Keystone symposia通信-7

On 2008/1/22 火曜日, in hypoxia reseacrh, Keystone, by bodyhacker

帰国後もしつこく報告を続けます。
今回のKeystoneはhypoxiaとangiogenesisのsymposiaの併催でした。

普通に考えてangiogenesisの方の参加者が多いのではと思いましたが実際はhypoxiaの方の参加者は400人ほどでポスターの数も250を超えていてangiogenesisの参加者と演題数を超えていました。日本からの参加者も低酸素の方が多かったと思います。angiogenesisで登録している人が低酸素の方の演題を聞いているといった姿を多く見かけました。

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hypoxiaの方のトークでは、生理的な問題を論じたものが割合と多く麻酔科医のぼくに取っては知識の整理にとても役立ちました。血管緊張と酸素分圧の関係、エネルギー代謝の問題などが論じられ、麻酔科医はASAに出るのならこちらに出た方が為になります。HPVにおける酸素分圧センシングについてDr. ArcherとDr. Schumackerが真っ向から異なる機序を唱えて対立いました。このような基本的な事さえまだ完全に決着が就いていないのだから驚きます。

最終日には少し考えさせられることが起こりました。
FibroGenというベンチャー企業があり、低酸素応答経路を薬剤的に修飾する事で治療につなげるという考えで様々な薬剤の開発を行っています。
FG-2216というコードネームの薬剤は腎性貧血保存期の患者でEPOの産生を増加させるという薬効をもつと考えられ米国では第二相まで進んでいます。しかし現在は以下の報道の通りになっているようです。

アステラス製薬、貧血治療剤「FG-2216」の臨床試験における副作用報告について

その会社の人が、FG-2216を遥かにしのぐ夢のような薬剤の話をしました。詳しくはかけませんが確かにすごい。質問、コメントの時間に或る大物が発言しようとして結局発言はしませんでしたー実際立ち上がり手を挙げていましたー。その後別の研究者がFibroGenの薬剤を使った研究を紹介したりしたということがあり最後にMerckの人がこれまた肝心な事を少し隠した発表を行った後で、さっきの大物ーHarvardのDr. Kaelinーが火を噴きました。薬剤の構造式も明らかにしないような研究発表をするのはこの種の学会では意味がないし、まともな雑誌ーかれはNature Publishing Groupの雑誌と名指ししていましたーはそのような研究成果は掲載しないとかなり強い調子で演者を攻撃しましたのです。少しびっくりしたと同時に、確かにあの発表を聞いても何とも考えようがないなと思いました。

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