結構忙しくて新エントリーの作業をサボっていました。

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関東の某医大の入学試験の話、はじめは贈収賄事件だったと思ったら今や女性差別がけしからんという問題になってしまいました。

報道によれば高校卒業からの時間もフィルタリングのパラメーターに入れていたという事でこれって「女性差別」が中核の問題なのかと思わなくもないのですがどうなんでしょうか。

女の人も医者になった以上せっせと働けと言われても困っちゃうのでは無いかと他人事ながら心配してしまいます。

 

ぼくの立場は簡単で

受験生の属性が入学試験の結果に影響するのは良くない

です。

 

少なくとも税金が入った大学が性別を結果に反映させるのはやめた方がいいと思います。

 

今まで数多くの女性医師と働いてきましたが皆さんしっかり働いていたと一応言っておきます。 10年くらいまでは時間外手当も一円も貰わずすごく働いていた時期がありました。でもそれは別に女性医者が辞めちゃったからとか戻ってこなかったという理由でなく別の理由だった訳です。 あれくらいやらなかったら当時の職場の体制が保てなかったのは事実で結局なんとか維持できたので何か世の中のタメになっていたのだろうと思います。

 

しかしこれからは、誰もが法律で決められた条件の元で働きそれで何か毀損されるものがあったとしても仕方ないと考えています。

ぼくも成長した訳です。

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総説が出ました

前回の更新した時から論文が二つ出ました。 二つとも総説で英語と日本語一扁づつです。

一つは An intimate crosstalk between iron homeostasis and oxygen metabolism regulated by the hypoxia-inducible factors (HIFs) というタイトルで鉄とHIFの関係を述べたものです。 Free Radical Biology and Medicine誌に掲載してもらいました。

結構勢力を注ぎました。

げっそりって感じになりました。

https://doi.org/10.1016/j.freeradbiomed.2018.07.018

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30053508

からどうぞ。

 

 

もう一つは麻酔科の医者がよく読む月刊誌LiSAに掲載してもらったものです。 酸素生物学を読み解く: 低酸素誘導性因子研究の今昔物語 というタイトルです。

「快人快説」というコーナーなのですがこの企画の趣旨は

周囲の人に教えたくなる知識を、その道のスペシャリストがズバリと解説する

です。

cDNA単離から23年が経過し,生体の低酸素応答への関与はすでに確立したと思われている低酸素誘導性因子hypoxia-inducible factor(HIF)について,麻酔・集中治療にたずさわる臨床家にとってのキモとピットホールを中心に解説してみました。

LiSAは麻酔科の医者を主な読者として想定した雑誌です。麻酔科の医者に「持ってる?」と尋ねたら大抵の人は持ってるので読ませてもらってください。

病院が医学書院系の雑誌の電子配信サービスisho.jpを契約している場合はpdf fileを入手する事もできます。

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安部公房と大江健三郎を愛読するアイドル

乃木坂センター、齋藤飛鳥20歳。ネガティブ発言連発でも愛される“新エース” 安部公房と大江健三郎を愛読するアイドル

という記事を読みました。

 

齋藤飛鳥さんが、安部公房と大江健三郎を愛読してるという事です。どの作品が好きなのか興味があります。

娘は「文盲」同然の人で小説の話などした事はありません。多分斎藤さんなら気が合うから一日中おしゃべりを続けることができると思います。

長編なら 箱男 カンガルー・ノート万延元年のフットボール 個人的な体験 がぼくは好きです。

 

齋藤さんがが選んだという『現代日本文学大系』の「石川淳・安部公房・大江健三郎集」

安部公房、大江健三郎に加えて石川淳。 これを読めば齋藤さんもきっと石川淳のファンになると思います。 まず岩波文庫にも入っている「至福千年」から始めたらどうでしょうか。

 

