しかけてくるのです。oral presetantionで話しているのをみて腎不全と硫化水素との関連についてが彼の研究テーマだということがわかったのでいくつか質問したら話が止まらなくなってしまいました。
メキシコ人X2のうちの若い方の一人はどこからみてもアンデス山脈地方出身者というような風貌で異彩を払っていたのですがなぜかぼくの隣で食べ始めたので少し話しました。実はさっきの硫化水素の 臨床治験をしている会社の社員だったのです。
相棒のじいさんは奈良の大仏見物を熱望しているようでした。成田から日本にはいったということだったので富士山見たか聞いたら見てないということでした。帰りの新幹線で見えたらいいとおもいますけどこの季節ですから無理でしょうね。今朝も日本の新聞を持って来ていろんなことを質問してきてくれました。
とにかくいろんな人がいます。
二日目の午後、ランチのあと市瀬さんと彼のハーバードのlabへの留学経験のある九州大学の先生方と垣花さんに加えて謎の研修医と総勢6人で散歩しました。
芝蘭会館を出て時計台を通過、今出川に出て東に向かい銀閣寺を道を銀閣寺まで歩き銀閣寺の拝観はせずに哲学の道を南下して丸太町通りに出て京大病院の南をへてCiRA詣の後に芝蘭会館に戻るという普通はしないというような散歩です。 CiRAの前で知り合いに見られてしまいすこし恥ずかしかったです。 京大界隈を歩いているところを見られると「お前もう関係ないだろう」と思われるかも知れないのでちょっといやです。そうですもう関係ないですから。
半日ツアーなどオプションであったら参加者みなさんには良かったのかもしれません。
★★★
次、H2S2016はイタリアのナポリです。行ってみたい気もします。