最近の事など

On 2018/6/15 金曜日, in book, hypoxia reseacrh, news, twitter, 関西医科大学, by bodyhacker

このところ通勤電車の中でもmacにかじりついて某仕事に掛かっていました。

今週末で締め切りなのでそれをクリアしてしまえば… という所だったのですが無事作業が終わりました。

原著論文の執筆という「通常業務」に戻ります。

今日はゆっくり寝れます。


論文が出版されました

propofolの細胞毒性はHIF-1の活性化によってレスキューされるという実験事実を培養細胞を用いた実験系で示した論文です。

稟議書が回り始めたので勤務先からのプレスリリースは月曜日には出ると思います。

 

ぼくのつもりではこの論文より早く世にでるはずだったのですがぼくの「作戦間違え」で遅れました。 Scientific Reportsに出しなおしてからは安産で前回に続き追加実験無しで悠々と凌ぎました。

とにかく無事世に出て良かったです。

共著者からも

院生さんはもう自分で結構な解析ができるようになりました。


N本師匠が西野七瀬さんが所属するアイドルグループの集会できる事になったとのマウンティグを受けました。


「どもる体」

医学書院から「看護教育」という雑誌が出ています。職場から電子版が読めるので思いつくとまとめ読みをします。 (看護研究というのもあってやはり毎号読んでいます。https://webview.isho.jp/journal/toc/00228370/51/3

マニュアル化して理論を追求することを放棄していように見える麻酔関連の雑誌に比較して理論と実践のバランスがよく結構楽しめます。

「看護教育」で2017年4月から2018年3月まで伊藤 亜紗さんの「連載 リズムとからだ」という連載がありました。

「吃り」「吃音」を題材にからだのリズムを考察した研究結果です。 この連載が本になって医学書院から出版されました。

どもる体」です。

ぼくは中学生くらいの時には「吃音」と「チック」があったのですがそのうちに克服されました。

どもる体 (シリーズ ケアをひらく)


PDF

昨日の朝から連続35時間くらい大学というか研究室にいます。

 

大学院の先生の論文が雑誌”Scientific Reports”-ある程度皆が知っている雑誌ならぼくはどこでも構いません-にアクセプトされました。

麻酔薬propofol関連の研究の成果です。

この論文は、ぼくの頭の中では少し前に出た論文より早く世に出るはずだのですがぼくの戦略のミスで遅れました。

大学院の先生の学位ための講演会は済んでしまったのでどうでもいいといえばどうでもいいのですが論文が通ってスッキリしました。

(学位の講演会はぼくからしたらちょっとヒヤヒヤしたりする局面もあったのですが主査をしていただく先生からは「立派な講演会でした」と言っていただいたので成功だったのだと思います)

掲載料を払えというmailがきたので払おうと思って指定のurlから手続きを試みるのですがerror messageが出て前に進ませてくれません。mailで問い合わせをすると「質問が多すぎて順番に処理しますから」という自動mailが送られてくるだけで進展なし。

なんだ出版が遅れるじゃないかと気を揉んでいたのですが結局無効のシステムのトラブルで解決しました。


麻酔科学会

もう随分前の事になりましたけど横浜に行きました。

麻酔科の学会への参加が主目的。 神戸で開催される時だけに注力したいと思っているのですが今回はするべき事などができてしまいました。

神戸で開催される場合だと自分の出番の時間を目がけて会場に入って終われば会場を抜けるなどできて都合が良いのですが横浜だとそういう訳にもいかないので結局いろんなセッションに参加する事になりました。

初日の朝は、「学術委員会:2017年度開始ピッチコンテスト成果発表」に出ました。

学会が申請を受け付けて研究資金を提供(ほんの僅かですけど)してくれるという制度があるのですがその成果発表学芸会です。

研究成果が上がらない場合お金(僅かなんですけど)を返還する必要があるという結構すごい制度なのです。

というわけで、学会の会長自ら座長をお勤めになるという力の入れようで内容についての質問より「とにかくちゃんと論文にしてください」というコメントを何度もされていました。

ぼくも二つの研究の研究協力者なので参加してみました。 発表は皆さんしっかりとしていました。某優秀演題賞(過去何度も審査員として参加しました)のコンテストを遥かに凌ぐデキと言っても良いのではないでしょうか。 ぼくの30年くらいの麻酔科医人生でこんなレベルの高いセッションは麻酔科学会では初めてでした。 全部論文になるのではないでしょうか (#知らんけど)。