そういえば、師匠がこのビデオを見て本当に悶絶していたそうです。


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https化

On 2018/7/25 水曜日, in news, by bodyhacker

このサイトをhttps化しました。

 https://blog.hypoxia.jp/ からご覧ください。

なお以前のエントリーへのリンクが “http”のままの場合は存在します。


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石坂公成先生の訃報にふれて

On 2018/7/6 金曜日, in hypoxia reseacrh, news, by bodyhacker

石坂公成先生がお亡くなりになりました。

ぼくの先生である淀井淳司先生の先生であり、産業技術総合研究所の特別顧問やぼくらのユニットのアドバイザーをしていただきました。

2001年の秋、産総研への就職に際して一時帰国した時、霞が関での理事長、つくば本部での理事面接のあと山形の石坂先生をお訪ねした時の事を今でもハッキリと覚えています。

石坂先生は長らくJohns Hopikins大学に研究の拠点を置いていてぼくも当時Johns Hopkins大学、石坂先生の友人であったVictor McKusickの名前を冠した研究所に属していた事もあって色んな話をう伺う事ができました。

 

今年の4月の末に淀井先生ご夫妻とお会いした時は非常にお元気という風に見えましたので急でびっくりしています。

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石坂先生が認められた二つのessayを紹介します。

「独創的研究をするために必要なこと」「プロの研究者の育成を真剣に考えよ」の二つです。

まず読んでみてください。 石坂先生は実際にこれらの文章の口調通りにゆっくりとお話しされるのです。

私には“独創性”の定義がよくわからないが、私の考えでは、研究者というものは、自分が興味を持った、ある未知の自然の仕組みを解き明かしたいという情熱から研究をするものだと思う。始めから他の人がやっていないことを物色して自分の研究課題を選ぶ人はいないだろうし、それはあまり意味のない事だと思う。

前回のエントリーにも書きましたが

「じゃあ一番重要な事って芸術ってのは、関わらなくてもいいものなんですよ。無くてもいいものなんですよ。別に無くても生きて行ける。 だからほとんどの人は、生涯に一つも作品なんか残さないわけでしょ?」042616@London

私がJohns Hopkins時代に親しくしていたロックフェラーのHenry Kunkelは骨髄腫蛋白と抗体蛋白の関係を確立した人だが、彼が免疫グロブリンのlight chainにκchainとλchainがあることをみつけたのは、ImmunodiffusionのOuchterlony plateの上でかすかなspurを見落とさなかったことに始まる。勿論彼はそんな結果を期待していたわけではなかったが、彼はplateにapplyする蛋白の濃度を変えて、若しそのspurが本物なら、よりはっきり出るようなデザインをした。Spurが出ないようなデザインも可能だった筈だが、彼は敢えて常識を破るような結果が本当かどうかを確認しようとした。彼がそのようなデザインを選ばなかったら、κ,λchainの発見は1、2年遅れたかもしれない。

この部分はその後ぼくの考え方や研究法の選択に決定的に大きな影響を与えてくれた記述でご本人にその事を話すとさらに詳しくこれに込めた意味を解説してくれました。

研究者がユニークな課題にチャレンジするか否かは、その研究者の知識や技術よりは、その人の性格や人生観に依存するfactorが大きいのではないかと思う。(勿論これらは生まれつきのものだけではなく、その人の経験によってつくられるものであるが)。驚くほど専門知識が豊富で、実験をすることもうまく、しかも、“自分にはしたい事がある”というので、何がしたいか聞いてみたら、全く月並みの研究計画を書いてきたので驚いたことがある。“こんな事は出来たところで、みんなの期待通りで、やらなくても分かっていることじゃないか!”と言ったことがある。他の人と同じことをやっていなければ安心出来ないエリートは、いくら知識があっても独創的にはなれないとみえる。

石坂先生は研究者や研究の「面白み」をよく話題にされていたように思います。

卑近な例で申し訳ないのですが、例えば診療録からデータを抽出して回帰分析をして何か結論めいたものを出す、末梢神経ブロックをして術後鎮痛薬の要求量に差があったという論文を研究といわれてもちょっとぼくは困るわけです。

これを「業務改善」や自らの臨床を振り返る手段だというのであればそれはそう思うしぼくも良くやる訳ですがだからと言って研究とは思いません。これらは臨床現場での有用性はないとは言いませんし有用なものは確実にあるとは思います。

しかし、女医の方が患者管理の成績がいいよというような調査結果をエビデンスだといわれても困るでしょう。

 

石坂公成先生ゆっくりとおやすみください。

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