大学院生の楠先生の論文が公刊されました

大学院生の楠先生の論文が公刊されました。

Kusunoki M, Hayashi M, Shoji T, Uba T, Tanaka H, Sumi C, Matsuo Y, Hirota K. 2019.

Propofol inhibits stromatoxin-1-sensitive voltage-dependent K+ channels in pancreatic β-cells and enhances insulin secretion.

PeerJ 7:e8157

http://doi.org/10.7717/peerj.8157

 

Figureが8つあってsupplementary figureも8つある大作です。

dataが多すぎて麻酔の専門誌では載せてくれるところがありません。


大学院生の正司先生の論文がScientific Reportsにアクセプトされました

大学院生の正司先生の論文がScientific Reportsにアクセプトされました。

polysulfideがインスリンの分泌に及ぼす影響を解析した研究結果です。

こっちもfigureが8つあってsupplementary figureも8つあります。


低酸素遺伝子応答のメタアナリシスの結果をbioRxivに発表しました

低酸素遺伝子応答のメタアナリシスの結果をbioRxivに発表しました。

DBCLSの坊農さんとの共著です。

Meta-analysis of hypoxic transcriptomes from public databases doi: https://doi.org/10.1101/267310


共著論文がアクセプトされました

共著論文がアクセプトされたのですが詳細はここでは発表しません。


本の紹介

実験医学別冊 RNA-Seqデータ解析 WETラボのための鉄板レシピ

今時RNA-Seqは誰でもすなる研究手法でweb上でも出版物でもどこでも見掛けます。

それ故無数の微妙に異なる方法が並立して初学者には一体どれを使えばいいのか迷ってしまう問題があります。

遺伝子の発現解析に限ればこの本をまず通読すると見通しがすごくよくなると思います。

“COLUMN”の内容も有用です。

Chapter7は1細胞RNA-Seqがテーマとなっている章ですが、「多数のサンプル間の類似度を比較する」という考え方はconventinalなRNA-Seqでも必要な考え方でありこれらが学べます。

一家に一冊そろえて通読すべき本だと思います。

ぼくらの論文のdataも教材として取り上げられています。

9784758122436

 

  • Chapter1 まずはこれだけ!解析環境を整える〜Mac+Biocondaを中心に【安水良明】
  • Chapter2 データを入手する
  • (1)RNA-Seqの注意点〜外注時のリード数,小分子・長分子での違いなど【木本舞】
  • COLUMN RNA-Seq vs マイクロアレイ【石井善幸】
  • (2)公共データの利用〜AOEとRefEx,SRAデータ取得,メタ解析【坊農秀雅】
  • Chapter3 転写産物の発現を定量する
  • (1)リファレンスゲノムにマッピングする方法①〜HISAT2 + StringTie【安藤美波,粕川雄也】
  • (2)リファレンスゲノムにマッピングする方法②〜STAR + RSEM【上樂明也】
  • COLUMN Strand NGS〜RNA-SeqデータをGUIで解析する【田中英夫】
  • (3)リファレンスゲノムにマッピングしない方法〜salmon,kallisto,tximport & RNA-Seq定量にまつわるFAQ【露﨑弘毅】
  • (4)転写開始点を解析する方法〜CAGE【森岡勝樹】
  • COLUMN 各種ツールの実行時間比較【丹下正一朗】
  • Chapter4 リファレンスゲノムのない生物でde novo解析を行う【横井翔】
  • Chapter5 発現変動遺伝子群を検出する【門田幸二】
  • Chapter6 サンプル間の発現変動した遺伝子群の機能を推定する〜エンリッチメント解析【仲里猛留】
  • COLUMN Ingenuity Pathway Analysis〜発現プロファイルの生物学的意義をGUIで解析する【執筆/Stuart Tugendreich,Jean-Noel Billaud,訳/國田竜太】
  • COLUMN アノテーション情報とID変換〜Gene Ontology,BioMart,Spotfire【坊農秀雅】
  • Chapter7 多数のサンプル間の類似度を比較する〜1細胞RNA-Seqの場合
  • (1)次元削減と可視化【佐藤建太,二階堂愛】
  • (2)類似度の計算とクラスタリング【佐藤建太,二階堂愛】
  • COLUMN 1細胞RNA-Seq解析の動向【佐藤建太,二階堂愛】
  • Chapter8 リードカウント以降の統合解析をウェブブラウザで行う〜iDEP【上坂一馬】
  • Chapter9 論文投稿に必須!データを登録・公開する〜DRA,GEA【児玉悠一】
  • COLUMN 解析結果を論文発表する際にはここに気をつけよう【坊農秀雅】

