NEJMはanti-science !?

On 2013/7/7 日曜日, in Thus Spoke Dr. Hypoxia, by bodyhacker

職場を移って三ヶ月が経ちました。

不整脈が出なくなりました。

手術室にいる時間は確実に長くなったのですが前の職場時代に自覚していた不整脈-週に一回程度の頻度で夕方以降10分くらい持続する不整脈。たぶん上室性だったと思うのですが怖いので一度も検査はしませんでした-がぱったり止まりました。 当時はよほどの「負荷が」かかっていたのだなと改めて実感しました。

数年前内科の友人が心原性のショックで倒れたことがあります。その当時に内科を廻っていた研修医くんが教えてくれたので病室に様子をみに行きました。

朝外来診療が始まる少し前くらいの時間に急に不整脈を自覚して「これは無理」と思った時点で部屋を出て同じ診療科の心臓クループの居室の前までたどり着きそこで意識が無くなったとのことでした。直ぐに蘇生できて脳には問題なく「生還」したのです。結局、国循で最先端の治療を受けて復帰しました。

これ以来自分の不整脈も結構気になりはじめ不整脈がでると廊下に出たりしてとにかく失神して倒れても誰かに見つけてもらえるようにしていました。 また家はともかく職場でぼくの死後荷物を整理されたときに見つかっては困るようなものは取り払ったりしていました。

その不整脈がぱったり無くなりとても快適です。 異動の成果の一つです。


東大 対 慶応大学

土曜日に東京に出たのですが東京駅の三省堂に週刊誌「「週刊エコノミスト 特集-東大vs慶応-2013年7月9日号」 が考えられないくらい大量に平積みになっていました。

立ち読みしましたがなかなかすごい内容でした。

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病院については「研究主体の東大と臨床重視の慶応」とありましたがネタでしょう。

ぼくはどちらの病院でも働いたことがないのでよくわかりませんが普通に考えるとこの病院は研究も臨床もすばらいいと思っています。

ところで慶応大学は150周年の記念事業で5年間で285億円の寄付金を集めたのだそうです。すごいですね。でもハーバード大学は年間で12億ドル。全然違います。 (「考える人」の最新号「数学は美しいか」の渡辺靖さんの文章(American Legacy)に書いてありました)


研究者の養成

東京行きの新幹線で季刊雑誌「考える人」の最新号「数学は美しいか」に目を通しました。

冒頭作家の円城塔さんへのインタビューが掲載されています。

数学者は作られるのだという言い方で数学者の養成課程を彼の京大数理解析研究所時代の経験から語っています。

数学だと大学院に進学した時点で「数学者になる」というコースに入ることになるのでしょうか。 そうなると未来の「同僚」の教育にも力が入るしそれを受けとめる側にもそれなりの覚悟はあるのでしょう。

数学では合意のシステムについて、安心できる対話体系をつくっているんです。世界共通語があるようなものですね。他の分野だと、それぞれの慣習が入り乱れてよくわからないという状況でしょう。

同じ京大でも医学研究科というかぼくらの周辺で起こっていたこととは随分と異なると感じました。

一方、昨日の研究会などに参加すると若い人たちがしっかりとしていてびっくりします。これは資質の問題なのか教育の賜なのかどちらなのかといつも考えます。 指導者側に「お弟子さんが素晴らしい」と話すと「いやすごく大変なんです」と謙遜されるので本当はどうなのかが解りません。

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NEJMはanti-scienceか

British Journal of Medicineの前の編集長Dr. Richard Smithのブログ(2013/07/04付け)からです。([参照] (http://blogs.bmj.com/bmj/2013/07/04/richard-smith-is-the-new-england-journal-of-medicine-anti-science/))

タイトルはIs the New England Journal of Medicine anti-science?

NEJMの編集方針がanti-scienceだというのです。 ある研究者がSmith氏にmailを送ってきました。NEJMの論文について問題点を指摘した意見を送付したのが全く無視されているという内容です。

What my correspondents can’t understand is why the journal won’t publish their letter when electronic space is infinite and free. Why can’t the journal have rapid responses like the BMJ and many other journals?

理由が振るっていて

Presumably the editors of the journal don’t want to overload their readers with what they see as ill informed criticisms, but want to present them with the quintessence of comment, beautifully edited of course.

