「仮病の見抜き方」

On 2019/7/5 金曜日, in book, books, by bodyhacker

Apple WatchにSuicaを入れて使っています。

財布はもちろんiPhone出すのも面倒です。

どこでも使えるようになってきてもうこれでいいのではと思っています。


無給医

無給医問題があります。

ぼくは25年くらい前大学院に入る少し前、当時の教室の教授とこの問題について激論して一度破門になったことがあります。

その後また戻してもらってある時に、「あの時は俺が間違っていた」、と謝っていただきました。

嫌なら無給で働かなければいいのだというのがぼくの答えです。


仮病の見抜き方

影響を受けやすいタイプです。

をみて早速本を読んでみました。紀伊國屋にはなくてAmazonで注文をしました。

10のエピソードのうち5つくらいはぼくにも判りました。 多分AIにも分かったと思います。

 

「Episode6」についてちょっと書いてみようと思います。

以前こんな症例報告をしたことがあります。

Ectopic ACTH syndrome revealed as severe hypokalemia and persistent hypertension during the perioperative period: a case report.

 

ある年の4月、新研修医と一緒に麻酔をするのが嫌だったので自分一人で麻酔を担当することにしました。当時手術室の症例はぼくがあてていました。

入室時血圧が少し高いと思いましたが「別に」という感じで硬膜外チューブを留置して麻酔をはじめました。

縦隔の再発腫瘍切除でしたが、血圧の管理に結構苦労しました。

硬膜外麻酔がうまくいっていない感じでぼくにも「焼きがまわったな」と思いながら麻酔をしてました。

抜管してガス分析をすると、K+=1.6 mmol/lだったので焦りました。2回くらい測り直しました。

pH 7.549でHCO3-も46.9 mmol/lだったのですがこの時は低カリウム血症以外は考慮の外でした。

Kの補正を開始して担当医と相談の上、病棟に移動としました。

心電図以上やその他の症状はありませんでした。

ちなみに硬膜外はよく効いていました。

 

病棟で色々と話を聞くと甘草を服用していることが判り「なんだ」ということに一旦はなりました。因みにこれって国家試験レベルのネタです。

 

ここで内分泌の医者ーぼくの同級生のT村くんーが登場して検査の結果ACTHがすごく高い事が判りました。6年前の腫瘍がACTH産生腫瘍に形質を変えていたのですね。手術侵襲が加わって急速に症状が出てきたと考察しました。

その後、ICUに入ったりとか精神状態が変動したりとかこの病気で起こりうるほぼ全ての症状が出現して最後はカリニ肺炎も起こりました。

やっぱりこれは症例報告だろうと研究室で当時院生だったK本くんに話したらまだ英語で症例報告をした事がないという事で書いてもらいました。

と言う訳でちゃんと医者らしいこともしています。

因みに症例報告も出来が良いと結構頻回に引用されます。でも自分で良いと思っている報告がたくさん引用される訳ではありません。

この報告も英語は良いなどと査読コメントに書かれたような気がします。そんなのわかってるって、言われなくとも。

 

「Episode6」的な「落ち」もある非常に優れた症例報告だと自負しています。一種の「名作」です。

「Episode9」も判りました。なぜかというと今、某ホルモンの研究をしているから。

この本のepisodeは無いようで結構有る症例を集めてあるのだと思います。

 

値段も医学書と思えば安いです。

時間がなくとも一つのepisodeだけなら短時間で読みきれます。

仮病の見抜きかた

 

ところでぼくの上半期のベスト本

 

 新記号論 脳とメディアが出会うとき (ゲンロン叢書)

ありがとうを言えなくて 

ぼくは家内より一秒でも長生きしようと思っています。


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2016年のベスト本

On 2016/12/30 金曜日, in book, books, Kindle, by bodyhacker

2016年のベスト本

前回のエントリーで予告した通りに昨年に続き「2016年のベスト本」をやってみたいと思います。

本は基本的には通勤電車([25分+20分]x2)の中でしか読まないのでそう多くの本を読むわけではありません。


フィクション

結構最近「蜜蜂と遠雷」を読みました。これは力作です。

コミックの「ピアノの森」と似ているところはあったと思いますが一気に最期まで読まされました。

才能と努力とかそのような話題を考えさせられます。結構な分厚さで上下二段で正月休みにもってこいのボリュームです。

 

「風が強く吹いている」」も偶然映画を観てそれで読みなおしました。

こういう小説ってたぶん英語に翻訳される機会は少ないと思うのですが読んだ人のその後の考え方にとても強い影響を与える可能性があると思います。

 

 

