Semenza博士の講演会を関西医科大学で開催しました
癌学会をきっかけに来日しているJohns Hopkins UniversityのSemenza博士の講演会を木曜日(2019/9/26)に関西医科大学で開催しました。
金曜日には、癌学会の名誉会員に推戴されたとのことです。
関西医科大学での講演のタイトルは
Advice for a young scientist
彼の研究成果の講演を聴いたことのある人は結構たくさんいると思いますがタイトル”Advice for a young scientist”で講演を聞いたことのある人は少ないと思います。
他の施設でのセミナーとか講演と「差」を付けようと思ってこんなタイトルでお願いしました。
関西医科大学での講演に合わせて構成されたオリジナルバージョンで講演をしていただきました。
最初頼んだ時は「えっ」て感じの反応のmailが返ってきて別のタイトルを提示されたのですが、結局フタを開けてみたらAdvice for a young scientistそのまんまの講演を40分くらいにわたって熱弁してくれました。
まとめて聞いたのはぼくも初めてでしたが、彼が常々語っていたことと大きな違いはありませんでした。
時々こんな感じの昔話とかエピソードを教訓として語ることはぼくが彼のラボにいた時もありました。
このような講演をするのは彼にとってももちろん異例で本人もそれを認めていましたが、後で彼に「リクエストされたらなんぼでも話すよ」と言われました。If you ask for help, you will get it.
講演は彼がHIF-1のcloningに至った過程について実体験のエピソードを交えて
- Search and research
- A good mentor (or 2 or 3) matters
- Have a plan
- Embrace serendipity
- If you ask for help, you will get it
- If you don’t ask for help, you won’t get it
- Examine primary data from “failed” experiments
- Technical courage and collaboration
- What is science ?
- The best job in the world
このようなlessonsが挿入されていく感じで進行していきました。
Serendipity, Generosity, and Inspiration の内容をなぞる感じのものだったのですが、そもそもこのessayを拡張して話して欲しいとぼくがお願いしていていましたのでリクエストに応えてくれたのだと思います。
ぼくが彼のラボに在籍中の仕事もいくつか紹介してもらってあの当時の事を思い出しました。
一方、最近の彼の研究テーマであるがん、免疫関連のトピックスは全く出てきませんでした。癌学会とか京大のセミナーではそれが主題だったと思います。
医科大学の大学院生への講演として最高のものだったと思いました。
What is science? では
Science is truth
Science is beauty
Science is sacred
とまで言い切っていました。
最後は You are where I once was I am where you will someday be
というメッセージで締めくくられてました。 まさに文字通り”Advice for a young scientist”
関西医科大学の大学院には外国からの留学生も結構の数いるのですが今回は大満足だったようです。普段のセミナーとか講義は日本語なので彼ら彼女らにとっては内容がくみ取りにくい訳です。
講演の後、Semenza研にかつて在籍したメンバーとその縁の人で食事会をしました。 研究の一線からは退いて臨床をされている人とは研究関連で袖すり合う機会もなくてほんと久々の再開というかんじでした。ぼくにとっては同時期にSemenza研に在籍していた福田亮先生との再会がうれしかったですというかこれが主目的でした。
彼に会うときはいつも緊張します。必ずちゃんと研究をしているのか、臨床をし過ぎていないのかと聞かれます。今回も聞かれました。
末松先生の話題が出ました。
その時にGreggに指摘されたのですがぼくと彼が初めてしゃべったのは慶應大学の生化学教室の教授がまだ石村先生の時代に、坂口さんという慶應大学ご出身の事業家が50億円くらいを慶應大学に寄付されてその関連で行われた国際学会でした。
末松先生はまだ助教授で会を実質的に運営されていました。
すごく気前のよい学会で何から何まで(交通費、滞在費、食費まで)会の負担の会でした。歌舞伎鑑賞もついていました。
慶應大学の三田キャンパスのカフェテリアで Greggと一緒に食事をしたのですがその時食べた「そば」の事まで覚えておられました。あの会は、ぼくの研究だけでなく人生の文字通りの分岐点になった出来事でした。
あの会に出なかったらSemenza labに加入する事はなく今みたいな研究生活を送ってもいなかったと思います。でももっとお金持ちになっていたと思います。
