関西5医科大学 研究医養成コースコンソーシアム合宿

土曜日と日曜日(2019/9/14-9/15)に、関西5医科大学 研究医養成コースコンソーシアム合宿に参加しました。

この試みは今回で7回目です。 ぼくは多分5回目の参加だったと思います。

学生 40人教員 21人に運営の裏方としての職員 5人が今回の参加者です。

 

毎年参加者の議論が促されるような工夫が加わって得るものが大きな会になってきていると思います。

ポスター発表では、研究の量と質が毎年向上しています。

内容も向上しているのですが特筆すべきはプレゼンテーションと質疑応答への対応です。

特に質疑応答への対応は素晴らしくぼくの結構ツッコんだいわゆる意地悪な質問にも想定内とそれ以外の応答が得られてこうなると学会、研究会で職業研究者とやり取りしているのと何ら変わりもなくついつい本気で議論をしてしまうという経験も今年はしました。

となると少しdataが足されて研究結果が公刊できれば現在の日本の医学研究系の博士号のレベルを考えれば大学院を経なくとも博士号を授与してもよいのではないかという「でき」の学生さんもいました。 実際学生時代の研究経験を研究歴に参入すれば論文博士とすることは規則上も可能な場合もあると思います。

 

研究をする医者を養成するプログラムはほとんど全ての大学で提供されていますが内容は様々です。

今回の参加5大学でもかなりの幅があります。

兵庫医大は研究コースを選択すると通常の講義への出席が免除され進級の認定は試験の合否で決まる様になるのだそうです。全ての講義はビデオ化されて希望に応じていつでも視聴できるようです。ここまで譲歩しているのにプログラムへの参加者がすくないと制度の責任者の鈴木先生はぼやいていました。今年度卒業生が出て国家試験で遜色無い結果が得られれば参加者は増えるかも知れません。

ぼくの勤務先の関西医科大学では、3回生からは研究室で研究に携わる場合一定の時間に限って授業への出席が免除される制度があります。また、2回生からは一定の基準を満たすとresearch assistantとして給料(まさに給料でぼくらと同じ給与明細が発行されますが支給されます。時給は学生の研究レベルによって三段階で最高ランクでは1800円位で40時間まで認められます。研究活動していると月に8間円近くの給料がもらえるのですから良い制度です。

生命科学・医学研究は医学部の専売特許ではありません。理学部、工学部、農学部でも行われています。生命科学研究科という大学院を設置している大学もたくさんあります。

しかしトータルで6年という少し遠回りをしてでも医学を修めるということには卒後基礎研究だけをするとしても大きな価値があるとぼくは思っています。医学には医学特有の考え方がありそれを習得するとその後の研究にプラスになります。これは医学に役立つ研究をするようになるというような意味合いとはすこし異なります。全国にいるだろうこのようなコースを選択している学生はなので焦らず進んでいって欲しいと思います。

 

場所は毎年-そして来年も-大阪南港の研修施設です(因みにぼくは毎年三回ここで宿泊を伴う行事に参加しています)

10年目は派手にやると学長は話していたのですが…


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勤務先では研究医養成コースを開設して多くの学生が参加してくれています。

研究医養成コースは3学年から始まるのですが1学年と2学年の学生には研究マインド養成のためのカリキュラムが用意されているのですが金曜日に今年入学した学生への説明会が開かれる事になっていてぼくも少し話します。

その折に何冊かの本を紹介します。

いわゆる教科書は除きました。大学から指定があると思います。

参考になると良いと思います。


若い研究者へ遺すメッセージ 小さな小さなクローディン発見物語

若い研究者へ遺すメッセージ 小さな小さなクローディン発見物語

感動します。


青いバラ

青いバラ (岩波現代文庫)

もう一冊同じ著者の本を

東工大講義 生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか

東工大講義 生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか


次はちょっと古い本なのですが図書館にはあると思います。 ぼくも持っています。

ノーベル賞の決闘

ノーベル賞の決闘 (同時代ライブラリー)

研究者ってエグいんです。


遺伝子‐親密なる人類史 (上) 遺伝子‐親密なる人類史 (下)

