「統合牧場」という発明

On 2011/11/22 火曜日, in Thus Spoke Dr. Hypoxia, by bodyhacker

To Do Listには短期的なものと長期的なものがあります。両方をiPhoneとかMacで感知しているわけですが,短期的なリストがさっき空になりました。喜ぶべき事なのですが長期的な本当に自分にとって価値があると思っている事にはなかなか取り組んでいけません。
明日も日当直です。お呼びが掛かるかもしれないという状況で集中できないのはぼくの問題なのだろと思います。

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御大が

ところで今年はずいぶん論文がでています。
そういえば論文書きばっかりに日々を送ってきました。すんなり簡単にいったのは一つもありませんでした。
いまメモをみたら研究室からでたのが8報もありました。さらに他のラボの共同研究のが二つあります。Aさんのも今年中にでれば合計11でわたくしも今年はひたする論文刊行に頑張った年でした。
この沖縄大学院大学のありさまについてのキャンペーンなどは、それに較べればほとんど1%程度の時間しか取っていません。
論文書きの時間の取られ方は、ほんとにハンパでありません。
よほど好きでなければこの難行苦行の論文書きの世界には入るものではありません。

研究はこんなに楽しいのに、公表がこんなに苦しくなったのはいったいいつからか、やはり米国が世界の研究の主導権を完全に握った1980年代くらいからでしょうか。

ような感想を述べられています

ぼくもブログ書きなど大体15分で気合いを入れても30分くらいで後の時間はほとんど”他人”ための仕事をしています。

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昨日の夕方セミナーにでました。

講師は大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 ライフサイエンス統合データベースセンター坊農秀雅さんでお題は「データベース統合による知の巡りのよい医学研究に向けたライフサイエンス統合データベースセンターにおける人材育成活動」でした。
こじんまりとしたセミナーでしたがぼくには結構楽しめました。
前半のお仕事の話は50%位しかついていけませんでしたが後半の「統合牧場」の話はとても示唆に富む話でした。
このリストのリサーチアシスタントの方々が牧場で放牧されている動物になぞらえれているのですがなかかな大した人たちなんです。
医学部の臨床の教室にこのような人たちを呼び込めれば3年で麻酔の世界を変える自信があります。(アイデアは秘密ですけど)

聴衆には本庶先生もいらしたしこの前の麻酔科の授業で最前列で聞いてくれていた医学部の学生さんもいました。
坊農さんとは長いつきあいですが”牧場”の話を聞いたのは初めてでした。”牧場”は一種の発明だと思いました。

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「きなこもち」最近よく食べています

Archives of Surgeryにこんな論文が出ています。
The Relationship Between Body Mass Index and 30-Day Mortality Risk, by Principal Surgical Procedure

Arch Surg. Published online November 21, 2011. doi:10.1001/archsurg.2011.310

183のsiteのかなりバリエションのある手術を受けた患者(なんと189533人!)の30日以内の死亡率をBMIで5つの層化した患者群で比較すると
Quintile 1(<23.1): 2.8%, Quintile 2(23.1<26.3): 1.8%, Quintile 3(26.3<29.7):1.5%, Quintile 4(29.7<35.3):1.4%, Quintile 5(>35.3) 1.0%となったことから” Weight Appears to Be Inversely Related to Death Risk Following Surgery”というような結果となるということのようです。
いろんな議論はあると思いますがとにかくこれから参照される論文になると思います。

PNASの
Truncated G protein-coupled mu opioid receptor MOR-1 splice variants are targets for highly potent opioid analgesics lacking side effects

PNAS 10.1073/pnas.1115231108

にもたまげました。副作用のない”麻薬”の話です。

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医歯薬出版から刊行されている「医学のあゆみ」という週刊誌があります。
先週今週の二回に分けて「研究留学──Ten years after」というタイトルの座談会が掲載されています。慶応大学の門川俊明先生,三重大学の島岡 要先生とぼくで夏に京都で行った座談会を収録したものです。そもそも門川さんが執筆・編集した「研究留学」という本の出版10年を記念した座談会だったのですがその枠を越えたものになりました。
結構好き勝手なことを話したのですが無難にまとめていただいた医歯薬出版の編集者の岩永さんに感謝します。
大抵の病院の医局にある雑誌だと思います。読んでみてください。