ぼくらはもう論文化していますからどうでも良いのです。

  • 有料参加者合計 10,022名(会員9,308,名誉会員35,非会員679)
  • 無料参加者概算 医学生・研修医(招待),受入れ留学生等:約640名

ということですから盛会だったと思います。最近はとにかくすごく沢山の人が実際に会場にいます。ぼくが参加したセッションは少なくとも麻酔科臨床に関わるものは立ち見が出ていました。

抄録集を眺めたり人にも尋ねたりしたのですが最近のこの業界のトピックスって何なのかよく分からなくなりました。

まさか「無痛分娩」と「女性医師の活用」という訳ではないのでしょうけどどうなのでしょうか。


ラーメンと味噌汁

期間中に大学院時代を一緒に過ごして今は横浜在住の内科医として働いている先生とre-unionしました。 この前会ったのは二年三ヶ月前でした。

高血圧と判ったのでラーメンと味噌汁を絶って降圧に成功したとの事。

ぼくも一年ほど前から降圧薬を服用し始めたのですが3ヶ月ほどして服薬無しに収縮期血圧が130mmHgを越えることがなくなったので服薬をやめていたのですが最近130mmHgを越えるようになり服薬を再開するかなという状況となっていたので間に受けてラーメンと味噌汁断ちをすることにしました。

最後にと思い、天下一品のラーメン大盛りを食べました。少なくとも半年はカップラーメンを含むラーメンを止めます。

一週間ラーメンと味噌汁を断つと確かに血圧は下がりますね。


「一発」とは

髭男爵の山田ルイ53世さんの一発屋芸人列伝読みました。

連載も部分的にフォローしていたのですが単行本としてまとまったという事でまとめて読んでみました。

前評判も高かったので紀伊國屋でももっと大々的に展開していると思いきや結構しょぼい感じだったのですが発売日に読むことができました。

書評も多く出ているので内容を紹介することはしませんが読んで損はありません

「一発屋」の定義ってなんなのかはこの本を読んでいただくとして研究の分野で「一発当てる」ってどんな風な事を言うのかなと考えました。

文化功労賞・文化勲章とかノーベル賞クラスだと「一発屋」という言い方はなじみません。 とは言え文化功労賞・文化勲章とかノーベル賞クラスの皆さんはどこかで最低「一発」出ているのだと思います。その「一発」ってどんなの?という素朴な問です。

出版された初年度で250回5年で500回10年で2000回の日引用回数なら十分「一発」と言えるのかもしれませんが「一発」と分かるまでに5年は掛かります。

少なくとも日引用回数が1000回以下は「一発」とは言わんだろうなとは思います。

 

以前といってもぼくが大学院生の頃、「心とコンピュータ」という本で利根川進さんが

研究者は研究人生で何か一つでも大きな仕事をすればそれで十分評価されるのだから焦るな。そういう分野を持てるまではじっと我慢すればよいのだ。ただ大学院生とかポスドクの時期の仕事はPIの仕事になる場合があるのですごいアイデアを思いついたら独立するまで温存しろ、みたいな話をしていたと記憶しています。

結構間に受けていたのですがその「何か一つでも大きな仕事」というのがどういう仕事なのかが分からず今に至るという感じです。

 

一発屋芸人列伝


PDF

このエントリー土曜日に書きかけたのですが結局日曜日の4時まで麻酔をする羽目になり尻切れになっていたのです。

続きを書いてみようと思いますがその前に 「払うと約束した金は払え!!」ということを強調しておきたいと思います。

約束を守らんのは人間のクズです。


土曜日は日当直で病院におりました。

朝から夕方まで8時間くらい働いて(麻酔をしたということです)夕ご飯にはなんとか間に合いCoCo壱番屋カレーを食べてICU当直のKき先生と少し話してシャワーを浴びて, という状況です。

と書いていたらまた呼ばれて結局24時間の日当直中15時間麻酔をしていたつまりとにかく手術室にいた(それで測るとプラス2時間くらい)のでした。


大統領選挙

某国の大統領選挙には特に大きな関心は無かったのですが,選挙予報が軒並み「外れた」という事にはそれなりのショックを受けました。

538までが惨敗したわけです。

 

Nate Silver氏は投票日の朝に,”Final Election Update: There’s A Wide Range Of Outcomes, And Most Of Them Come Up Clinton“なる論説を発表していて 今回の選挙予想の困難な点を自ら解説していました。 ポイントは以下の通りです。

  • Polls are good — but not perfect
  • Undecided voters contribute to uncertainty
  • There are far more undecided voters this year
  • Polling errors are correlated across states — and could put Clinton at risk or put red states in play

