Shake It !!

On 2015/5/2 土曜日, in hypoxia reseacrh, by bodyhacker

研究室の皆と隔週でジャーナルクラブを開いています。(参照)

3月までは3人でしたが4月からは7人に増えました。順番が廻ってくる頻度が減ります。

この前の回はY口さんが担当でした。 4/18-4/22までフィラデルフィアで開催された“AACR Annual Meeting 2015”に参加されたのですが、いくつかトピックスを紹介してくれました。 その中で、強調していたのは癌の免疫療法でした。

ここ数年というかほんの少し前から爆発的に進んでいる癌の免疫療法がいよいよメインストリームに乗ってきているという話です。 癌の免疫療法といえば少し前までは結構いかがわしい感じを醸し出していたものでしたが今では全く様相が異なります。

5年もしないうちに現在行われている癌治療は全ての癌で根本的な見直しをうけることになると思います。

これは明確な革命だと思います。

ご老公に某N賞いくかもしれません。

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Precision Medicine

Nature誌に Personalized medicine: Time for one-person trials というタイトルの文章が掲載されていました。

Precision medicine requires a different type of clinical trial that focuses on individual, not average, responses to therapyという内容なのです。

著者が”Imprecision medicine”と呼ぶものの代表として様々な薬剤のNNT(number needed to treat)が取り上げられていました。

例えば胸焼けというか逆流性食道炎に対するesomeprazoleのNNTは25です。また喘息におけるfluticasone propionateのNNTは20です。 フルタイドでさえNNT=20 !!

多くの患者は本人にとって効果の薄い薬剤を投与されているという現実があるわけです。

Precision medicineが真により精密になりある特定の個人にとって無意味な処方を含む療法があると解かるようになればそんな療法は止めてしまう方が良いことになります。

ある薬剤の効果を患者集団で比較して有効性を判定する従来型の臨床トライアルと並立して個々人に焦点をあてたN-of-1 trialsがもっと推進されるべきだというわけです。 主張には十分説得力があると思います。

麻酔科の医者が使う薬は、NNT=1かつ5分以内に効果が現れるというストロングディシンがほとんどなのですがステロイド剤、ニコランジル、シベレスタットなど効いているのかどうなのかよく解らん薬もいまだ結構使われています。最もこれらは麻酔のためというより広い意味での周術期管理のために使われている薬剤なのでどうでもいいともいえるのですけど…

症例報告が結構好きです。皆がもっと気軽に自分が臨床現場で経験したことを明らかにしたらよいと思います。某学会は症例報告は原則受け付けないのですが麻酔記録ベースのケースカンファレンスを20名くらいのグループで行うようなセッションをいくつも作ったらどうかと思います。 朝7時くらいから朝食付きでやるのですが結構集まるし盛り上がるのではないかと思っています。

しかしこういったことも英語でして少なくとも検索にかかる形で公表しないと折角の価値が下がると思います。


プロポフォールの使い方

今日麻酔をしていてある事に気づきました。 Diprivanというpropofol製剤があるのですが、添付文書や箱に「使用前にアンプル又はバイアルを振盪すること」とあったのです。

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ちょっと気になったので別の会社が出している別のpropofol製剤の添付文書を確認するとやっぱり「使用前にアンプルまたはバイアルを震盪すること」とありました。

今まで「震とう」など意識的にしたことは無かったのですが用法を誤っていたことになります。あくまで「震とう」なのでshakeするのではないとは思います。

とにかく添付文書が絶対だとしたら… これが原因で、特定機能病院を取り消されたらどうしよう。


評判の「進化の謎を数学で解く」を読み始めました。明日の朝の出勤の電車で読み終わる見積もりです。 確かにこれは面白いしタメになります。

書店で山下和美先生の「ランド」が単行本で出ているのを発見しました。最近コミック雑誌をフォローしていないので見落としです。

進化の謎を数学で解く  ランド 1 (モーニングKC) (モーニング KC)

 