末松先生もGreggと結構長いお付き合いだと思います。Greggが数年前来日した折り、関空に予定通りに到着できずに成田に降りるはめになり末松先生に迎えにいっていただき東京でのホテル、翌日の新幹線もアレンジしていただいた事を思い出しました。東京駅から新幹線に乗せたよとご連絡をいただきました。
考えたらぼくもすごい事してしまったなと。
現在は彼のラボは、日本人のポスドクはいないとの事ですがそもそもアプリケーションがないとのこと。
ところでGLSさんのMacBook ProはUSB-Cじゃありませんでした。GLSさんの研究室にはMacSE/30が飾ってあります。初めてのRO1 grantを獲得したときに使っていたMacなのだそうです。 結構物持ちがいいのです。
永年の宿願だったので、やり残した事を一つ成し遂げることができて大満足の一日でした。
第16回がんとハイポキシア研究会
第16回がんとハイポキシア研究会が昨日から幕張で開かれています。
京葉線に生まれて初めて乗ってディズニーランドを見ました。
もうすぐ始まります#cancer_hypoxia2018
— がんとハイポキシア研究会 (@cancer_hypoxia)
今回は千葉がんセンターの竹永 啓三先生に世話人をお願いました。
先生のお考えで初日のシンポジウムはテーマ「腫瘍内で暗躍する細胞たち」
CAFとTAMを中心とした講演を5題に加えてセミナーを二題の合計7題の講演が行われて活発な討論が行われました。
初日の参加者は100名を超えていたはずで盛会でした。
二日目はポスター発表が行われます。画鋲が足りなくなるなどのアクシデントに見舞われたのですがなんとか全ポスターも貼りだし完了です。
いつまでやっているんだという声もある中で、来年もやる事が決まりました。
第17回がんとハイポキシア研究会は大阪市立大学の冨田修平先生を世話人として大阪で開催です。
ところで昨年いわゆる赤ワイン騒動がおこったのですが昨日の二次会で下手人があがりました。
関西医科大学大学院企画セミナー
先週の水曜日(2018/10/31)東北大学の山本雅之先生を職場にお招きしてセミナーをしていただきました(参照1, 参照2)
数年前に分子生物学会か生化学会かの居りポスター会場で15分ほどお話しした以来でした。
先生が機構長をされている東北メディカル・メガバンクのお話もお聞きすることもできてぼくも大満足でした。
ありがとうございました。
ケルト人にとってはハローウィンが終わると冬なのだそうですが、ここ数日確かに寒いです。
さて昨日(2018/10/28)職場のワンダーフォゲル部の皆さん(16人!)と山歩きをしました。
コースとタイムは以下の通りです。
- 阪急王子公園駅:集合 9:30 出発9:42
- 摩耶橋-六甲観光茶園-行者茶屋跡-摩耶山史跡公園山門下11:30-摩耶山頂三角点 11:57
- 掬星台: 12:00到着 13:00発
- アゴニー坂ー穂高湖 13:45-シェール道ー桜谷分岐-植物園東門 15:00-河童橋トウェンティークロス 15:40
- ハーブ園山頂 17:15着 18:00発
- ロープウェイ-ハーブ園山麓 18:10
- 三宮 :解散 18:30
ぼくの記録では15.6 kmを休憩時間込みで8h50minの山行でした。
以下雑感です。
前半、掬星台を目指す経路で摩耶山史跡公園山門下あたりから急参道の石段が急すぎてその時点で脚が死にました。
穂高湖
何でこんな所に湖がと思ったのですが穂高湖は人工湖(池?)なのですね。wikipediaによれば「森林と一体化しているような風情があって上高地の大正池に似ているところから命名された」らしいです (出典)。
シェールとは
シェールって何だよと思いました。六甲開発期にドイツ人のシェール氏が好んでここを歩いたことに因んでなずけられたようです。
トウェンティークロス(Twenty Cross)/河童橋
トウェンティークロスも妙な名前なのですが漢字では「二十渡渉」と書くのだそうで川を左右に20回渡る事からこの名前が付けられているとのことでした(出典)。
確かに何度も川を渡りました。
植物園東門から河童橋までが鬼門でした。
7月の大雨で大規模な崩落が起こり修復されていませんでした。距離は短く注意して通り抜けることはできました。
河童橋についた時点で15:40。新神戸までを歩くと完全に日没後となることが予想されたのでロープウェイのハーブ園山頂を目指してそこからロープウェイで下山としました。
ハーブ園山頂までがきつかったです。標高差200mくらいを戻すための登りで筋力のないぼくは「もう無理だぜ」寸前でした。
途中同じ道を下っているお兄さんと遭遇したので登りどれくらいですかと尋ねたら結構ですよとのこと。ぼくは5分くらいという答えを期待していたのですが… 一気に奈落の底につき落とされました。
ハーブ園山頂
17:15くらいにハーブ園山頂につくとカップルだらけの別世界でした。
少し待つと真っ暗になって夜景が綺麗でした。
今までの山行より長くてかなり疲れました。
息子、娘と同年代というより歳下の皆さんと歩けて楽しかったです。また誘ってくださいませ。