選挙後さらに

を発表して,もしヒラリー候補の得票がもう1%多かったらという一種のシミュレーション結果を発表してもいます。 要するに予想のマージン内の接戦だったのですね。

 

雑誌New Yorkerに”Aftermath: Sixteen Writers on Trump’s America”が出ていました。

皆「やれやれ」と思っているのですね。


研究を続けるのは大変だ

ちょっと前のNature誌に“Hard work, little reward: Nature readers reveal working hours and research challengesという記事が出てました。

2/3 位の研究者が研究を止めようと思ったことがあり15%位は実際に止めちゃうとのこと。 アンケートによれば,1/3の人は,意にそぐわない論文を出したことがあるとかいろいろな結果が出ていて身につまされます。

研究時間も週に60時間以上働く研究者が38%いて80時間以上という人も10%弱います。

医者はもっと働いているという人もいますが,たとえばぼくなど麻酔器の前に座っているだけという場合もあるし(それでも手術室は寒いのでじっとしていると体温の維持のためにエネルギーを消費するのです疲れるのですが),STが完全に上がっている心電図を見ても何の反応もしない人や,スマートフォンをもっったまま麻酔をしている人もいてこれって働いているの?って感じの場合もあるわけです。まあ要するにあまり頭を使っていないわけです。

 

麻酔ってよく考えると何がどうしんどいのかよく解りません。深夜3時くらいになると頭痛がしてくるのは事実ですが。

15時間働いた後のぼくに麻酔される人もいるわけで事実を知ったらどう思うのでしょうか。 そもそも一人で日当直をしているのが問題なのだろうけどそれを問題視して解決する機能が失われている職場で「それはおかしい」と主張してもほとんど何も解決しないのですからどうしようもありません。

「やれやれ」


Paul Kalanithi氏の”When Breath Becomes Air“の邦訳が早川書房から出版されたそうです。

「いま、希望を語ろう 末期がんの若き医師が家族と見つけた「生きる意味」」

というものすごいタイトルになっています。

訳者の田中さんの「あとがき」がHonzで公開されています。

ぼくの読後感とは大分異なるなるのですが読んで損はないということは間違いが無いともいます。 英語はすこし難しいと思いますが読み始めてリズムに乗ると苦にならなくなります。

Being mortal” 
 “Do No Harm

と合わせて読んだらよいと思います。

三冊とも邦訳がでました。

New York Times のbook reviewで取り上げられるような本は結局は邦訳されますね。


科学誌 Scientific Reportsは,「金払えばOKなジャーナル」ではありません

こんなtweetを見つけました。

ちょっとびっくりしました。Scientific Reports「金払えばOKなジャーナル」とは,ぼくは思っていないからです。

この人はどうしてScientific Reportsが「金払えばOKなジャーナル」だと思っているのでしょうか。「金」で掲載してもらったことがあるのでしょうか。ここまで言い切るのですからこの人はNatureとScientific Reportsに自分(たち)の論文を投稿して,査読を受けたことは最低あると思うのです。その経験からこういうtweetをしているのであれば「そう」なのかもしれませが名前がわからないのでこの人の論文がNatureまたはScientific Reportsに掲載されたことがあるのかが解りません。

もしそんなうまい方法があるのならこっそり教えてください。金でOKになるのなら2倍の掲載料でも払います。

 

論文の掲載に際してお金を払うのはScientific Reportsだけではありません。米国の科学アカデミーの雑誌PNASも掲載には通常$1225「払う」必要があります。またopen化(特別な購読なしに誰でもが論文をよく事ができる状態)には追加で$1350必要です。合計するとScientific Reportsの掲載料より高額になります。

 

このtweetもまるでScientific Reportsが一種のトンデモジャーナルだといわんばかりです。

何なんだと思ったら,“Murine hypothalamic destruction with vascular cell apoptosis subsequent to combined administration of human papilloma virus vaccine and pertussis toxin” こんな論文が,Scientific Reportsに出ていたんですね。 知らんがな。 Scientific Reportsは査読誌でreviewerとeditorが同意すれば出版される雑誌なんだから。

掲載料の有・無,高・低と論文の内容が本当か嘘かには明確な連関は無いと思います。

また学会誌と商業誌でも差は無いと思います。

例えば雑誌Natureは商業誌です。

また学会誌であるからと言って内容が保証されているわけではありません。日本の某学会が発行する英文誌は掲載料は無料ですが読む価値のある論文は多く見積もって5%程度です。明らかにウソだろうという論文も結構な数あります。

 

とにかくScientific Reportsは,「金払えばOKなジャーナル」ではないと思っています。


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