 

「次世代シークエンサーDRY解析教本 改訂第2版 」

岩手医科大学 いわて東北メディカル・メガバンク機構 生体情報解析部門の清水厚志さんとライフサイエンス統合データベースセンターの坊農秀雅さんが編集した「次世代シークエンサーDRY解析教本」の改定第2版「次世代シークエンサーDRY解析教本 改訂第2版 」が分子生物学会で先行販売されています。

ぼくも一部担当させて頂きました。

51gYmEONRnL SX382 BO1 204 203 200 1


PDF

論文が出版されました

On 2013/12/1 日曜日, in Thus Spoke Dr. Hypoxia, by bodyhacker

東北大学から京大麻酔科のぼくの研究室でこの3月まで丸三年過ごされた鈴木さんの論文がPeerJで出版されました。

“Differential roles of prostaglandin E-type receptors in activation of hypoxia-inducible factor 1 by prostaglandin E1 in vascular-derived cells under non-hypoxic conditions”

この雑誌は比較的に新しく創刊されたon line journalですが”Nature”などでも紹介されていたということもあり今回submitしてみました。(参照)

reviewのやりとりも結構気持ちのいいものでした。結局20ページの大論文になりました。

もちろんopen accessです。

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「医学的根拠とは何か」を読みました。

あとがきで明確に述べられていますが以前に紹介した同じ著者による「医学と仮説」とかなり内容が重複しています。その他著者の津田氏が雑誌に発表した文章なども重複して掲載されています。

「医学・医療の「根拠」についての世界での標準的な考え方とは何か、そしてなぜ日本ではそのように専門家が誤ってしまうのか」が語られていると言うことですがもちろん著者の主張が全て正しいというわけではない、とぼくは考えています。

「医学的根拠」として何に重きを置くかで医者をまず三つのグループに分類します。

  • 直感派
  • メカニズム派
  • 数量化派

です。

そして医学的根拠として最も正当なものは数量的な根拠であると述べてその優位性を強調して,直感的、メカニズムに基づく旧いタイプの医学的根拠を斬っていくという形式となっています。

その上で、現代医学の柱は「数量化」でありその「対象は人」であるべきと断言します。

一種の近代医学批判となっていてその観点から読めば大変得るところの多い岩波新書となっています。

とはいえネットにはこのような批判はいくらでも発見できます。(参照

著者が述べるように例えば米国の一流の医学雑誌に掲載される原著論文はほとんどが「統計学を駆使した臨床研究」です。これは臨床系の医学雑誌だからそうなのであって例えばNature Medicineなどの基礎系医学雑誌は今もっていわゆるメカニズム派の牙城となっています。遺伝子改変マウスを縦横に駆使した実験的な論文が(いまや細胞を用いた解析だけではなかなかこのような雑誌に論文が載ることはないのですが)主流を占めています。新聞などで報道されるほとんどの研究成果はこのような疾患のメカニズムまたそれを基に治療への可能性を論じた論文です。例えば線虫をもちいた研究で人の疾患が克服されるかのような報道が往々にしてなされます。

しかし臨床系医学雑誌といえども統計学を駆使した臨床研究ばかりを掲載しているわけではありませんしむしろそれ以上に重きを置かれている分野があるように思えます。

ちょうど最近読んだJAMA Internal Medicine誌からいくつか選んでみます。

“Known Unknowns and Unknown Unknowns at the Point of Care”

“Improving Quality Improvement for Cardiopulmonary Resuscitation”

“Differential Effectiveness of Placebo Treatments: A Systematic Review of Migraine Prophylaxis”

のようなタイトルの論文や解説が並んでいます。

蓄積された医学知識(その一部はいわゆる”evidence”と呼ばれるものです)をどう臨床現場で適応していくのかとか、医療における人間関係(医師-患者、医師-他の医療従事者また医師ー医師というような組み合わせ)に着目した論文や総説の数がどんどん増えていっています。 “Improving Quality Improvement for Cardiopulmonary Resuscitation”は医学的に効果的なCPRの方法を論じたものではなく誰にどのようにCPRを施すこと(CPRをしないという選択も含めて)がquality improvementにとって効果的であるのかということを論じたものです。

さらに医療の関わる知識はすり減っていったり突然にちゃぶ台返し(medical reversal)を受けたりする儚いものです。(参照)

その1例がJAMA Internal Medicine誌にも掲載されている周術期におけるβ-blocker使用の効用についての論争です。 (“Perioperative β-Blockers Revisited Good for What Ails You?”)

