暑そう
外は暑そうですが涼しいうちに病院に入ったってエアコンが効いたエリアにずっといるので実感はありません。
9時前に明日の実験の準備を全て終えてしまい午前中に締め切るのある日ごとは全て済ませてしまったのですこしゆっくりしています。
ここ一週間ほど救急外来経由の手術が増えているので手術室に呼ばれるかも知れませんけど… (まだ呼ばれていません 17:35)
〈追記〉
5時に起きて実験していたら結局呼ばれました。
ここ三週間で病院・研究室に出なかったのは一日だけなのですこしバテ気味です。
New Horizons とPhilae
NASAのNew Horizonsには初代プレステと同じCPUが積まれているという記事を読みました。(参照1)
今週のScienceの特集は彗星67P/Churyumov-GerasimenkoにインストールされたESAのPhilaeが送ってきたデータの解析結果です。着地地点から二回バウンドして太陽光の当たりにくい場所に最終的に着地したため今年の6月まで休眠状態だったのですね。
Lancetにエボラ出血熱のワクチンの論文が掲載されています。 バカ効きするそうです。
人類も束になるとすごいことを成し遂げるのですね。
本二冊
今朝の日本経済新聞に「意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論」 の書評が掲載されていました。
評者は池谷 裕二さんです。
発刊当初も話題になった本です。
トノーニ 氏らは意識とは何かという様な一種の哲学的な問題を解明したと主張している訳ではないとぼくは考えているのですがこういうアプローチで得られた結果を「意識」とは、「こころ」とはという問題を解明したと解釈する人が時々いるのを妙なことだと思っていました。
この本は
筆者らは現象的な側面から、(1)豊富な情報、(2)単一的状態、という意識の二大公理を導きだす。ー中略ー
これは重要だ。なぜなら、この特性があれば、情報理論の手法で「意識量Φ(ファイ)」を記述できるからだ(本書には数式は出てこないので安心を)。つまり、意識レベルを尺度Φで定義できる。
一旦定義できれば、その性質や作用原理を解剖できるだけでなく、たとえば、植物状態の人に意識があるかを調べる方法など、役立つヒントも与えてくれる。ー中略ー
読者を落胆させないために書いておく。本書は意識を解き明かすことを意図していない。「まずはあらゆるΦ値を測定しよう」と意識研究の本格始動を宣言するものだ。
という内容なのです。(太字はぼく)
可逆的に意識を失わせる方策として麻酔があります。全ての全身麻酔薬は個々のニューロンの興奮・抑制という観点から観たら大きな違いがあるのだがTMS脳波計で測定すれば統合性が阻害されて複雑性を失うという似たような作用を脳に及ぼしてそれゆえ麻酔中に人は意識を失っているのだという主張をトノーニらはしていて大量の数の論文として発表されています。
ちなみに「意識」とは、「こころ」とはという問題を考えるのにとてもよい参考書があります。「心脳問題―「脳の世紀」を生き抜く」です。頭の体操になります。
二冊目は「不健康は悪なのか――健康をモラル化する世界」。
英語のタイトルは”Against Health”です。「健康」の問題を道徳的自己変革の問題としてより現代的な視点から論じています。
イントロダクションでも触れていますがこのような問題と似た問題提起は1975年のイリイチの「脱病院化社会」でもなされています。
内容はそうそう平易ではありませんが医療に関わるクラスターが読み通すにのに問題は無いとおもいますが例えばこのようなブログエントリーでもほぼ同じ問題が論じられているのですね。
〈追記〉
出版社のサイトの目次へのリンクを張っておきます。