遺伝子‐親密なる人類史‐ 上 遺伝子‐親密なる人類史‐ 下

ぼくは英語版しか読んでいないのですが訳も素晴らしいということです。

同じ著者のものをもう一冊。

不確かな医学

不確かな医学 (TEDブックス)


トクロンティヌス氏の次の二作もどうぞ。 実際は研究生活ってこんなのです。

「魔法大学院第三呪術研究室には研究費がない」

「コーヒーショップライフテクノロジーズ」


ちなみにこんな文章を以前書きました

最後にぼくの研究結果のリストです。興味があればどうぞ。


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iMac問題

iMacですが修理終了で明日手元に届きます。電源系統の交換が必要だとおもっていたのですがあっさりと「修理」が終わったようです。 木曜日の朝にクロネコ便がpick upしに来てくれて金曜日には修理完了で今朝(月曜日)午前中にぼくの手元に戻って夕方にはセットアップを完了するか、な。

と思いきやtime machineで取ったbackupの復元中に電源が落ちるという現象が再現してしまいました。

Appleに連絡を取ると「問題のあるbackupから復元を試みたから問題がbackupからiMacに持ち込まれて」しまったのだということ。

ぼくがすべきだったのは、「復元」ではなく移行アシスタントを用いた「移行」だったのだそうです。

とうわけで振り出しに戻ってしまいました。

朝から快調に論文の作業を進めていたのに…

最後に追加した項目-411


研究医養成コースコンソーシアム発表会

木曜日・金曜日と二日間の日程である合宿に参加しました。

研究医コースを運営している阪神地区の5大学で構成されるコンソーシアムのリトリートです。

参加大学は、奈良県立医科大学大阪医科大学兵庫医科大学神戸大学関西医科大学です。(各大学の研究医コースの概要へは大学名からリンクしてあります)。読むと解りますが兵庫医大の制度はかなり太っ腹ですよ。

学生さんが29人、教員が20人の結構な規模の会となりました。 3大学で発足したコンソーシアムから数えて今回で4回目です。

ぼくの研究室にも学生さんを一人預かっているのですがぼく自身の参加は今回が初めてでした。

参加学生による研究・研究生活の発表をメインに参加教員による「私のこれまでの研究を振り返って」(涙無しには聞けない感じでした)などの講演に、「研究を進めていくのに必要な資質とは」をテーマとしたワークショップが加わって充実した二日間でした。

夕ご飯はBBQのはずが雷雨の予報が出て室内での食事になったのが残念でした。

ぼく部屋に参加している学生もちょっと変わっているのですがそれに輪をかけてたような学生さんも多かったような気もします。

薄汚れていない学生さんと研究について語るのは自分が自分の原点に立ち戻るきっかけを得るためにもよい機会でした。

最後に追加した項目-412


オリンピック、陸上400mリレーの銀メダル

すごいです。

ぼく的にはこのオリンピック最大の出来事だと思っています。 どこかがバトンを落としたとかの結果でなくガチで銀メダル。 よくぞあの4人を揃えたなと。

このNYTの記事では”Japan was the surprise winner of the silver medal“と書かれていました。

技術的な問題はさておきとにかく速く走らなければ無理っていう種目で最後はボルトの真横を走っていたわけで素晴らしいとしかいいようがありません。 東京オリンピックでは9秒台の選手4人揃えて頂点を狙って欲しいです。 このためなら10億円位投入してもいいのではないかと。

雑誌New Yorkerでは今回のオリンピックのいろんな出来事をネタにしたエッセーを掲載し続けています。

です。

その中から一つだけ紹介します。

THE BEAUTY OF SHAUNAE MILLER’S UGLY DIVE IN RIO

女子の400m走のゴールでSHAUNAE MILLERがゴールラインに向かってダイブして一着でゴールしてそのゴール自体はルール違反ではないのだが当然に如く様々な波紋を呼んでいる訳です。

このessayは、この行為が「美しいか」どうかという観点で考察したものです。

New York Timesでも解説されています(参照)。

村上春樹氏に「シドニー!」という本があります。

「村上春樹の極私的オリンピック、シドニーの23日間」、です。

2001年に出版されたのですがぼくはこれをニューヨークの紀伊国屋で買いました。

文春文庫では二分冊になって現在でも買って読むことができます。 「シドニー! (コアラ純情篇) 」「シドニー! (ワラビー熱血篇)