虚血性心疾患をもつ患者が外科手術を受ける際にβ-blockerを服用させることが患者にとって有益かどうかという問題なのですがが一見こんな「単純」な問題に、明快な答えが得られないのです。

9つの臨床研究(対象患者数は10529)のメタアナリシスによれば周術期のβ-blockerの使用は手術後30日以内の患者の死亡率を上げると結論つけられている(risk factor 1.27, 95% CI, 1.01-1.60)のですが同じ年に発表された「37805人の患者を対象としたレトロスペクティブ解析」では一見逆の結果(RR 0.73, CI, 0.65-0.83)となっているのです。 よく読むとまったく結果は正反対とは言えないのですがここまで読み込んで咀嚼しないといけないとすれば臨床の現場に対しての強いメッセージとはなり得ません。

そもそもβ-blockerの使用は有効と考えられていた時代でも

  • どんな患者に

  • どの種類のβ-blockerを

  • いつからいつまで
  • どれだけ

投与するかなどが曖昧だったのです。

このためガイドラインもばらばらで多くの麻酔科医の間ではその詳細はneglectして”β-blockerの投与で良いことが起こるのだ”というメッセージがだけが一人歩きをしているというのが現状です。

つまり数量派こそが医学の王道だと断言されても実際の医療現場はそう単純ではないということです。

またEBMにはこんな問題も存在します。

“EBM’s Six Dangerous Words”

ある医療的な行為が患者にとって有効であると主張する為には何らかの”evidenceが必要である”という主張が正しいとします。 しかしだからといって”evidenceの無い医療行為”が無効だとか有害だという結論を導くことはできないのですが(つまり“absence of evidence is not evidence of absence”なのですが)往々にして”There is no evidence to suggest”という言い方(これがEBM’s Six Dangerous Wordsです)でくくられてしまい“absence of evidence is evidence of absence”と判断されてしまう場合があります。 数量派の研修医が直感派の指導医をやり込めるときの典型的な構図です。

“There is no evidence to suggest”という表現には少なくとも以下の4種類の意味があるのでそれを使い分けないといけないと主張しています。

(1) “scientific evidence is inconclusive, and we don’t know what is best” (corresponding to USPSTF grade I with uninformative Bayesian prior)

(2) “scientific evidence is inconclusive, but my experience or other knowledge suggests ‘X’” (corresponding to USPSTF grade I with informative Bayesian prior suggesting “X”)

(3) “this has been proven to have no benefit (corresponding USPSTF grade D)

(4) “this is a close call, with risks exceeding benefits for some patients but not for others” (corresponding to USPSTF grade C).

ちなみにUSPSTFというのはU.S. Preventive Services Task Forceのことでgradeはこの組織の定義によります。(参照)

このように現代医学には数量化を突き抜けた諸問題が満載であり「ビッグデータを手元のPCで解析すれば」全て解決という訳にはいきません。

さらにいくら統計学を駆使した研究でも元になるデータを不正に操作されたのではどうしようもありません。今年大騒ぎされたある降圧薬をめぐる一連の「事件」は統計学者の不足という問題ではなく日本の医学研究が抱えるもっと奥の深い問題の現れだとぼくは思っています。 困った事ですけど、巧妙なデータ操作はどのような状況下でもいくらでもできてしまいます。

と書いてきましたがぼくも「医学的根拠とは何か」の主張には大賛成です。

近藤誠氏の新作「がんもどき」で早死にする人、「本物のがん」で長生きする人を読んでみました。 従来の主張と特に異なるところはないと思いますが主張はより先鋭化しているともいえます。 近藤氏の主張の9割は「正しく」とも 治療選択にあたって患者に覚悟を求めるかのような挑発的な言説が一部で圧倒的な批判を呼び起こしているのだと思います。

驚くことに近藤派と半近藤派両陣営ともEBMを唱導しているのです。 近藤氏はEBMをがん治療に応用して「闘うがん治療」を批判して、反近藤派もEBMに寄って「近藤理論」を非難しているのです。

このような意見表明がなされています。(Overdiagnosis and Overtreatment in Cancer)

The word “cancer” often invokes the specter of an inexorably lethal process; however, cancers are heterogeneous and can follow multiple paths, not all of which progress to metastases and death, and include indolent disease that causes no harm during the patient’s lifetime.