MacBookのキーボード

ちょっと前に思い出したようにMacBookを触りにApple Storeに出かけました。

新型のキーボードはぼくには良さそうです。ぼくは手が小さいのでしっかり押し込まないといけないキーボードでは抜けてしまうストロークがあるんです。触る感じで確かに反応してくれるこのキーボードは合っている様な気がしました。

今のところMacBookは必要が無いので今回はパスですがキーボードだけ発売してくれたら買います。


今日も出勤で明日もまる24時間病院に滞在です。 落ち穂拾いするしか能がないので仕方ありませんね。

 

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こよりのどらやき です。阪急百貨店の9階にあります。

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“Time Machine”に救われた話

On 2015/2/7 土曜日, in hypoxia reseacrh, by bodyhacker

この前の日曜日の日当直は朝までと言うことは無かったのですが夕ご飯時から結局3時くらいまでかかりました。

一件目はこの10年で一番急ぎました。 朝から空いていたのに夕方になると手術が入り出すのですね。

これはこれで困った現象です。

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Macにまつわるトラブル二件

さて先週から今週にかけてMac周辺でいろんな事があって結構消耗しました。

まず研究室で使っているAirMac Time capsuleの具合が悪くなりました。

いろいろと調べても問題を解決できなかったので「デフォルトリセット」を試みました。

その後、”Air Macユーティリティー”で確認すると件のTime Capsuleは未登録のベースステーションとして「見え」ました。設定を試みてもエラーが出てそれ以上進ませてくれません。 研究室でだけでなく自宅でやっても結果は同じです。

ググっても似た症状は報告されていなかったのでApple Store 心斎橋のGenius Barで相談することにしました。

15分前くらいにApple Store心斎橋に到着しました。待つこと20分で名前を呼ばれて「症状」を説明するかしないでまずシリアル番号を調べられました。 Genius Barの予約の時にもシリアル番号は求められたのですがすごく見にくくぼくは諦めました。お姉さんはルーペを使って確認していました。 それをiPadに入力すると保証期間が約40日残っていることが解りました。-というかなんで解るの?Apple Store経由で買ったわけでないのに… 例えばヨドバシで買ったものでもヨドバシで売ったとたんに情報がAppleに廻るのでしょうか?-

とにかく保証期間内ということがわかった時点で対応が決まったようです。 つまり「交換」です。

何も調べずぼくの言い分を聞いただけであっさりと「交換します」とお姉さんは宣言して,在庫確認のためにいなくなり「あたらしい」AirMac Time capsuleをもって現れました。新品でなくいわゆる調製済みのもののようです。

ぼくはそれを持たされてApple Storeを後にしました。 実は,眼の前で確かに壊れていると言うことを見せてもらいたかったのです。Genius Barの人がどう確認するかに興味があったのです。

Genius Barすごい人出でした。予約のない人も受け付けているようで長い行列ができていました。なので,ぼくの場合,どうせ交換なのだから時間は掛けられんということなのだと思います。

もう一件は深刻な事態でした。

ある作業で使っていた外部接続のディスクを「ゴミ箱」に捨ててその外部ディスクの電源を切るとMacがカーネルパニックに陥りました。 「あの」画面が出て再起動を余儀なくされたのですがその際再起動しなくなってしまったのです。途中で画面が暗くなったままどうにもなりません。 ネットで調べたいろんな方法を試しても埒は開きませんでした。(参照1, 参照2)

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リカバリーモード(「⌘+R」を押したまま起動させる)では、起動できました。

“ディスクユーティリティー”で内蔵ディスクをチェックしたところ不具合があって「修復」を試みるも修復できないというご託宣です。

結局ディスクフォーマットをすることにしました。

スキームは以下の通りです。

  1. ディスクフォーマットを行う
  2. Time machineをつかって保存してあるバックアップをつかって復元を行う

です。

日々のMacのバックアップはTime machineを使ってさっきのTime capsuleにしていました。

ということは、つまりApple Storeで新品と交換したので,約1年分のバックアップファイルは手元にはなくなった状態でした。

実はこんな事もあろうかとAirMac Time Capsuleが不調に陥った直後に別の外付けのディスクにTime Machineを使ってバックアップを取ってあったのですがそれを使うという計画を立てました。つまり今回の不具合の一週間ほど前のバックアップファイルを使うことにしました。