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日当直です。

某移植があるという電話もなく快調に仕事をしていたら緊急手術が来ました。このパターンだと夕ご飯くらいにもう一件くらい小児外科の手術があり終わりかけると心臓外科で朝までの悪い予感がします。

「研究留学術―研究者のためのアメリカ留学ガイド」
という本があります。門川 俊明さんが,2002年に出版されて現在でも売れ続けてロングセラーとなっている本です。
留学先の探し方からビザの取得現地での生活の立ち上げまで解説した前半と実際の留学体験記の後半に分かれた本です。(参照)後半の体験記の一部分をぼくも担当させていただきました。
2002年の夏の出版ということですのでかれこれ10年近く生きながらえてきたわけです。
この冬に増補版の出版の予定があり”増補”部分のために,昨日南禅寺近くの料理屋さんで研究留学をテーマにした鼎談が企画されてぼくも参加しました。

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東京から「研究留学術」の著者で慶応大学の著者の門川さん,津から三重大学の島岡要さんとぼくの三人です。
門川さんのブログエントリーから概要を知ることができます。
かなり調子に乗って好き勝手に話してしまいました。すみません。でも久々に刺激的な時間を過ごせました。
やってみようかなと思っていた事への取り組みへ向けて背中を押してもらったような気もします。

よかったです。ホストしていただいた医歯薬出版の担当者の岩永さんありがとうございました。

鴨川を久しぶりに歩いてアパートに帰りました。かなり涼しく気分的にもとても気持ちのよい夜でした。昨日の月は殆ど望月だと見えましたが調べると今日が満月です。

ぼくは1999年の8/22に米国に旅立ちました。すごく暑かったという事を覚えています。休職は8/16付けでしたので本当はこの日付で日本を離れる必要があったのですが一週間ズルしました。
途中2001年の10月頃に就職の面接に一回帰国しましたが二年半Baltimoreにいて2002年の2/15に帰国しました。
特につらいこともなく現在でもよい思い出しかありません。

ぼくは基礎研究しかしたことがないので「MDが基礎研究をすることには一定の意義がある」と強弁するしかありません。

何でもよいので”よい研究”をしろという師の言葉をそのまま真に受けてやってきたことです。悔いが残ったとかそういった気持ちはまったくありません。留学を含めた研究生活では,ぼくの能力を考えれば麻酔をしながらなしえた最大限の成果が上がったと満足しています。運がよかったのです。これ以上はできません,ムリです。
評価は,後世とか他人の判断に委ねるしかありません。
留学も研究成果を上げるだけが目的では無いと思います。長期的な視野に立つといろんなよい点が後になって見つかってくるかもしれません。

さて近年では臨床で留学または海外に職場を求める医師が増えています。
このような”留学”については今回の鼎談の範囲外です。でもこのような臨床留学でも「研究留学術―研究者のためのアメリカ留学ガイド」 が通用する局面は多いと思います。

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最後にセミナーのPRです。

だいぶ毛色の変わった度肝を抜かれるようなセミナーになるのではないかとの期待が高まってきました。
平日の夕方ですがどんどん参加してください。

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京都大学医学研究科では大学院共通教育コースの一環として以下の要領で三重大学教授の島岡要先生のセミナーを開催します。

島岡先生は大阪大学を卒業後,麻酔科医としてのキャリアをはじめられましたが留学を機に基礎研究の分野に進まれHarvard大学で研究室を運営してこられました。現在は,帰国されて三重大学で分子病態学講座を主宰されております。

先生は,「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」などの著者として若い基礎研究者の間で大変な支持を得ておられます。
特に「ハーバードでも通用した研究者の英語術」は英語に限らず研究成果をアウトプットしようとする者が一度は読んでおくべき本だとぼくは考えています。

今回無理を申し上げて京大キャリアアップセミナーでのご講演をお願いしました。

予約などは必要ありませんので,当日でも聴講可能です。
また参加者は京都大学医学研究科に在籍している必要はありません。

タイトル:「医師・研究者のキャリアについて語ろう」
日:2011年8月26日(金)
時刻:17:00
時間:1時間
場所:基礎第一講堂 (京大医学研究科構内)
主催:京都大学大学院 医学研究科

やるべきことが見えてくる研究者の仕事術―プロフェッショナル根性論

ハーバードでも通用した研究者の英語術―ひとりで学べる英文ライティング・スキル


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