近藤氏もこの論文を引用しています。しかしこれは近藤氏の「理論」をサポートするのものではないと思います。

 

「乳がん」。 おそらく健康政策の現場ではこのようなissueが重視されているのです。 (参照1, 参照2)

これをご覧いただくと解るように国別で乳がんの死亡率が大きく異なります。患者の背景、社会の背景を反映しているのだと思いますがここに予防・治療の糸口があるのだと思います。

小学校で英語を教えるのも良いですが、自分の健康管理についての知恵をき無教育から授けていくようなカリキュラムを作ってもらいたいと思います。 そうすれば日本は今の医者を含めた医療従事者で十分やっていけると思います。

 

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夢のコラボ


土曜日は日当直でした。 寒くなると血管破綻系の疾患が増えます。 「頼れる病院」が救急外来を開いていると時に収集がつかなくなりかけるくらい患者さんがきます。

 

よく研究に命をかけているという研究者がいますがこれはウソです。基礎研究がうまくいかないくらいで人は死んだりしません。掛かっているのは精々研究者自身の食い扶持程度です。

一方、手術室での医療行為は文字通りに命が掛かっています。これは誇張でもなんでもなく単なる事実です。こういう状況では使える医学的根拠は全て動員してことにあたることになります。

 

結果として

スケジュールをたてて満足しているようだが、原稿は全く進んでいない。原稿をしろ。 

ぼくは仕事だ。Hirota, K.も原稿をしろ。

と言われてしまうことがあります。

 

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 病棟から枚方大橋が見えます

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家内と梅田で合流して昼からビールを飲んで焼き肉食べました。

 


PDF

PLoS OneとPeerJに立て続けに論文がアクセプトされて一息つきました。 いくつかばらまいてあるものが年内に何とかなることを祈っています。

最近は広く皆に読んでもらえるならどの雑誌でもいいという程度の「悟り」というか「諦観」を身につけました。 やりたいことを自分の身の丈で継続できるという環境は素晴らしいと思っています。

 

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こういうon-line journalは分量の制約がゆるいまたはないのでいっぱいデータを持っている場合全部突っ込めるのですごくありがたいです。

PeerJは始まったばかりですがPLoS Oneに至っては日本ではこれでプレスリリースを行う研究者や新聞が取り上げたりもして実際にあのImpact Factorも予想に反して結構高めとなってきています。 さまざまなMetricのtoolもあって自分たちの論文がどれくらいの反響があるのかもある程度リアルタイムにつかむことができて大変助かっています。

未来永劫とはいえないけどここ数年の流れになっていくと思っています。

 

雑誌の従来の「権威」で個々の論文の信憑性が担保されるというような考えは昨今の状況を考慮すればすでにタダの「幻想」となっていると思います。基礎的な論文であっても臨床の論文のようなmeta-analysis的なものをかいくぐって初めて真正性が認められるというような時代がやってくると思います。

論文の追試というのは大それた論文であればあるほど世界中で一斉に始まります。製薬会社などには追試を専門にしている部署があるのではないでしょうか。”Science”誌のエッセイによれば追試できない結果を含んだ論文というのはいわゆる一流誌でもすごい数あるようです。(参照)

柳田先生はブログでこのような辛辣な意見を述べておられます。(参照

論文投稿の研究室が高い名声と信用を勝ち得ていると,論文データ中に捏造データがあるなどと思えないものです。最初から疑いの眼でみることはまずありえません。しかしご承知のとおり夢にも思わなかったような人々が捏造データ作成に手を染めていることがいまやはっきりしてくると、この阪急のケースなども同根の病から生じたものではないか、と思いたくなるのです。

まず関西でいうええかっこし、これが行きつくところまでいくと,内容がない癖にいい方で相手を信用させ騙す。見かけがなによりも大切。つまりNCSとかいう頭文字の雑誌の論文があれば見かけは最高になる、だから生きる目的のすべてがそこに向かう。 次ぎにおかしいことがばれたら、誤りであったと言い抜ける。相手をあざむく気はまったくなかったと言い張る。悪気はまったくなかったし、こういう表現がいけないと言うことも気づかなかった。いつもはとかなんべんかはちゃんとしたものを提供しました、などといいぬける。これも研究の世界ではすぐ使えそうな気がします。

