なんとか一週間終わりました

On 2012/11/11 日曜日, in Thus Spoke Dr. Hypoxia, by bodyhacker

なんとか一週間終わりました。

「マンスリー」

日本麻酔科学会の関西支部では,少なくともぼくが医者になった1988年には年に数回「マンスリー」という名前の症例検討会を開いています。最近は年に3回の開催で落ち着いています。

大阪の「キタ」のどこかを会場として開催されることが多く帰国してからはほぼ皆勤で出席しています。 先週の土曜日の「マンスリー」ではぼくも「ネタ」を提供しました。この集まりで,拍手が起きることは滅多にないのですが今回は拍手を頂き皆さんに喜んでいただき大変満足しました。

バックグラウンドの異なる麻酔科医が集まって好き勝手な意見を発表者に浴びせるので大変盛り上がります。議論をあえて交通整理せずというか交通整理が不可能で皆が好きに発言することがこの規模では成功していると思います。出席者も最近また増えて来たように思えます。 ここで気兼ねなく聞きたいことが聞けるようになれば一人前かも。

この症例検討会に加えて年に一回,学術講演会があります。比較的若手の先生にspecificな分野について話していただき質疑応答を行います。恥ずかしくて正面切っては質問しにくいようなことを気軽に聞けると言うことで大変役に立ちます。


出張

11月第一週の臨床麻酔学会の後,月曜日から鹿児島に出張してきました。

行きは新大阪から鹿児島直通の「みずほ」を利用しました。速いです。座席も十分広く快適です。飛行場へのアクセルを考えればこれからは新幹線を利用するかもしれません。

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国立大学病院には「医療安全・質向上のための相互チェック」を行うというシステムがあります。

今年度は手術室安全がテーマで,手術部の教員として鹿児島大学病院のシステムをチェックすることが目的でした。

「チェック」前日に麻酔科の見学をさせていただきました。上村先生に手術室を案内していただきました。参考になりました。

火曜の夜に帰阪して翌水曜日には今度はぼくらがチェックを受ける順番で東北大学の先生方をお迎えしました。

この相互チェックは手術室での「チェック」以外に書面の確認と聞き取り調査があります。聞き取りが実は大変で火曜日と水曜日で5時間くらい話し続けました。

その後当直に入り結局水曜日の朝から72時間で8時間くらいしか眠れませんでした。

こういう生活もほぼ限界だと思います。

今週も火曜日,水曜日,金曜日土曜日にpresentationをします。これを乗り切って日曜日の当直が終わって月曜日の勤務が終われば三週間ほど時間ができます。論文二つは完成させたいと思います。

プレゼンテーションのKeynote fileはほぼ完成していたのですが金曜日ものは考え直して今朝から3割くらい入れ替え始めました。完全な新ネタです。

考えていたらいままで誰にも検討されたことのない実験を思いつきました。文献検索をかなりしっかりしたのですが確かに報告はありません。こういったこともあるのですね。

研究費の申請でも似ていますが,日頃考えていることを「人に伝える」という観点からまとめ直すのは意義のある事です。


麻酔中に天国にいった少年の話

New York Timesのbook reviewを読んでいたら面白そうな本があったのでKindle版を買って読んでみました。

“Heaven is for Real: A Little Boy’s Astounding Story of His Trip to Heaven and Back”

虫垂炎の手術中に天国に行ってきた4歳の少年の話です。麻酔中に覚醒するとか夢を見るとかいろんな話がありますが天国に行って帰ってきたと言う人はそう多くありません。

三途の川を渡りかけたのをぼくが連れ戻したとかぼくと一緒に道の世界に行ったという経験を語られたことはあります。

amazon.co.jpのアカウントでも購入が可能で684円です。

Heaven is for Real: A Little Boy's Astounding Story of His Trip to Heaven and Back


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10/25にKindle storeが日本でもオープンしました。

現在Kindle 3Gを所有していてamazon.comからの書籍の購入と購読に使用してきました。数えてみると有料の書籍は40冊くらい購入していました。

最大の関心事は,amazon.comとamazon.co.jpのアカウントの関係がどうなるか,でした。統合もできると言うことでしたが統合をしてしまうと何かと面度な事になるということもあり結局そのまま使うことにしました。