「マチネの終わりに」には新聞の連載小説ですがぼくはcakesでの連載でフォローしていました。まとめて読んだのはKindle版でamazon unlimitedで読みました。

「夜行」もすごく楽しめました。「蜜蜂と遠雷」と共に直木賞の候補になっているようです。

京大も20年後には平野啓一郎,森見 登美彦,万城目学の母校として知られるようになると思います。

 

 

麻見 和史さんの警察小説のシリーズがあります。 如月塔子という名前の女性刑事が主人公で副題に警視庁捜査一課十一係とあるように彼女を巡る群像が殺人事件と絡められて進行していきます。 数年前に文庫本を見つけて文庫本になっているところまで(6冊あります)は全部読みました。

「警視庁捜査一課十一係」の面子が正式な捜査会議のあと集まって一杯やりながら行う事件の「筋読み」のシーンがうまく書かれています。実験室でも気軽にデータを持ち寄ってお互いに批評しあう雰囲気があると研究も楽しくなりますよ。 テレビドラマにもなっています。 「石の繭」と「水晶の鼓動」が「如月塔子」を木村文乃さんが演じて公開されています。 小説も面白いですがドラマもおもしろいです。木村文乃さんは好演というか彼女しか適役はいないという演技です。 読むのが面倒な人はビデオ観てください。結局本も読みたくなると思います。「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」を凌駕するおもしろさです。

文庫本を6冊とビデオを見たら正月休みの暇つぶしになります。

 

「パードレはそこにいる」 騙されたと思って読んで見ると得します。(上)(下)あります。

でベストは

「ブラインド・マッサージ」

ブラインド・マッサージ (エクス・リブリス)

です。


ノンフィクション

「村に火をつけ,白痴になれ――伊藤野枝伝」 「狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ」には驚きました。

「狂う人は」年末の各紙の今年の三冊とかの特集でも多くの評者にあげられていました。島尾夫妻もすごいけどこれを書き切った著者の梯さんにも脱帽です。

 

「解縛: 母の苦しみ、女の痛み」

文庫本を読みました。 家内も母親にどんな気持ちを抱いているのか聞きたくなりましたが怖くなって止めました。

 

「母の母、その彼方に」

雑誌「考える人」の連載の単行本化されたものです。大阪の箕面が舞台なのでより興味をもって読むことができました。

 

池澤夏樹さんが編集して刊行が続いている河出書房新社の日本文学全集のうち今年刊行された

「日本語のために」

「枕草子/方丈記/徒然草」

「平家物語」

を読みました。

特に酒井順子さんが担当した枕草子は橋下治さんの「桃尻語訳 枕草子」を凌ぐ現代的だな名訳だと思います。

 

翻訳物の医療関連の一般書が何冊か出版されたました。

「死すべき定め――死にゆく人に何ができるか」

「脳外科医マーシュの告白」

「いま、希望を語ろう 末期がんの若き医師が家族と見つけた「生きる意味」

それぞれ

Being Mortal: Medicine and What Matters in the End

“Do No Harm: Stories of Life, Death and Brain Surgery”

“When Breath Becomes Air”

の邦訳です。 全部英語で読みましたが,死すべき定めは邦訳も読みました。英語が難しいかったです。

医学部の教材にしてもよい三冊ですが一冊選べといわれたら断然“Do No Harm”です。素晴らしい。

 

「エンゲルス: マルクスに将軍と呼ばれた男」 と「日本語を作った男 上田万年とその時代」 は堪能しました。

「これからのエリック・ホッファーのために: 在野研究者の生と心得」   には考えさせられました


英語の本で邦訳がまだ出ていないものとしては

“The Undoing Project: A Friendship That Changed Our Minds”

“The Gene: An Intimate History”


「断片的なものの社会学」

は今年読んだもののベストなのですが2015年の発行なのでおいておきます。

 

でベストは

 “Lab Girl”

です

New York Times で二つ書評(これこれ)があってNatureでも紹介されています。

ハワイ大学の研究者Hope Jahren氏の回想録です。

女性研究者の回想録という側面が強いですが「リケジョ」的な話ではありません。 全ての理系研究者は読んだらタメになります。

翻訳がでたら読んでみたいと思います。これがどういう感じに日本語になるのか興味があります。

Kindleと紙の本を両方持っています。これもKindleで買えるので正月休みで読み切ることができます。

Lab Girl (English Edition)

 

翻訳物といえば 「小澤征爾さんと、音楽について話をする」英訳がでていました。

楽しめました。

 

以上です。

本なんて高いようで安いです。このほかにも買いたい本は買いますがたぶん月に2万円は使っていません。

 