捏造研究の現場も日本は国内トップの研究費の非常に潤沢なところで横行しているのですから、なにか同根の問題があるのでしょう。

つまり国内トップといってもたいしたものではないというところでしょうか。

表面を飾り立てることにきゅうきゅうとしている職場の雰囲気がたぶん同根なのでしょう。

 

こんなことならいっそ査読なんて要らないといことにならんかなと思ってしまいます。 

そもそも研究成果の発表の手段は査読付きの論文として発表するだけに限定された訳ではありません。

数学や物理学にはpreprintを収録するarchiveが存在します。 例えば”arxiv“。 形式上の一定の基準を満たせば査読無しに収録してくれます。 研究者が自由にアクセスできます。

ロシア人数学者グリゴリー・ペレルマンはポアンカレ予想を証明したと主張する論文をプレプリント投稿サイトとして著名なarXivに投稿しその後の検討でこの主張は正しいつまりポアンカレ予想は彼によって証明されたと考えられるようになっています。

すごく健全だと思うのですがどうでしょうか。

 

生物学の領域ではいままでこのようなpreprint serverはなかったのですがPeerJのpreprint serverやCold Spring Harbor Laboratoryが運営する”bioRxiv“などが稼働し始めました。

bioRxiv (pronounced “bio-archive”) is a free online archive and distribution service for unpublished preprints in the life sciences.

Articles are not peer-reviewed, edited, or typeset before being posted online. However, all articles undergo a basic screening process for offensive and/or non-scientific content. No endorsement of an article’s methods, assumptions, conclusions, or scientific quality by Cold Spring Harbor Laboratory is implied by its appearance in bioRxiv. An article may be posted prior to, or concurrently with, submission to a journal but should not be posted if it has already been published.

以上の様な条件があります。つまり、preprint serverに託しておいた研究を査読誌に投稿するというようなことも条件付きでは可能の様です。

Many research journals, including all Cold Spring Harbor Laboratory Press titles (Genome Research, Genes & Development, and Learning & Memory), EMBO Journal, Nature journals, Science, eLife, and all PLOS journals allow posting on preprint servers such as bioRxiv prior to publication.

こう書いてありますから早晩ほとんど全ての査読誌はこういった方向性を受け容れることになるのだと思います。

逆に特徴の無い査読誌は消えてしまうと思います。存在意義がなくなりますよね。

今後どうなっていくか関心があります。

 

PeerJのpreprint serverは臨床医学の症例報告も収録してくれます。実はすでにぼくの分も上げてあります。

症例報告なんて別に査読を受けなくともどんどんこういったpreprint serverに投稿して世界中の人に自由に読んでもらえる方がいいと思います。

こんな症例報告を業績にするつもりもないのですが煩雑なやりとりを強いられたり字数制限を考慮したりするのはこりごりです。

 

以前に書いたことがありますがそもそも論文って「意見広告」なんですよ。 (参照)

査読といっても数人多くの場合は二人くらいの研究者が読むだけです。現在の査読システムには問題が多すぎるのです。 (参照:”Are We Refereeing Ourselves to Death? The Peer-Review System at Its Limit“)

 

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昨日の帰宅時に「キレイゴトぬきの農業論」という本を読みました。 脱サラして農園の経営に飛び込んだ久松達央さんが著者です。

調べてみるといくつかの書評がすでに出ているようです。 例えばここではとてもうまくこの本が紹介されています。

これを医療の世界に適応してみてもなかなか面白い示唆が得られると思います。 普通の医療の世界に「天才」とか「神の手」みたいな人は本来必要ありませんというよりこういう人がいるとたぶんとても迷惑する場合もあります。 医療は普通の人間が普通の論理に従って普通に行う事がもっともうまくいくための方策なのだと思っています。

先日医学部の学生くんと研修医くんと25年前の麻酔について話していました。

ぼくが麻酔を始めた頃はpulse oximeterは何でも自由に買ってもらえるK大病院でも一台くらいしか存在せず、人工呼吸が内蔵された麻酔器も数台しかありませんでした。自動血圧計なんて便利なものもありませんでした。

仕方ないので10時間でも手動で人工呼吸をしながら5分おきに手動で血圧を測定するといく局面が何度もありました。なので麻酔中に居眠りなどできません。

もちろん一人で二つの麻酔を掛け持ちするということはこの体制では原理的に不可能だったのです。

今は違います。

 

医療の分野は「キレイごと」抜きで考えるともっと良くなる分野だと思います。

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