ぼくはそもそもamazon.comとamazon.co.jpではIDつまりmail accountは別々のものを使っていましたので全く無関係に使用することに何の問題も無いわけです。 Kindleもamazon.com用には従来の3G, amazon.co.jpには新規に購入するKindle Paperwhiteを使うつもりで注文をしました。現在持っているKindle3Gはバックライトがないので暗い場所では使い物にはなりませんがPaperwhiteはバックライト内蔵だそうです。少なくとも自分は職業的に知的な活動を行っていると思っているほどの人は一台は持っていて損はないと思いますがそもそも年に本を10冊しか買わないと云うような人はこんなものを持つ必要ははじめっからありません。

Mac,iPhone, iPad上のKindleリーダーは面倒をいとわなければアカウントを切り替えて利用できますので原理的な問題とはならないだろうと思っています。概ねiPhone,iPadは amazon.co.jpのアカウントと紐付けて使おうと思ってそう設定を変更しました。コミックなどは今後カラーのものも出て来るだろうしやはり絵や写真のコントラストはKindleがiPadにかなうはずは無いと思います。Kindle Fireにはまったく興味はありません。iPadを凌駕するとは到底思えないからです。

Kindle shopもこれから品揃えが増えてくれば枕元に置いてある50冊くらいの本については全てKindle版で買い直してしまおうとか考えています。 旧い本が多くdiscount率も高いだろうと推測もしています。 平均1000円で50冊で50000円と考えれば安いかもしれません。そもそもすでに青空文庫に収録されているものも多いのでこんなにかからないかもしれません。 過去の名著が今後どれくらい電子書籍として出てくるのかが関心事です。 ブルーバックスも含めた新書の10年以上前に出版されたものが現在の半額とかで出だせばまとめて50冊くらいは買い直すと思います。

また追加料金を払ってもよいのでtextを再利用できる形での提供にも出版社は挑戦してもらいたいと思います。


あるインタビュー記事を読みました。(「「キャリア官僚だって人間」―30歳元キャリア官僚の語る霞ヶ関の実態 」)

先日経済産業省を退官した宇佐美典也さんへのインタビューです。

典型的なのは古賀茂明さんで、あの人は官僚社会で決して大きな成果を上げたわけではないんですよ。「自分の理想に溺れて公務員制度改革に失敗したドン・キホーテ」。それが官僚社会における古賀さんの現実です。

役人の世界には彼ら独自のものの見方があるのですね。 これは医者の世界でも研究者の世界でも同様だと思いました。

大学病院と言うと以前から何かと批判を受けます。 確かに平均的な医療水準が大学病院で特に高いということはないと思います。特殊な治療を行っているという事はあるかもしれませんが市中病院でもそういった試みは行われていて成果を出している病院はいくらでもあります。

それじゃなんだんだというとぼくもよく解りませんが,麻酔科に限っても移植医療を別にしても大学病院で一年間くらいの研修をする,ある程度のキャリアを積んでから数年間でも勤務して与えら得た課題をこなすとかすることは無駄な事では無いと思います。

メディアに登場する元官僚は霞ヶ関では「芸人枠

という言い方は結構使えると思います。もちろん「芸人」はどの世界にも必要です。

ぼくは,一回は大学を離れて研究所や市中病院で働きましたがどういう配剤か基礎研究は20年くらい継続しています。 8年ほど前に大学に異動して以来,結構長い期間大学病院で働いています。

宇佐見氏が言うように

私のように一度辞めた人間が重要なポストにつくというのは、内部の人間に対して失礼だと思います。

という気持ちはいつも持っていて現在の職場を離れる必要があると思っています。生え抜きの人たちで運営するのが筋だと思います。

大学病院にいるといろんな仕事を経験することになります。 ぼくもたぶん皆さんが一生体験しないようないろんな経験をしてノウハウは獲得しました。以前にもどこかで書いたことがあるかもしれませんがやっていない大きな仕事は手術室の設計くらいなものかもしれません。

それと基礎研究は別物です。基礎研究は大学いる方が圧倒的に有利です。しかし,条件さえ整えば市中病院の中でもできます。大学へ移動する前は市中病院で基礎研究を行っていましたが何の問題もありませんでした。 しないのは,やる気とアイデアがないからだけです。


橘玲氏の「臆病者のための裁判入門」を先日読みました。

米国にいるときに住んでいたアパートの1階上の住人が子供にいろいろとちょっかいを出すので,アパートの管理事務所,小学校の校長,警察を巻き込んで奮闘2ヶ月くらいでアパートから退居してもらったことがあります。今度時間があれば顛末を書いてみようと思います。

臆病者のための裁判入門 (文春新書)

「弱いロボット」という本も読みました。医学書院の「ケアをひらく」シリーズの一冊です。今年最高の読書体験をしたと言えると思います。 「ケアをひらく」シリーズはすごいです。

「科学性」「専門性」「主体性」といったことばだけでは語りきれない地点から≪ケア≫の世界を探ります

がキャッチフレーズですが示唆を与えてくれる著作が目白押しです。

弱いロボット (シリーズ ケアをひらく)


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暑い!!