ディスクのフォーマットをはじめると,3TBの内蔵ディスクのフォーマットに5時間かかると表示されていたので帰宅することにしました。

朝来たら果たしてフォーマットは無事終わっているように見えました。

再度一度ディスクのチェックを行うとやはり問題は無いようです。 フォーマットできなかったと表示される可能性もあったのでドキドキでした。

 

そこで外部ディスクを接続しました。そのディスク内のTime Machineのファイルが見えたときは少し感動しました。

 

ボタンを押すと「復元」が始まりました。 これまた5時間くらいかかると言うことで部屋を出て実験を始めましたが,二時間ほどして途中で戻ってみると「復元」が終わりかけていました。10分くらい待って「復元」が終わったと同時にMacが再起動しました。

 

何事もなかったかのようにログインの画面が出てパスワードを入力すると見慣れた画面が現れました。

すると直ぐに,Dropboxに認証を求められました。ファイルのリストを作り直しているようでした。この作業になんとまた5時間と表示されたのですが実は2時間ほどで終わりました。 結局バックアップを作ってから一週間の作業履歴も含めてほとんど復元されました。

復元できないと考えていたのは、その間に保存した「写真」のファイルだったのですがこれは全部iPhone内に残っていたので結局失ったファイルはほとんどありませんでした。

肝を冷やしました。

日頃こういう事態に備えてはいるのですが実際にTime Machineのバックアップのお世話になったのは初めてでした。

今はディスクを二台つないでTime Machineでバックアップを取っています。

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双子素数

数学で「双子素数」というのがあるそうです。 つまり差が 2 である2つの素数の組です。双子素数が無限に存在するかという問題、いわゆる「双子素数の予想」や「双子素数の問題」と呼ばれる問題がすごく重要な問題値として存在して未解決なのだそうです。(参照)

今日紹介するのはこの問題について重要な論文を書いたおじさんの話です。 (New Yorker, The Pursuit of Beauty)

おじさんの名前は、Yitang Zhang

2013年に”Bounded Gaps Between Primes”と題された50ページ強の論文を発表して 「隣り合った素数の隔たりが、7千万以下のものが無限組存在する(lim inf (p(n+1)-pn)<7×10^7」

ということを証明したのだそうです。(参照1, 参照2

ぼくら一般人にとって面白いのは論文の内容でなくてその証明者Yitang Zhang氏自身です。

1999年からUniversity of New Hampshireで講師をしていたのですがそれ以前はNew YorkのレストランやケンタッキーのモーテルやSubway(fastfoodのサブウェイです)で働いていたこともあるという異色の経歴をもつ人物です。 55歳の時に突然この仕事で学会に認知されるようになったのです。 これをNew Yorkerが取り上げました。すごく面白いです。

“Is there a talent a mathematician should have?” “Concentration,” Zhang said.

なのだそうです。

 

Precision Medicine

もう一つ。

New England J MedicineにCollins・Vermusという名前を聞いたらせず時がピント伸びるような組み合わせの論文が出ています。

Obama大統領が提唱している”Precision Medicine“についての実行担当者からの決意表明と結構具体的なロードマップです。

(NEJM, A New Initiative on Precision Medicine) (参照1, 参照2)

 

Obama氏の今年の一般教書演説からの引用からはじまります。

“Tonight, I’m launching a new Precision Medicine Initiative to bring us closer to curing diseases like cancer and diabetes — and to give all of us access to the personalized information we need to keep ourselves and our families healthier.”

医者や生命科学の研究者なら一度は読んでおいた方がよいと思います。

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