 

【追記】

 これ忘れていました。

「脳梗塞日誌 ~病棟から発信! 涙と笑いとリハビリの100日間 」


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大学院生への推薦図書 5冊

On 2016/4/2 土曜日, in hypoxia reseacrh, by bodyhacker

推薦図書 5冊

最後に追加した項目-345

 

新学期スタートです。 恒例の推薦図書紹介をやります。 前年度は「推薦図書 10冊」でやりました。(参照:推薦図書 10冊) 

今年度は、これと重複しない5冊を推薦します。

 

「シャーロック・ホームズの記号論―C.S.パースとホームズの比較研究」

すこし古い本ですがamazonなどではまだまだ入手できます。

以前に紹介したことがありました(参照:「仮説、モデル、問い」)

 

シャーロック・ホームズの記号論―C.S.パースとホームズの比較研究 (同時代ライブラリー (209))

 

「心脳問題」

「心脳問題」は部分的には三回くらい読み返しました。 麻酔科の医者ですので麻酔状態ってどんな状態かに興味があります。それに関する研究も多く発表されていますがぼくとして満足なものはありませんでした。理由が「心脳問題」を読んで解ったような気がしました。 麻酔科の領域でこの分野の研究をしている人たちは少なくとも「心脳問題」や「意識をめぐる冒険」の問題提起に答えを出す様な研究をやってもらいたいと思います。現状では、小難しい話をして皆を煙に巻いているとしか言いようがないと思います。 「文体の科学」はともかく「理不尽な進化論」と「心脳問題」はすこし難解だと思います。行ったり戻ったりを繰り返さないとぼくには通読せきませんでした。特に「心脳問題」は難しいけど通読する価値は大いにあると思います。医学部・医科大学の授業で教科書として取り上げる価値がある思います。 (参照: 2014年のベスト〜本〜)

この本を推薦する理由は、脳科学のよい教科書になりうるからではありません。 まえがきにある通りに、

しかし、提供される脳情報があまりに多量かつ多彩であるため、どの情報を信じて良いのか、重要な問題がなんであるのかを判断するのがとても難しくなっています。へたをすると情報の海でおぼれてしまいかねません。ウソや怪情報も飛びかっています。

こんな時に必要なのは、闇雲に新たな情報を仕入れることではありません。それでは混乱の度が増してしまうだけです。必要なのは、そもそもそうした情報とどのようにつきあえばよいのかをあらためて考えて見ること、いいかえれると「脳情報のリテラシー(読み解きかた)」を身につけることではないでしょうか。まさにそれがこの本のテーマです。最初に述べた「基礎知力」とは、このリテラシーにほかなりません。

科学を学ぶための前提となるリテラシーを学んでもらいたいからです。

最後に掲載されている解説がついた大量の参考文献のリストも役に立ちそうです。

心脳問題―「脳の世紀」を生き抜く

 

「知」の欺瞞――ポストモダン思想における科学の濫用

自分が科学者だと自任する人は一流でも二流でも三流であっても一回は読んでおいた方がよいかと。

いわゆるソーカル事件と関連の深い本です。

こんなサイトも存在します。 ここの議論だけ読んでももしかしたら十分かも。

 

「知」の欺瞞――ポストモダン思想における科学の濫用 (岩波現代文庫)

 

ライフハックで雑用上等〜忙しい研究者のための時間活用術

Macを研究に使う人なら一回は眼を通しておくと良いと思います。

今まで使っていたアプリでも知らなかった使い方を発見するかも知れません。

 

参照:出版社による紹介 詳細な「もくじ」が載っています。

ライフハックで雑用上等〜忙しい研究者のための時間活用術

 

考えながら書く人のためのScrivener入門 小説・論文・レポート、長文を書きたい人へ

ライフハック本でも紹介されているScrievenerの日本語による解説書です。

ここ数年論文や申請書の執筆に使ってきましたがこの本を読んで機能の1/3位しか使っていなかったことに気付きました。

まあそれでも十分だったのですが…

考えながら書く人のためのScrivener入門 小説・論文・レポート、長文を書きたい人へ

 


映画 「リップヴァンウィンクルの花嫁」

先週の日曜日に岩井俊二監督の映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」を観ました。

上映時間で3時間!!

 

綾野剛さん

すばらしかったです 産科医の役などやってお茶を濁している場合じゃ無いよ。

 

というわけで「花とアリス」も今日、観直しました。

蒼井優あの時、19歳だったって今日知ってびっくりポン

ちなみに鈴木杏は17歳だったようです。

 

最後に追加した項目-332


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