昨年の12月に静岡で「Dr. Bonoの生命科学データ解析-読書会」が開かれぼくも参加しました。
大阪でもこんな会を開こうという計画が持ち上がり、「そだねー」という事で前回大阪から参加していた安水さんとぼくで計画をしました。
で、この前の土曜日に「Dr. Bonoの生命科学データ解析-読書会 @大阪」が開催されました。
参加者とくに講師を勤めていただいた皆さんありがとうございました。
かなり遠方より参加していただいた方もいらしたようでこの分野への関心の高さを再認識しました。
明日土曜日です. 申し込んだ人忘れないでね. / Dr. Bonoの生命科学データ解析-読書会 @大阪 https://t.co/3fPHsKufVi
— Hirota, K. (@bodyhacker)
追記
参加者は37名でした。
参加者の皆さんにはアンケートへのご協力お願いいたします。
参加者募集中です。
研究室でどう集中力を持続するか-2
前回「研究室でどう集中力を持続するか」が結構ウケたので今回も。
研究室に入ると靴を脱ぎ基本的には靴下ー夏は素足ーになります。床にはマットが敷いてあり足の裏の感じが良いのです。
本気で集中したい時は、文章を書く必要最小限のアプリしか見えないようなアカウント(Macで別に”ユーザー”を作っておくのです)に変更するなどもします。
そのアカウントでは、web browserのbookmarkも論文の作成に必要なpubmedやライフサイエンス辞書のページしか見えないようにしてあります。
mailのチェックもその間はしません。
iPhoneでmailを受信しても「通知」をネグレクトできるように机の引き出しとかカバンの中に入れてしまいます。
そうして足蹠を残すです。ライフハック大全のHACK077にある「48:12時間分割法とダッシュ法」にある48:12時間分割法を採用しています。
タイマーはHACK009で紹介されているTANITA バイブレーションタイマー 24時間計 クイック ブラック TD370N-BKを使っています。
音でなく振動でタイムアップを知ることができます。マックの画面にタイマーを表示したりはしていません、うざいので。
これで(48+12)が3セットこなせればかなり進むはずなのです。
しかし、(48+12)3セット以上を連続で集中を持続するのは至難です。
午後になると集中力は低下していきます。
午後は、ノイズキャンセリング機能のついたヘッドフォンを装着することが多いです。
音楽を聴きながらでなくノイズをカットするためにヘッドフォンを装着するのです。以前に使っていたもの(すでに販売停止)がボロボロになりBOSEに相談したら新品になりました。現在使っているのはこれです
この特異な環境も長くは続かないのでその後はもう集中するのは諦めます。
するべき事は無数にあるのでほんとに進めたいときは確実に進むtaskしか実行しない時もあります。
「足蹠を残す」
こんなtweetがありました。
書こうとすると、あなたの足を引っ張る人が必ず現れる。必ずです。「おまえの書くものに価値はない」「もっとちゃんと勉強してから書いたら?」「文章を書くなんて何様?」「どうせ続けられないくせに」雑音をわざわざあなたに言いに来る人がいる。けとばせ。そんな言葉は、心のうちでけとばせ。
— 結城浩 (@hyuki)
研究も「足蹠を残す」ことが重要だと思っています。
もうimpact factorとか全く考えていません。そんなことはこれから出世したい人が考えれば良いことだと思っています。
ぼくはもうとりあえず多くの人が名前を知っているopen journalなら良いだろうという方針で。
他人に知らないところで何か言われているかも知れませんが知ったことではありません。
バレンタインデイ
バレンタインデイは日本だけで流行っている習慣ではありません。
米国にもバレンタイン商戦はありますしこの日に各メディアは何かを仕掛けてきます。
雑誌Natureのそのメディアの一つです。
“From proposals to snarks: the messages that scientists sneak into their papers”
論文にはacknowledgementー謝辞ーを記載する欄があって研究に協力していただいた研究者や研究資金を提供してくれた機関に対して謝意を表明したりするのですがこの欄に「こっそりと」プライベートな事項ー結婚のプロポーズとかーを書いたりする研究者がいてこのエッセイはそれをまとめてみましたという趣向です。
“Bonded by science: researchers describe their nerdy proposals”
2017年のこの時期にもこんなのがあったみたいです。
“Relationships: Sweethearts in science”
ぼくもこんなことをする人生だったらなとは思いました。
年末から論文のreviseとか新規投稿とかしてきてちょっとしたお仕事も終えて次の論文の作業に入っています。
dataは院生とすでに検討してぼくの手元にありますし色々と作業を済ませてもらってなんとか今週中には青写真的なものができるのではないかと、思っていたらできました。
「不確かな医学」
数日前帰宅時に梅田の紀伊國屋で見かけて読んでみました。
「不確かな医学」は“The Laws of Medicine: Field Notes from an Uncertain Science”の邦訳です(こっちも昨日読みました)。
医学はいまだに”the youngest science”ーつまり普請中の未熟な科学だという意味ですーなのだという認識から出発して
- 法則1: 鋭い直観は信頼性の低い検査にまさる -The strong intuition is much more powerful than a weak test-
- 法則2: 正常値からは規則がわかり、異常値かは法則がわかる -“Normals” teach us rules; “outliers” teach us laws-
- 法則3:どんなに完全な医療検査にも人間のバイアスはついてまわる -For every perfect medical experiment, there is a perfect human bias-
という三つの医学の法則を解説していきます。
これがエモいのです。薄い本です。是非読んでみてください。Kindle版もあります。
「自分の嗜好に従って人を評するのは容易な事だ」と、人は言う。然し、尺度に従って人を評する事も等しく苦もない業である。常に生き生きとした嗜好を有し、常に溌剌たる尺度を持つという事だけが容易ではないのである。 (様々なる意匠)
— 小林秀雄 botcast (@hideKoba_bot)
こんなこと語っているとも言えますね。
医学は不確かな学問だとは誰もが言いますがこんなにすとんと腹に落ちる様に語られたものは初めてです。 医療関係者は一度は読んだ方がいいです。 因みに法則3の一部はここで読むことができます。
【新聞広告】本日の朝日新聞東京本社版にTEDブックス『不確かな医学』(最新刊!)と『小さな一歩が会社を変える』のサンヤツ広告を掲出しました。「どんな判断にもバイアスは忍び込む。医療の現場からその対処法を考える」 書店店頭・オンライン書店にて。 ◆今日のサンヤツ https://t.co/K3f6hlCxi7 pic.twitter.com/7egZFhEZqU
— 朝日出版社 (@asahipress_com)
TED booksの一冊となっていて彼自身の TED Talkと関連はありますが別の内容です。
著者はDr. Siddhartha Mukherjeeで医師・研究者で本当のPulitzer Prize賞の受賞者(日本のどこかの大学で非常勤講師をしていてPulitzer Prize賞もどきの賞をもらった人とは違います)で,二つのベストセラーエッセイ“The Emperor of All Maladies” “The Gene: An Intimate History”の著者です。
参加受け付けています
日時:2018年4月14日(土) 13:00 ~ 17:00(開場12:30)
会費:1000円(発表者は無料)
対象者:バイオデータ解析に興味がある人
会場:イオンコンパス大阪駅前会議室 RoomF大阪府大阪市北区梅田1-2-2 大阪駅前第2ビル15階