職場を異動して一ヶ月が経ちました。 引っ越し荷物を開けて並べ直して細胞培養もできるようになりました。 ゴールデンウィーク明けからいろんなことを始めたいと思います。
腰部の硬膜外カテーテル留置、TAP blockなどこの数年自分ではあまりしてこなかった麻酔手技もどんどん再開しています。
論理的な文章を書くために
作文術の本は結構読んでいます。その割りには全然上達していないような気もしますが目にとまれば読みます。 最近「数学文章作法 基礎編」を読みました。 「数学ガール」シリーズの結城浩氏の著作です。 「説明文を書く人ならどなたにも役立つ内容」になって、 論理的な文章を書く必要のある人は一読する価値があると思います。
今まで「日本語作文術」と「英語流の説得力をもつ日本語文章の書き方」を薦めてきましたが本書はそれに匹敵する読んで損はない一冊だと云えます。
麻酔科医が読む本
先週東京での呼吸器学会に出席した折に泊めてもらったホテルの下の丸の内オアゾで丸善で医学書を物色する機会がありました。
すごくたくさん新刊書が出ているのですね。ある意味定まった「こと」・「もの」について毎月おびただしい本が出ていることになります。医者の人数を考えれば比較的には驚異的な数です。すごい競争率です。
前回も紹介した呼吸生理学の本(参照)の他に麻酔の本も見つけました。
こちらは重そうだったので東京にいる間にamazonで注文したら帰宅したら到着していました。
“The Anesthesia Guide“という本です。
薄い紙に文字と図表が詰まっているずっしりと重いハンドブックタイプの本になっています。
編者は二人の若い(たぶん)麻酔科医ですが13パートに分かれていてチャプターは223で構成されていて各項目はそれぞれの担当者によって執筆されています。 ます。
PART I. Preoperative
PART II. Coexisting Disease
PART III. Monitoring
PART IV. General Anesthesia
PART V. Specific Procedures
PART VI. Cardiovascular and Thoracic
PART VII. Neuroanesthesia / Neurocritical Care
PART VIII. Regional
PART IX. Acute Pain (Postoperative)
PART X. Pediatrics
PART XI. Obstetrics
PART XII. Critical Care
PART XIII. Rapid Reference
パートは以上の通りです。これは普通ですね。
61 Intraoperative Events
62 Postoperative Complications
69 Common PACU Problems; PACU Discharge Criteria
これらの三つのChapterはこの本の特徴をよくあらわしていると思います。 手術中・手術後に起こりそうなイベントがあり得ないほど詳しくただ淡々と記載されています。 この本とにかくものごとが網羅的に端々と記載されているのです。その意味では研修医向けでは絶対にありません。
末梢神経ブロックも以下の通りに結構網羅的です。ちょっと確認するのに便利です。これだけのブロックの全てを記憶にとどめておくことは不可能です。
130 Cervical Plexus Blocks
131 Brachial Plexus
132 Upper Limb Dermatomes, Myotomes, Sclerotomes
133 Interscalene Block
134 Supraclavicular Block
135 Infraclavicular Blocks
136 Axillary Block
137 Branch Blocks at the Elbow and the Wrist
138 Digital Blocks
139 Lumbosacral Plexus
140 Lower Limb Dermatomes, Myotomes, Sclerotomes
141 Psoas Compartment (Posterior Lumbar Plexus) Block
142 Femoral Nerve Block, FasciaIliaca Compartment Block (FICB)
143 Lateral Femoral Cutaneous Nerve Block
144 Obturator Nerve Block
145 Saphenous Nerve Blocks
146 Proximal Sciatic Blocks
147 Popliteal Blocks
148 Ankle Block
149 Thoracic Paravertebral Blocks
150 Intercostal Nerve Blocks
151 Innervation of the Abdominal Wall and Viscera
152 Transversus Abdominis Plane (TAP) Block; Ilioinguinal and Iliohypogastric Blocks
153 Regional Analgesia for Abdominal Surgery
154 Infiltration Analgesia for Lower Limb Arthroplasty
155 Superficial Blocks of the Face
要するに一冊もって身近におくとなんでも「とりあえず」調べ出すことができるというような本なのです。
極めつけはこのChaptorです
221 Commonly Used Phrases in the Operating Room
手術室で使う一般的なphrase(「目を明けてください」とか「手を握ってください」、とか)が各国語(正し日本語はありません)で記載されています。
ちょうどあるブログで紹介されてもいました。
どうなんでしょうか日本語に訳すと結構間抜けな感じになってしまいそうです。とにかく翻訳本には興味はありません。
Kindle版もあるそうです。手術室に電子デバイスを持ち込む習慣がぼくにはないのでこっちは持っていません。
この本のHPも存在してreferenceなどは全てここから参照するようになっています。サンプルもあります。興味があればいくつか読んでからどうぞ。
iPad mini
関西医大の研修医の全員(現在のところのサンプル数は4)はiPad miniを持っています。いろんな教科書や参考書(まさに国試の参考書であって教科書とはちょっとちがう)が詰まっているのだそうです。見せてもらいました。
スマホもiPhoneがmajorityです。今回一人だけいる研修医くんだけがドコモのスマホを持っていました。理由はぼくには不明です。
論理的な文章を書くために http://t.co/2irOidmjps