文字びっしりです。

この本、1996年7月28日 アトランタ、2000年6月18日広島ーシドニーの23日間ー 2000年10月20徳島、2000年11月5日 ニューヨーク という構成となっています。

1996年7月28日 アトランタ、2000年11月5日 ニューヨークはマラソンの有森裕子さん(シドニーオリンピックには出なかった)、2000年6月18日広島、2000年10月20徳島は同じくマラソンの犬伏孝之さん(シドニーオリンピックに出場して途中棄権した)についての文章です。 時間がなくともここだけでも読む価値があると思います。

以下は、2000年11月5日 ニューヨークの章の最後の方の文章です。

言うまでもないことだけど、この日常の中で、ぼくらは地べたにへばりついて生きていかなくてはならない。明日、明日、そしてまた明日。僕らは戦い続け、ある場合には途方に暮れる。でも一つだけ確かなことがある。もし競技者が闘争心を失ったらそれは闘うのをやめることなのだ。

そういう意味では、オリンピック・ゲームは僕らにとってのひとつの大がかりなメタファーなのだ、と言うことも可能なのかもしれない。もし僕らがこのメタファーと現実とのつながりを、世界のどこかに見つけることができるなら、言い換えればその巨大な風船を地べたにつなぎ止めることができたなら、それはおそらく価値のあることになるだろう。でももしそのメタファーが、もうひとつ別のメタファーとしか連結しれないとしたら、つまりひとつの風船が別の風船としかむすびついていないとしたら、僕らはどこにも行けない。僕らがたどり着く先は、おそらくは奇妙なかたちをしたメディアのテーマパークだ。

スポーツ選手にとってのスポーツは研究者にとっての研究と置き換えて考える事ができます。

又吉直吉の「リオデジャネイロ!」とか出たらおもしろそうです。

最後に追加した項目-356

【追記】

「シドニー!」読み切りました。

でも一つだけ認めなくてはいけないことがあります。ある種の純粋な感動は、限りのない退屈さの連続の中からこそー麻痺性の中からこそー生まれてくるのだということです。

しかしそれでもなお、僕はときどきはっと我に返って思うのです。ぼくはほんとうにこんなところでいったい何をしているのだろうか? 何をしているかって? そう、いつもの人生をおくっているだけです。僕自身の、それなりにクオリティーの高い退屈さを、そこにかさねあわせるようにして。Business as usual…..

研究が楽しいというひとの気が知れません。研究って95%は苦しさと退屈さでできていると思います。

アメリカのlabにいたときも一緒にやっていたポスドクのコナー君はプレッシャに耐えきれず登校拒否となり仕方ないのでぼくが三週間実験を全部担当しました。ほんと今回の石川佳純さんみたいな感じで…

一度に融合タンパクの為に20コンストラクトくらいのplasmidの切り貼りをして蛋白質をつくり、ラベルする。夕方オートらをはじめて朝の7時くらいにそれを開けて現像。バンドがあることを確認して一安心。GLSの出勤を待ってデーター検討(labの最重要projectになっていた)を毎日繰り返す感じ。ほとんどーしかしこれは全てではないーうまくいくのだがーデータが取れて白黒ハッキリすると言う意味ですーコケるとやり直し。これがウザい。

今回、愛ちゃんが「(再び声を詰まらせながら)とても、本当に苦しい、苦しいオリンピックでした」と話したそんな気持ちです。

三週間後コナーくんが出てきたときにはGLSさんが論文を書き上げていました。

 


症例報告

今年の3月まで一緒に麻酔をしていた西本先生の症例報告が出版されました。

Accidental administration of the remifentanil formulation Ultiva™ into the epidural space and the complete time course of its consequences: a case report

JA Clinical Reports, 2(1), 1-3

Open Accessですから誰でも全文を読むことができます。

手術室で使う麻薬(remifentanil)製剤Ultiva™を誤って静脈内でなく硬膜外腔に投与してしまったのですが、その最初から最後までをつぶさに記述した報告です。 臨床的な意義はかなり高いと思います。


Natureにある論文が出ていました。

大変興味深い報告です。この方向性で臨床で使える薬剤ができれば麻酔が確実に変わります。


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