兵庫県豊岡市は夏は暑く冬は寒いという悪名高い街です。

日本経済新聞を読んでいたら豊岡の「夏は暑い」ということを裏付けるエビデンスが載っていました。 今年の夏8/20まで最高気温が35℃以上の猛暑日の数を数えてみると豊岡市は24日で二位の熊谷市(20日)を押さえて堂々日本一だと言うことです。ちなみに京都市も結構なもので18日。多治見市と三位を分けあるという名誉を得たそうです。 ググってみるとさらに詳細なデータがありました。順位にはすこし変動があったようです。(参照)

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「マップビュー」と「ストリートビュー」

あるブログのエントリーを読んでなるほどなと思うことがあり書き留めておこうと思いました。

いつも心に101 – 絶対的地理把握と相対的地理把握

いつも心に101:地理認識がマップビューとストリートビューな人たち

の二つです。

まずお読み下さい。

この話,医療の世界にも充分あてはまる話だと思います。

臨床家は自分の専門分野での日々の臨床では「マップビュー」的に行動をしていると思います。それまでの臨床経験により「マップ」が頭の中に獲得できていてその「マップ」を基に医療行為を行います。想定外の事態もまず「マップ」からの「差」としてとらえて「マップ」に取り込んで解決しようとします。「マップ」はなので先入観の基盤ともなります。「マップ」は絶対的なものではなく個人差は当然あります。

その「マップ」が頭の中に獲得し切れていない研修医君達は仕方ないので「ストリートビュー」的に事に当たっていくしかありません。まれに「ストリートビュー」的に進んで何の問題も起きない運のいい人または一種の「天才」はいるかもしれませんが普通の人は「ストリートビュー」に頼っていてはしばしば迷い子になります。なので研修医君達はしばしば迷い子になります。

それを端で見ている上級医には「マップ」があるので研修医君達のやっていることが鳥瞰できれば「マップ」への「定位 (allocation)」もできるし「差」の検出も可能です。しかし何を研修医君達が見ているか上級医に解らない場合には二人で迷うことになります。

教科書は大体は「マップビュー」的なものですが研修医君たち向けのマニュアル本には「ストリートビュー」的に記述されたものも多数あります。侮ることはできません,すごく実践的だったりしますから。

上級医にしても「マップ」がまったく通用しない状況に遭遇すれば結局は「ストリートビュー」に沿って歩いて行くしか無くなります。自分が遭遇している状況が少なくとも自分の頭に用意されている「マップ」上には「定位」できないと早い目に気付けばそれでよいのでしょうがいろいろな「マップ」を引き出してきては「これは違うよね」というような試行錯誤を行っていては手術麻酔の様な状況下では時間が一方向に流れていくだけでかなり厳しくなる場合があります。

というような事を考えました。

今度,時間があったら基礎研究における「マップビュー」と「ストリートビュー」の話題で書いてみます。

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「生命主義」

伊藤計劃氏の「ハーモニー 」を少し前に読みました。

「生命主義」が支配する近未来を描いたSFです。 ちなみに「生命主義」とは

生命至上主義(英:Lifism)。構成員の健康の保全を統治機構にとって最大の責務と見なす政治的主張,もしくはその傾向。二十世紀に登場した福祉社会を原型とする。より具体的な局面においては,成人に対する充分にネットワークされた恒常的健康管理システムへの組み込み,安価な薬剤および医療処置の「大量医療消費」システム,将来予想される生活習慣病を未然に防ぐ栄養摂取及び生活パターンに関する助言の提供,その三点を基本セットとするライフスタイルを,人間の尊厳にとって最低限の条件とみなす考え方。

の事です。まるで現代医療が目指している理想ですよね。 「健康で文化的な最低限度の生活を営む」権利を保障する為のインフラです。

このような世界では例えば「肌荒れ」は「 セルフコントロール」の喪失であり,「目の下」のくまは「社会的リソース意識の欠如」と見なされるのです。

また「デブ」などという言葉は死語になり,実際に「太っている」または「痩せている」人もいません。ガン細胞は体内で発生すると「WatchMe」システムの「medicule」によって発症前に排除されてしまいます。

英訳()もありKindleで読むことができます。 買ってしまいました。

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