だというのです。 そしてこの態度はKarl Popperによるscienceが満たすべき属性つまり反証可能性(参照)の観点からanti-scienceだというのです。

The editors of the New England Journal of Medicine must think of themselves as superior people (and they are superior to most of us, and certainly to me) capable of distinguishing truth from error, but could they be making a mistake?

とまで言い切っています 編集者は自らを他人より優れた人種であると考えていて誤りと真実を区別する能力があると考えている人達なのだと。

面白いエッセーです。

NEJMとまでは行かなくともその学問領域のtop journalの編集者は多かれ少なかれこのように考えているのかも知れません。

麻酔科の領域ではAnesthesiologyやAnesthesia & Analgesia。 麻酔科学固有の研究とくに臨床的な研究には素晴らしいものが多いと感じますが基礎的な研究には噴飯物の論文が数多く掲載されています。無知が原因である場合がほとんどです。

素人が投稿した論文を素人の査読者が呼んで素人の編集者が掲載を決めていような感じです。anti-scienceどころかその部分では科学雑誌の体をなしていないともいえます。 論文間の格差が大きすぎます。

今後何回かに分けてトンデモ論文のいい加減さを「解説」して見ようと思います。念の為書いておきますがこれらの論文で捏造の痕跡があるといっているのではありません。論文自体の問題設定、結果の提示、またそこから得られたと称する結論が「トンデも」である論文を紹介するのです。

トンデも論文はJournal of Anesthesiaにもありますが、日本人著者のものを俎上に挙げるのはさすがに控えたいと思います。特に直接知っている人たちの論文を批判するのはさすがに憚られます。

しかしやっぱり自分で再現もできないと思われる実験結果を公刊するのはやっぱり止めた方が良いですよ。

 


来週に予定されている授業三コマが終われば研究活動を再開したいと思います。

論文投稿・実験などすることはいくらでもあります。


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安田講堂って立派だな

On 2010/9/28 火曜日, in hypoxia reseacrh, Thus Spoke Dr. Hypoxia, by bodyhacker

東大の薬学の池谷さんと糸井重里さんの対談がweb上に公開されています。

第一回は「研究者としてのピーク」、第二回の今日は「自由は後づけ」というお題です。
結構感じ入ってしまいました。
牽強付会に言ってしまうと進路をどう決めるかに関してもここの前半で話題になっていることが適応できるのではないかと思います。
うじうじとどうするべきかなんて悩んでもあまりうまくいきません。そんな小さな悩みよりどっちが儲かるかとか考えるほうがよっぽど健全だしもっと言えば、人が”こっちだよ”という方にまず進んでみるというくらいで丁度いいと思います。

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Two-photon NADH imaging exposes boundaries of oxygen diffusion in cortical vascular supply regions.

Journal of Cerebral Blood Flow & Metabolism , (22 September 2010) | doi:10.1038/jcbfm.2010.158

はおもしろい。
HIF-1α regulates function and differentiation of myeloid-derived suppressor cells in the tumor microenvironment

JEM doi: 10.1084/jem.20100587

この前の日曜日にあのサンデル先生の東大での講義の一部がNHKで放送されていましたので2/3くらい観ました。
参加者は全員が東大の学生では無かったということでしたがやりとりをしていた学生が結構幼く教条的な受け答えをしていたなという印象をもちました。サンデル氏に完全に手玉に取られていたように見えました。英語でしゃべることに汲々としてろくな意見をいうことができなかったような学生もいましたし、すこしがっかりしました。東大の学生はもっとすごい人達であってほしいという希望的な願望がありました。
もう一つの印象としては安田講堂って立派だなということです。某大学の百周年記念ホールなんてあんな立派ではないですよ。ここらへんでも完全に水があいていますね。

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京都市左京区、今日は快晴でしたが昨晩はひどい雨でした。昨日大雨のなか帰宅して遅い夕飯を食べて1時くらいに寝ようと思いタンスから布団をだそうとして布団が濡れているのに気づきました。雨漏りをしていたのです。濡れた布団を使うことはできなかったので仕方ないので冬用のかけ布団を敷いて毛布をかぶって寝ました。どう考えても誰かに呪われているのだと思いました。またこんな生活はもうやめろという天からの啓示だと考えることもできると思いました。どうでもいいですがホント腹が立ちました。

小野恵令奈さんが卒業だそうです (参照)。「さんかく」は家内と観ましたが確かに名作の部類に入ると思いました。






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